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「朝起きたら自キャラになってた」で物語を書く22

1 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 19:15:57.89 ID:DH8435g9
朝起きたら自キャラになってヴァナにいた。。。という前提でストーリーを作っていくスレです。
前提さえ満たしていれば、大抵どんなブッ飛んだ設定で物語を展開してもおk!
基本的に作者様毎の物語はそれぞれ別物です。互いに矛盾や理不尽があってもおかしくないです。
(ででおの話じゃないので、スレ名を修正してから随分たちました)

保管庫(閉鎖予定?)
ttp://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/FrontPage

前スレ
「朝起きたら自キャラになってた」で物語を書く21
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1182075796/

避難所
朝起きたら自キャラになってた:避難所
ttp://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11ch/1155547002/l50

詳しいことは>>2-10あたりや避難所・保管庫へどうぞ。

2 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 19:16:24.13 ID:DH8435g9
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。

ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。

俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!

この異世界に出口はあるのか?

リアルに帰還できるのか?

熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!

俺たちの明日はどっちだ!?

3 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 19:17:02.67 ID:DH8435g9
(まとめWikiのテンプレより)

キャラ紹介テンプレ

初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:

他キャラとの接触:
独自レギュレーション:

4 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 19:53:41.82 ID:V2O+OWNA
スレ立ておつです!
だけど…口上は、どうした〜♪

せっかくだから代わりに。
貴方の物語を、聞かせてください。
誰かと共に創る物語でも、貴方だけが紡ぐ物語でも。

5 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 21:14:35.28 ID:DH8435g9
>>4

おー、前スレ5の後半そんな風になってたのですね
補完どうもです。

前スレ3は、「これにあわせなきゃいけないのかな」って思う作者様がいるといけないと思って今回は割愛しました。

6 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 21:56:22.64 ID:+6hwj+OT
スレ立て乙です。
前スレ3にあるような作者間リンクとか他作者さんとの共通設定は、
それぞれが説明した方がわかりやすいね。

もしくは説明せずに、物語中で「あれ?実は○○さんと同じ世界設定の話か?」
となるもの、それはそれで面白いし。

7 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 22:19:31.88 ID:V2O+OWNA
>>6
なるほどです。新たな風が吹きますように…。

ところで避難所のほうにて書き込み規制に巻き込まれておられた方が、
転載を、との事でしたので代わりに投下していきます。ご了承ください。

8 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 22:20:46.36 ID:V2O+OWNA
■*いしのなかにいる*

 雨が降り注ぎ、冷たい水に沈んでいく。はるか遠くで声が聞こえる。弱く輝く宝石…誰にも渡してはいけないけれど、動けない…。ほのかに石だけが暖かい。雨に沈んでく。

9 :21・Air:2007/07/09(月) 22:22:02.83 ID:V2O+OWNA
■ヴェ・ルガノン宮殿

 気がかりな夢のつづきは夢だった。
 滑らかな曲線と直線で構成された、巨大なホール。すべてが淡い青白く光る石。表面には所々にルーン文字を思わせる記号が彫り込まれている。
 けれど幾何学と人工で支配されるのを拒むように、一抱え以上ある木の根が所々に張りだし、足下を水でぬらす。永遠の時間と静寂が、空間を重く支配している。

 いつしか隣に見知らぬ女性。整った顔立ちと強い意志を宿した瞳。
 だが夢とはいえ衝撃を禁じ得ない。黄色いボディコン衣装。薄い布地は体の線を強調し、たわわに揺れる胸、くびれたウエスト。長い脚。…うらやましい。羽毛飾り、ピアス、首飾り、腕輪などなどアクセサリ。
 あなたバブルのジュリアナから来られましたか?タイムマシンはドラム式ですか?
「ねぇ、無事にすべて終わったら、私と一緒に世界を旅して回らない?」
「はい?」
 予想しなかった問いに、間抜けな返事。
 ジュリアナはニコニコと会話を続ける。
「なにを突然って顔ね。ふふ。約束よ」
 小指を差し出された。ゲンマンして世界のクラブでも踊り回るつもりか。本当に突然だよ。ともかく細く白い指と、指切りをする。無邪気に笑うジュリアナ星人。
「そろそろ行くわ。いい?約束忘れたら承知しないからね」
 ブーツを鳴らし、おっぱいを揺らし、小走りでどこかへ行った。さすが夢だなぁ

10 :21・Air:2007/07/09(月) 22:22:38.00 ID:V2O+OWNA
■ル・オンの庭

 通路から外に出たそこは、石造りの庭園。ひときわ大きな樹の根本には、人工的な直線の水路があった。水の流れを追っていくと、その先はすぱりと庭園が終わり、遙か下方の雲の海に水が落ちていく。
 体を乗り出し遙か下を望めば、遺跡の落とす影が丸く雲にうつる。空に浮かぶ遺跡。ここは言っておかねばならない。
「ラピュタは本当にあったんだ!」
 遺跡のフチに、足を空中に投げ出して寝そべる。
 と、背中で尻を踏み付けたような感覚。ふさふさした尻尾が生えている。色は白。そういえばハダカ。夢だし。
 他もいつもの自分の体ではない。女らしい、というよりはひきしまった体。肌も白い。脚が長い。感動。頭に手を伸ばせば、猫耳。ぴこぴこぴこぴこと自分の意志で動かせる。また感動。
「あ、FFのミスラか!!」
 なんの夢かを思い出した。よく見れば桃色の鳥が空を舞っているし、壺が浮いていたり、土偶人形が立っている。随分前にFF11は引退して、この風景を忘れていた。
 仲間は今もゲームを元気にやっているのだろうか。ぶらぶらと脚と尻尾を揺らす。今日はなつかしい、良い夢だ。花の甘い香りと小さな羽虫。眼下にはどこまでも雲。

11 :21・Air:2007/07/09(月) 22:23:01.93 ID:V2O+OWNA
しばらくとりとめもなく思い出にひたっていると、足音が聞こえた。身を起こし立ち上がる。黒装束をまとった巨躯が、通路を通って現れる。おぉ、ガルカ!懐かしい。でっかい。こちらと目があったガルカの第一声は、ジュリアナと同じくらい意味不明。
「もどれ、自由は、ない」
 好意の一片も感じ取れない。負の感情を秘めた、地獄の底から響くバリトン。
「断ったら?」
 笑顔で聞いた。夢の中の私は超、強気だ。ガルカは私の身長よりも長い日本刀を、ぬたりと抜きはなつ。わかりやすい返答。ざわざわと気配が絡みついてくる。
 そして、動いた。ガルカが間合いを詰め、ごうと刀を振り下ろす。斜に体を沈め、そのまま伏せて四つ足で横っ飛び。
 着地したとき、右腕に鋭い痛み。すっぱり裂けて血が出ている。
 …痛い?夢の中で今まで痛かったことはない。夢を見たときにほほをつねってみるといい。麻酔をかけたように感覚がないから。つまり、これは、夢じゃない?!
「もしかして、これは」
 ぐるぐると混乱しかける思考に、突然の閃き。そう、昨日見たスレッドが思い出される。背中にじっとりとした汗と悪寒。Q・昨日寝る前に読んだスレッドは?A・「朝起きたら自キャラになってた」
/sh「うはwwwおkwww!!1!11!!!」
 咄嗟に出たのはマクロかもしれない。そういえばNaitouプレイをしていた事があった。自分だったらそんな悲鳴はあげない。本当にヴァナディールにいるのかしら。などと考えてる場合ではなかった。
 ガルカは踏み込み、刀で横なぎに切り払ってくる。何とか今度も飛びすさる。普段の自分なら両断されていただろう。少しはこちらも速いらしいが、何とか糸口を見つけ…。
 その思考を腹部の鈍い、重い痛みが中断する。見たくない。のに、視線が勝手にひきつけられる。おなかの中心を左から右へ真一文字に、白い肌に桃色の肉が開いている。
 じわりじわりと血がにじみ出るのが、コマ落としに見える。見るんじゃなかった。脚がストンとおちる。
 ガルカは正面に立ち刀を、振り上げ、振り下ろす。ゆっくり、ゆっくりと刀が迫る。

 お・わ・り。

12 :21・Air:2007/07/09(月) 22:23:25.44 ID:V2O+OWNA
 に、なってたまるものか。体を跳ね上げ、踏み込む。ガルカの手が肩にぶちあたる。腕と腰元をつかみ、身をひねり、腰をぐいとあげて背負い投げ。
 ガルカもさるもの、右足を出し踏みとどまる。そこで伸び上がり、ガルカの顔に頭突き。顔を狙った頭突きは身長差でアゴに直撃。くぐもった声を背に、あらためて背負い投げ。ガルカの体は宙に舞った。宙を舞うガルカが声をあげるが、時すでに時間切れ。
 勝利は確定だった。…背負い投げの結果、空中に投げ出されなければ。そういえば遺跡の端に座っていたんだった。
「GYEEEEEYAAAARRRRR!!」
 かわいい悲鳴をあげる余裕はとてもない、私も宙を舞っていたから。ガルカがゆがんで空中に消えた。ぅゎずるぃ。
 遺跡が加速して上に遠ざかる。だめだ、これは。妙に頭が落ち着いている。せっかくだしスカイダイビングを楽しもう。FedExに電話したらパラシュート届けてくれないかな。
 ものすごく空が青い。鳥になった気分。カメラで撮って、友達に絵はがきを出そう。雲がぐんぐん近づいてくる。ああ眠い。意識が薄くなってきた。これはやっぱり夢。

13 :21・Air:2007/07/09(月) 22:23:47.31 ID:V2O+OWNA
■*ささやき*

 体が重く動かない。冷たく青い光だけが見える。永遠に続く眠り。美しい唄声が、遠くから聞こえる。そうしたら、心臓がきりきりと痛む…心が暗い気持ちに染まっていく。いやだ。何も見えない、目の前がゆがむ…いやだ。なにも、みえ、な…

14 :21・Air:2007/07/09(月) 22:24:55.86 ID:V2O+OWNA
■どこかの小屋

「うわわわあっ!!んぎっ、か、か、くぅ」
 悲鳴を上げて飛び起き、なにかに思い切り頭をぶつけた。チカチカ星よ、頭をまわれ。猛烈に痛む頭をさするとフサフサした耳。頭の横には…耳がない!じっくりと体を見ればミスラ。またハダカ。夢のつづき?
 さて…大きく息を吐いて、脚がはみ出る小さな木のベッドに倒れ込む。ところどころ光が漏れる板張りの小屋、窓からはやわらかい日差し。
 少なくとも自宅ではない。外からは波の音森のニオイ。釣具やカゴ、網が雑多に転がっている。
「夢…?」
 頭が痛い、ぶつけたせいだ。夢ではない気がして、ここまでの記憶の糸をたどる。
 昨日はタンポポコーヒーを作ってみようと、大きな植木鉢に種をまいた。夕方には激しい雨、遠雷がゴロゴロ鳴っていた。雑多な家事や、ネットをしたりして11時に寝た。
 …それからなにか、夢を見て。つぎは空島から落ちる夢。そういえば傷跡がない。おなかをなぞってもキレイなものだ。やっぱり夢かしら。
 それともやつぱりヴァナ・ディールに居るのかな。夜見たスレッドにはそんなことが書いてあったけど。
 そうだ、名前。air、アリア。そうだけどちがう。現実の名前は…?アイリス?そんな日本人離れした名前のはずない。
 チヨコ?そうだ、千代子。少々記憶がこんがらがっている、アリア(air)はヴァナディールの名前だった。
 そこまで考えたとき、砂を踏む小さな足音が聞こえた。扉が開けられ光が差し込む。
「気がついタル?」

15 :21・Air:2007/07/09(月) 22:25:15.26 ID:V2O+OWNA
 素早く身を起こし、部屋に入ってきたタルタルをがっきと捕まえる。
「な、なにするタルっ!?」
 そのままひょいと抱え上げ、あぐらを組んで脚の間に座らせる。
「しばらく、こうしてくださいっ!」
「…だ、だいじょぶタル?」
 そっと手を添えてくれる。タマネギのようなトンガリ頭、コロコロした瞳がこちらを心配そうに覗き込んでいる。
 体の震えが止まらない。嬉しくて。
 ミスラの座り方は実装当時あぐらで、あまたのタルタル達が吸い寄せられた。今の座り方はなんだ!タルタルホイホイはガルカだけの特権で良いのか!今こそ立てよ!ミスラたち!まあ座るんですけどね、あぐらだけに。
 そうジュノ大公の宮殿でシャウトした私が。今ついに、あぐらの間にタルタルを座らせている。ああ、もう死ぬ。
 ひとしきり満足して、床に置く。ちぃさいなぁ。かわいぃなぁ。持って帰りたい。タルくんの顔が真っ赤だ。苦しかったのだろうか。
「も、もういいタッ?ふ、ふ、服はそのへんのを適当につかタッルッ」
 タルくんはすばやく部屋を出てしまった。あ、ハダカやん。わっふるわっふる。

16 :21・Air:2007/07/09(月) 22:26:09.39 ID:V2O+OWNA
■ルフェ湖・岸

 青い空、透みわたる湖、まぶしい太陽。小さな入り江の崖岸にへばりつくようにその小屋は建っていた。
 少し落ち着いてからタルくん、いや、マーティンに話を聞いた。私の大好きなタマネギヘヤータルタルで、もうすぐ29歳(には見えない)。
 いつもここ、セルビナ近くの湾で釣りをして暮らしているそうだ。…やっぱりここはヴァナ・ディールなんだ。
 2日前、彼がいつものように釣りに出て、大物だと思ったらミスラが釣れたそうだ。私は飛空挺から落ちたと説明しておいた。
「と、ともかく、目が覚めて良かっタル」
 話の間彼が視線をそらすのは、布きれを巻いただけの格好だからだろう。
 タルタルの服は小さくて、はけそうなものはマーティンの釣った、錆びたサブリガ&レギンス。…なんで釣れるんだ。あとで洗ってなんとかしよう、いや、する。
「なにもないとこだけど、ゆっくりするといいタル」
「ありがとう」

17 :21・Air:2007/07/09(月) 22:26:26.75 ID:V2O+OWNA
 日が暮れるまで、いろいろと考えた。
 まずなぜこうなったかは、わからない。だいいち自分で来たわけじゃない。考えないことにする。
 スレッドで見た他の人たちも、こうしてヴァナ・ディールにいるのか。自分の状況を考えれば、あり得ないことではない。
 状況の疑問を考えても頭がこんがらがるので、これも軽やかに頭から追い出す。
 いったい今後どうするのか。元の世界に戻る、には理由がない。
 色々な事があって家族は居ない。身近な知り合いもほとんどいない。自分が食べるだけの生活で満足していたし、それなりの蓄えもあった。ゆっくり暮らせばいいかと思っていた。
 テレビも雑誌もない生活をしていたから、あまりこちらで困ることはなさそう。いや、ウォシュレットは懐かしい。アレがないというのは、慣れるのに時間がかかりそうだ。
 こっちで暮らすのも悪くないさ。サブリガを洗いながら得た結論だった。べ、べつにお肌スベスベに若返ったからとか、タルタルが居るからじゃないわよ。と誰かに言ってみたかったが、相手は居ないのでため息一つ。

 夕食はマーティンの釣ったバスを刺身にしてごちそうした。軽く湯引きするのがコツ。粉を練った、パンのようなもの。新鮮な魚が手に入る住居というのはすばらしい。
「そうそう、アリアはこれからどうするタル?」
「ん〜、あてもない旅だし、よかたらしばらくご一緒させてもらえませんかニャ?」
「僕はかまわないタルが、こんな何もないとこでい」
「ありがとにゃー」
「タルっ!?」
 抱きついたら、じたばたとマーティンはあわてている。可愛い。タルタル可愛い。やっぱり…こっちの世界の方が良いナ。

18 :21・Air:2007/07/09(月) 22:28:08.77 ID:V2O+OWNA
投下代行、ここまでです。
一部のレスが、ネ実の投稿サイズ宣言(2048字かつ20行以内)よりも大きかったので、
分割した部分があります。そのあたりどうかご了承ください_(._.)_

それでは、わっふるわっふる〜

19 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 22:28:59.07 ID:V2O+OWNA
×宣言 ○制限
落ち着け自分。

20 :既にその名前は使われています:2007/07/09(月) 23:46:08.99 ID:DgKMYw4q
新スレ乙!


21 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 01:08:34.46 ID:jANKFbiR
>>1さん乙です
明日早起きしてよむぞーー

22 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 01:14:00.09 ID:qrd+aWeL
>>8
地形ハマリして、GM呼ばずにそのまま回線抜いてログアウトして
翌朝目が覚めて自キャラになっていたら、正しく『いしのなかにいる!』になるなw

昔あったジュノ天晶堂入り口の脇の箱の間にハマってるならまだしも
海の中なんかに落っこちたり、飛空艇の手すりの向こうに落ちたりしてたらヤバイなw

23 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 03:13:16.69 ID:h8SEUB2B
ウィンダスの港区に落ちたら出れるぞ。歩いてみたから間違いない。出た先が飛空挺乗り場で、キセルしようとしたらたたき出されたのはいい思い出。

24 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 05:48:36.84 ID:8bpWx+58
そろそろあげておきます

25 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 09:44:59.53 ID:3BTgVkcI
目が覚めた時に海の底だったら、
泳げる人でも混乱して溺れるだろうなw

多くの人がモグハウスで目覚めることの何と幸せなことかw

26 :*家具のなかにいる*:2007/07/10(火) 11:00:01.55 ID:zU0muUpY
朝起きたら、身体がブックシェルフの中に嵌っていた。
「いやー…おいちゃんもこの仕事やって長いけど、君みたいのは初めてだな」
モーグリがいなかったのでそのままドアをタゲって出て行こうにも届かず、そもそもなんでこんな状況に陥っているのか、寝る前の事をなんとか思い出そうとしながら、一応GMコールもしてみたというわけで。
頭だけ天板の上から出して、あとは私の身体にぴったりとあつらえたようにくりぬかれた?ような本棚の中に全部収まっていて、身動きが取れない。いや、しっぽだけは自由だけど。
ともかく端から見たら非常に情けない格好であることは間違いない私の姿を見て、おなじみの真っ赤な鎧姿のフランクなGMさんは少し首を傾げてから、手元の赤いパールに向けて応援を呼んだ。
…こういうのって、HPに転送しておしまい、じゃないの?

「で、来訪者が向こうからコンタクト取って来たから何かと思ったらこうなってたって? おもしれー」
「繋がったのが貴方のところで幸運でしたねぇ…シヴァ女史とかの処に繋がってたら、今頃消されてましたよ」
「うむ…まだ本当の本当に何もしていないのに、いきなりそんな事になっては流石に可愛そうだからなあ」
「で、どうしますかこの本棚」
「壊すしかないでしょ? モーグリは基本的に触っちゃまずいから俺らを見られるのもダメだろ」
後から来たGMさんの一人がそう言って、背中にしょっていた大きな剣をよっこらしょと引き抜いた。
そのジャッジソードすごいですね。それほどでもないです。

そのあと無事に本棚は電熱線を前にした発泡スチロールみたいにすぱすぱ切られて、私は自由の身になったけれど。
「君がこの世界に過大なる干渉をしない限り、この世界は君を歓迎するだろう。それでは、よい旅を」
そこまで言ってGM軍団が去っていってから、私はようやく自分の身の上に起こった出来事を正しく認識した。
えーと、もとの世界に帰してくれとかそういう要望は、サポート外ですか…?

27 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 11:03:41.87 ID:zU0muUpY
書くだけ書いて続かない。

恐らく本国に寝ぼけながら帰還→
スティック倒しっぱなしで家具グラ読み込む前に部屋の隅まで突進→
モグを呼び忘れていたのに気づくがめんどくさくなって/shutdown→
就寝

こんな処でしょうか。

28 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 12:54:16.67 ID:jANKFbiR
新しい人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
しかもミスラ〜(*´д`*)

29 :おじゃまさま:2007/07/10(火) 12:55:01.61 ID:Hp42yX61
目を開けたとたんあんまりまぶしくて 手をかざすなりあわてて起きあがった。大好きなルフェーゼ野のメロディーがながれているのはいいけど。。。ふと自分をみたらチュニックのあちこちに草がついていて、なんととなりに

きれいな金髪のヒュム♂が眠っていた。
…かわゆい(#^.^#)

ちゃうて。。。
状況を把握しなさあい;
あそこになんだかサンマ感が残って…
パンプスはいてるけど ズボンを装備してないやん。。。しまった。。。とにかく逃げよう…逃げてから考えるんだあ

でも たちあがったのに、なんだか自分の目線がひくい。
そうだ タル♀だった…

種族がちがうのに できるのか。。。。
おぼえてなーい(。。;) ・・・とりあえずウィンに帰ろう
 テレポヴァズ だーい;;

30 :既にその名前は使われています :2007/07/10(火) 12:55:07.64 ID:Oe3TbVAv
昼休み保守っ

31 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 15:10:03.58 ID:zU0muUpY
ぴちぴちしちゃらめっ

…こうですか? わかりません!

32 :とある猫:2007/07/10(火) 15:28:21.90 ID:wgRLg+3t
その1-1      読みにくかったらゴメン。

登場人物・・・ミスラ=俺
       他いろいろ

目が覚めると、そこはどこかの草原だった。
「はて・・・」
俺はベッドで寝起きしていたはずだ。キャンプに出かけていたワケでもない。
まあいいや、と立ち上がる際視界にチラリと入ってきた胸。
「ん・・・?」
自分の体のパーツだ。感触もある。
「お、、、おっぱいおっぱい!」
ムニムニと感触を楽しむが、自分で触るのもなんか変な気分である。
だが、自分の体の変化はそれだけではない事が解った。
尻尾と、猫耳が付いている・・・・
「これは・・・例の自キャラになってたってやつか」
確かに俺のキャラクターはミスラである。ミスラになっちゃったのだよ。


33 :とある猫:2007/07/10(火) 15:47:11.25 ID:wgRLg+3t
その1-2
とりあえず、今の自分の格好はそんなに厚手の生地ではないズボンと上はミスラ種族の下着である。寒い・・・という事はない。
「ここどこだろ?」
周囲を見渡すと、山肌の岩石は白っぽい。コンシュかラテ辺り?てっとり早く判断するには獣人を見つければいいや。とコソコソしつつ散策を開始する。
まだ元の体に戻ろうとは欠片も考えていなかった。今は実際に見て、触れる事のできる新世界に心が惹かれていた。
暫く歩くとなんとなく見覚えがある地形であることがわかった。ここは・・・「ラテーヌかー・・・サンドいってみよ」
そろそろロンフォールの森であろう地点に差し掛かったところで遠巻きにチョコボ2羽が荷車を引いて木々の生い茂る方向からガタガタとやって来た。
荷車にはヒュムのおじさんがパイプをふかしつつ、こちらをジロリと見てきた「よぅ、姉さん。あんた野盗に襲われた帰りかい?」野党・・・ているのか。
「いいや。元々なにも持ってないしね。それより野盗なんてこの辺に居るんだ?」商人のおじさんは「はぁ?」な顔をしつつ
「ここらは野盗が結構出るので有名なんだよ。どんな田舎モンでも知ってるはずだ」
どんな田舎モンでも・・・か。と言うか俺の知っているヴァナとなんか違う。「田舎は田舎でも・・・まあ。物凄く遠い所から来たからねぇ」
尻尾をブラブラさせつつ会話をしていると、荷車の中に何人かの鎧を着込んだ人影が見えた。
「その・・・用心棒?が居ないとやっぱり危険なのかい?」「おうさ。こうやって街で雇って仕入れに行かないと、すぐに身包み剥がされちまう」
マジかよ。今の自分は女だという事が余計怖くなった。こんなんで野盗に襲われたらあんなことやこんなことまで・・・   ニヤニヤニヤ


34 :とある猫:2007/07/10(火) 15:50:12.92 ID:wgRLg+3t
その1-3
いやいや。俺がされるんだ。ニヤついてるバヤイじゃない。
「おじさん、ここからサンドリアまで、歩きだとどのくらいかかる?」「昼には着くんじゃねぇかな?姉さんの歩く速さ次第だがよ」「そっか。おじさん、ありがとう」
俺は笑顔でおじさんに礼を言った。おじさんもニッと笑いつつ手をヒラヒラさせて荷車を進ませて行った・・・
地味に怖いこと聞いてしまったな。盗賊か・・・確か王国のアウトポストがあったよな。あそこの兵隊に王都まで送ってもらおう。
道なりにテコテコと歩き出した。幸い視界に入るのはカブトムシとかキノコ等で、こちらからちょっかいを出さなければ基本的には大人しいモンスターだ。
やがて、ログハウス風の建物が見えてきた。
・・・・俺のとびっきりのスマイルで長身のエルヴァーン兵達はメロメロかと思いきや、鋼鉄の教えが行き届いてるらしく事務的に応対されてしまった。
「もう少ししたら城門への定時報告に行くから、ついて来なさい」「はい・・・ありがとうございます」
サンドリアティーを出された。こっちに来てから初めて物を口に入れることになる。
「ん・・・うまい!」俺は安いティーバックの紅茶しか飲んだことがなかった。本当の紅茶の入れ方ってのがどんなのかは解らないが、コレは恐らく「本当の紅茶」なのだろう。
「初めてこんなうまい紅茶飲みましたよ!」「ハハハ、ありがとう。紅茶くらいでこんなに感謝されると気恥ずかしいよ」
照れくさそうにエルヴァーンの若い兵士が微笑んだ。
やや暫く経ってから、巡回に出ていた兵士が戻ってきた。ビシッと背筋を伸ばし、待機していた兵士たちに報告をする。
入れ替わりで、待機していた先ほどの若い兵士が身支度を始める。城門への報告に行くのだろう。俺もわずかに残った紅茶を一気に飲み立ち上がる。
「くれぐれも失礼のないようにな。必ず王都にお送りするのだ」上官らしき人から念を押される若い兵士。またもビシッと背筋を伸ばし
「ハッ!了解であります!」

俺は無事に王都にたどり着いた。

35 :とある猫:2007/07/10(火) 15:53:48.83 ID:wgRLg+3t
以上、触りだけ投下。

初めてココに書き込みしたので色々ヘンなのあるかもです。
改行多すぎやら本文なげーよやら・・・調整がてこずった。

36 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 18:34:48.77 ID:qrd+aWeL
>>35
投下乙です。

次スレ立てる時はテンプレに
最大行数20行・最大文字数1024文字(?)ってのを入れておいたほうが良いかもね。

37 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 18:56:19.49 ID:zU0muUpY
投下おつです〜。

http://live25.2ch.net/ogame/SETTING.TXT
これで今のネ実の設定が見られる。
連続投稿の秒数制限とかスレ立て制限とか。

これによると、ネ実での1レスの最大文字数は2048字。
行数は20行で間違いないはず…なんだが…どれで規定してあるのかわからんな…どれだっけ。

スレ違いなので詳しい事は置いておくけども、
他の良く行く板のURLの後ろにSETTING.TXTって付ければどこでも見られるので、
色々覗いてみると、板の風土に合った設定の違いが見えて来て、ちょっと面白い。

38 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 21:26:53.62 ID:qrd+aWeL
紅茶ってサンドリアティーかッ!
というか紅茶が飲みたくなってきたw

>>37
半角2048文字 全角1024文字か。

39 :既にその名前は使われています:2007/07/10(火) 23:25:06.47 ID:fpE7LDAq
>>1乙であります! 保守るよ!
ああ、今度こそ絶対に落とさないようにしないと・・・

40 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 00:43:15.45 ID:EHyFOEg0
そろそろ夏だし早めの保守を心掛けた方が良いかもか。

サンドリアティーをアイスで飲むのは邪道なのだろうか…。
夏の暑い日にホットはきつそうだ。

41 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 03:01:20.78 ID:o6fC/97H
試してみればいいじゃない

話にしてみて誰も邪道だって言わなきゃその話の中では許容範囲なんだろw

42 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 06:49:10.17 ID:rTQp2PsL
普通に飲めないだろうなぁ、冷えたサンドリアティー。
地下水で水出ししたりするんだろうか?
それとも淹れたら、水で冷やすんだろうか?
ウィンダスティーはもろに水の区で冷やすイメージあるんだが…

やっべ妄想止まらない

43 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 07:30:20.58 ID:o6fC/97H
>>42

妄想をつまんなくして申し訳ないけど、氷クリの合成応用しても、ブリザドみたいな魔法応用しても、技術的には簡単に冷やせると思うんだが・・・

砂丘でも砂漠でも熱帯雨林ジャングルでも板金鎧着て大立ち回りが出来る世界なんだぞ

44 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 09:25:21.04 ID:TrT7ob4p
もうネタ考案したコテもいないんだし、世界を管理する謎の敵みたいな中二病設定は無かったことにしたほうが建設的じゃねーか?
考案したコテは「誰もがネタを考えつきやすい」と言ってたがここまで過疎ればないほうがいい気がする。

45 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 09:56:48.41 ID:EHyFOEg0
>>43
魔法で簡単に冷やせるからこそ
「本物のアイスティー」と比べると邪道なのかなと。

ウルガラン山脈から万年雪を取ってきて、
それを使って冷やしたアイスティーの何と格別なことか。

…みたいなw

46 :雨ニモ負ケズなわけ:2007/07/11(水) 13:31:11.99 ID:7LOqP+X/
「ところでヴァナって、衣替えとかなくないですか?」
ふとこぼしたそんな疑問により、鞄の中身からモグ金庫から全部ひっくり返した、
レクチャー大会が始まることとなった。

――で、アーティファクトでもただのダブレットでも、こうやって裏返してみると…。
「おおお、なにこのすんごい模様。刺繍…ですよねこれ?」
――普通の服や鎧に見えても、冒険者向けに出回っているものは大体、こういった細工が施してありますね。
 あとは裏地の内側に護符のようなものを仕込むとか…まあ、色々あるわけです。
「つまり、いわゆるLv制限とかで着られなくなる装備があるっていうのは、要するにその、
装備に施されたこういうおまじないみたいなものに、体が負けちゃうとか、そういう理屈だったりするんですか」
――概ねそんなところですね。まあ他にも色々ありますけど…。モグさん、ナイフか何か…。
「モグさんー、果物ナイフかなにか貸してくださいな〜」
頭の中でそう求めた"僕"の声を代弁すると、モグさんはすぐそれに応えてくれた…けれど。
小ぶりのナイフを受け取った左手が、私の意志とは無関係に、鮮やかな手さばきで逆手にそれを構え直し。
あまつさえ全力で、床に広げられた朱色のクロークに突き立てた。
「わあああいきなりなんてことするんですかーーーー!?」
――ちっ。とまあともかく、こういった単純な防御力の他にも、軽く耐熱耐寒効果が施されたものもありますし、
 そうですね、分かりやすい例なら、僕らのLvでカザムあたりだと着ているより脱いだほうが暑いはずです。
「そういう、ものなのかー…っていうか、これちゃんと返してこないと、ですね」
――どうせ受け取らないとは思いますけどね…全く腹立たしい…。

47 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 15:32:44.55 ID:ZwpiId96
私はまどろみの中でその声を聞いた。
誰の声だろう。うとうととしていた意識を、ゆっくりとはっきりさせる。
目を開いて、私の視界に入ってきたのは、漆黒のダークモールを手にした白魔道士の女性だった。
「いい加減に起きなさい^^^^^^^^^^♪♪♪♪♪♪」


「ちょwwww待って姫wwwww寝起きにヘキサは勘bくぁwせdrftgyふじこlp;@!!?!」
「うぁ!?」
慌てて起きた私の悲鳴にびくりとしたのは、同じ白魔道士でも金髪のエルヴァーンで。
「だ、大丈夫ですか?いきなり叫びだして」
「・・・なんだかものすごく怖い夢を見ていた気がする・・・」
TP0から瞬間的に300%まで上昇できたり無詠唱で魔法を発動できたりする、えーと・・・とってもステキな姫様がいたような・・・
いや、そんなわけはない。私のそばにいる白魔道士は男だし、そもそもエル
「・・・エル白?」
「はい?」
呼びました?と首を傾げる。男でも姫って呼ばれることはあるよな、一応。王子とか呼ぶのが普通かな?
「ご飯食べたら、クロ巣のパトロールに行く予定なんです。よかったら一緒に行きませんか?」
「あ、うん・・・行く」
頷いて、その奇妙な違和感の理由に気付けず、私は側に置かれたナイトのAFをぼんやりと眺め、呟いた。
「・・・遅くなったけど、>>1さん乙です」

48 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 15:46:28.65 ID:BzvzijbX
>>44
中二病設定で書いてるいわゆる「古参」とか「老害」とか言われる人間だけど、おれも作者ごとに設定は全く違う方が楽しいと思う。
同じにしたいならしてもいいだろうけど、「おれはヴァナをこう解釈する」ってのを読む方が楽しいな。
実は>>1はおれなんだけど、共通設定みたいのをテンプレから外したのはそういう意図もある。ただ実際問題、書く人はそんなの気にしてないと思うけどね。

>>45
だから「技術的には」と言ったんよ。
実際サンドの鍛冶ギルドだったかな、合成でポンポン作るのはイクナイ!みたいに言ってるNPC配置されてたしね。

保守がてら煽りっぽくレスしてすまんこ(´・ω・`)ノ

49 :43:2007/07/11(水) 15:47:13.44 ID:BzvzijbX
うわID変わってるw
連続レスごめんね(´;ω;`)

50 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 16:17:10.79 ID:EimK1e96
同じく設定なんてはなっからアウトオブがんちゅだぜっ!!
わが道をぶち進んでおります保守

51 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 16:19:06.09 ID:EimK1e96
勢いだけで書いてしまいましたが、色んな解釈があると読む側としては設定があっちこっちいっちゃって大変だけど、
それだけ面白みがあるな、といち読み手として思いますってことです

52 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:04:43.41 ID:ySJaBZKC
自分は赤鎧とかは使ってないんだよなぁとか考えつつ。
名前だけしか出てないしなぁ。
その設定を使うか使わないかは書き手の自由なわけですし。
>>1には、

朝起きたら自キャラになってヴァナにいた。。。という前提でストーリーを作っていくスレです。
前提さえ満たしていれば、大抵どんなブッ飛んだ設定で物語を展開してもおk!
基本的に作者様毎の物語はそれぞれ別物です。互いに矛盾や理不尽があってもおかしくないです。
(ででおの話じゃないので、スレ名を修正してから随分たちました)

ってあるわけですしね。
極端な話、来訪者は俺様TUEEEEEEEEEE!!!な勇者様でもおkなわけですし。
何のとりえもない村人Aでもいいわけですから。


んでは続きを少々。

53 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:09:09.98 ID:ySJaBZKC
ごっ。
鈍い音がした。
「・・・こら、起きろ」
肩を揺すられ、キーゼルはのっそりと体を起こす。とっても眠そうだ。
「・・・・・・・・・・・・?」
テーブルに思いっきりぶつけた頭を振って、ぼんやりとケインを見た。虚ろな瞳は、多分ここではないどこかを見ている。
ダメだな、とシオンが呟いた。
「・・・まだ寝ていたほうが、」
「時間外の寝起きはいつもこうなんだよ」
フィグの提案はあっさりと蹴られた。代わりにカイがキーゼルの肩を寄せて自分に寄りかからせる。
うゅぅ、とか小さな声がこぼれた気がした。
「決められた時間以外に起きると、意識が起きないみたいなんです。小さい頃からずっとそうなんですよ」
「・・・かわいい」
小さな呟き。それもまた、なぜか顔を赤らめたフィグのものだった。
可愛いかなぁ・・・?いやまあ、そこらへんは個人の自由か。うん。
「キーゼルには、手を出させませんよ」
「・・・そ、それくらい分かっています」
にっこり笑うミガイフォングに、慌ててフィグが突っかかる。
あれ、私何のためにここにいるんだっけ・・・ああ、そっか。これはきっとラブコメなんだ。
うん、愛は大切だよね。うん。らぶあんどぴーす。

54 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:12:30.61 ID:ySJaBZKC
「・・・お前まで遠い世界に行くな」
私の襟をつかみ、助けを求める色を含んでシオンが言う。もういいよ、遠い世界のほうがいいよ・・・
と、不意に。
「では、話を始めましょうか」
ミガイフォングが宣言するように言う。その声は抑揚がなく、暗いオラトリオの歌い出しに思えた。
そう。確かにその声には、うとうとしていたキーゼルですら姿勢を正したくらいに、どこか重い調子が含まれていた。
「・・・話、とは?」
「これからの話ですよ。どうしますか?」
これから。つまり、まだ、終わりじゃない。
当たり前か。まだ何も動いていないんだから。バスに来てからやったことは、キーゼルに会ったくらいだし。

「何を求める?」

透き通る声が言った。
「お前は、何を求める?」
「・・・なに、って」
「世界を知ることか?世界を得ることか?」
「世界を・・・?」
顔をあげると、まっすぐに青い瞳が見つめていた。
ああ、あの青は。あの日私が初めて見た、ヴァナ・ディールの空の色。

55 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:21:51.92 ID:ySJaBZKC
初めは、そう、始まりはあの日。
何も知らなかったあの日。高い壁の間を、風が渡る森の中を、手探りで歩いた。
そして差し伸べられた。だから私は、
「キーゼル」
不意の声。シオンが私を見ている。それは青い瞳で。青い、・・・青い。
青?
「・・・あ、え・・・?」
「ぼーっとするな。それとも、お前も寝ぼけているのか?」
呆れて言う彼女は、いらだたしげに指先でカップをはじいていた。はじくたびにお茶に波が立つ。
これ以上反応しなかったら、あのカップはもしかして、破砕されるんじゃなかろうか。
「お前は、本当に人の話を聞かないな」
「あ・・・ご、ごめん」
「まったく」
溜息。・・・ちぇ。
とりあえず、何がしたいか。しなければならないことが分からないんだから、まずはそこから考えよう。
そうすると、まず、知ることなんだろうか。私は何も知らない。
魔法もアビリティも使えない。知れば少しは使えるようになるんだろうか。
「一番知識がある場所ってどこかな」
呟くような私の言葉に応えたのはミガイフォングだった。
「それなら、ウィンダスでしょうね。あなたが知りたいことを得るためには」

56 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:25:50.49 ID:ySJaBZKC
ウィンダス。星に見守られる、緑と水の国。そして魔法に秀でた国。
見たこともない植物に感嘆し、それから小さなタルタルに驚いた。
「ウィンダスなら、確かに情報を得るのは容易だな。タルタルが厄介だが、そう邪険にしなければ扱いにくくはないだろう」
「・・・ん?」
その言葉に含まれた疲労を知り、シオンを見ると、彼女はぐったりと、あるいはうんざりと首を振る。
「あの小さいのがちょろちょろとうるさいんだ・・・」
「・・・ああ」
否定できない。
なんでかタルタルって集まるよね。しかもガルカがいると余計に。
ガルカ・・・そういやあいつも、よくタルタルに寄りつかれてたっけ。最近連絡取ってないな・・・元気かな。
「ウィンダスに行くなら、アジドマルジドとシャントットに会うといい。意見は分かれるがきっと何かが起きる」
ケインが言い、ふとミガイフォングを見た。彼は軽く頷く。
一瞬。その瞳の奥に何か違う光が見えた気がした。
「『鍵』を盾にしてでも、ことを起こすか。俺も退屈していたところだし」
にぃ、と口元に浮かべたそれは何か企む笑みで。




57 :Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/07/11(水) 19:29:53.28 ID:ySJaBZKC
今回は以上です。下がるの早い気がするのは気のせいでしょうか。
ちなみに前回の本編投下は19スレの>>777-781でした。2ヶ月も前・・・!!
以下にテンプレを。

初出:指定避難場所123
PC(仮)名:キーゼル(Kiesel)/中の人:Kiesel◆nu123wJPbk
種族フェイス:ヒュム♂F4金
ジョブ&Lv:自称戦士。なのになぜか赤になってました。サポ不明。
特記事項:中の人は知識も技能も村人A。小さい。クリスタル合成・魔法の使用が不可能。
活動エリア:サンドリア→コンシュ→バス
前スレまでのあらすじ:
一息ついたのも束の間新たな問題が発生して、どうする俺!?なきーさん。
一方、まったく無関係のはずのカイに、ウィンダスからの使者が訪れ帰国を促す。
わけも分からないまま彼らを拒むカイの前に現れた、黒衣の男たち。
新しいミスラさんも増えて、なんだか色気が増えたような気がします。増えたのかな。
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:ヴァナに順応した来訪者による、新規の来訪者のサポートを行う機関がある。
来訪者を狙う組織らしいものが存在する。何らかの方法で、リアルとヴァナをつなげることが目的のようだ。
まとめ:http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/Kiesel%20%a2%a1nu123wJPbk%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1

58 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 21:48:23.43 ID:7LOqP+X/
投下お疲れ様です。 「うゅぅ」萌え。
自分で道を選ぶのか、それとも流されるままに誰かが求めるものを捕まえに行ってしまうのか?
wktkしておきます。

避難所から代理投下参ります。早く規制が解けるといいのですが。

59 :21・Air:2007/07/11(水) 21:49:05.25 ID:7LOqP+X/
夜、湖でバサバサの髪を洗って、ハサミで長さを整えながら初めて気がついた。
真っ白になってる…。
そういえば尻尾も白いんだ。
たしか自分は、いや自キャラは、オレンジでボブカット3bだったような…気がする。

心当たりといえば、ハラキリ。ヒモなしバンジー。それから、なにかにすごくぶつかったたような、ボンヤリした記憶。
たぐろうとしたらまずハラキリの感触をくっきりはっきり思い出した。…気持ち悪い。そりゃ髪も白くなる。ともかくバンジーもハラキリも頭から追い出す。
はたまたこれは自キャラではなくて、倉庫キャラ一人目、3a白ボブカット、妹のエリー(Arie)か?
とまで考えて恐ろしい考えが頭によぎった。くらくらと周囲が揺れる。よかった。
倉庫2人目のハゲガルカ、ジーストレングス(Gstrength)だったら死にたいところだった。
ま、起きたらミスラだったことに比べたら、髪色ぐらいなんてことない。

体を拭いて、レギンスとサブリガを履きながら声をかける。
「荷物がなくなってるから、一度サンドリアに行きたいんだけど…」
たぶん何かある。というかなかったら困るんだ。まともな服がない。
「ん、体大丈夫タル?」
「うん、明日になったら元気元気だよ」
「舟1個だし、サンドリアまで一緒に行くタル。ボクも魚売ってオレンジ買いに行くタル」
「ありがとね」
「困ったときは、お互いさまタル?」

60 :21・Air:2007/07/11(水) 21:50:00.83 ID:7LOqP+X/
マーティンはとても優しい。
迷惑じゃないんだろうかと少し不安になるぐらい。
そんなことを考えながら眠りに落ちた。夢は見なかった。

■ルフェ湖・小舟

朝の光が薄く差し込む。天気は曇り気味で、少し風もある。湖には少し霧が出て、夢の世界のように、ぼんやりとかすんでいる。
なんとか体裁をととのえた服は、ぼろぼろのブーツ、ぼろぼろのサブリガ、胸には布をまいて…世紀末救世主みたいでちょっと可笑しい。

岩壁に掘られた冷蔵庫から小舟に、魚を詰めた木箱をのせる。冷蔵庫は岩をくり抜いた玄室で、氷のクリスタルや塊をいくつかおいていた。
「いやぁ、運んでくれて助かるタル。いつも運ぶのに苦労するタル」
「にゃは」
マーティンは優秀な釣り人のようで、木箱には(マーティンよりも)大きなサーモンもいくつか並んでいる。

61 :21・Air:2007/07/11(水) 21:50:26.54 ID:7LOqP+X/

小舟に魚を詰めた木箱をのせて。マーティンの漕ぐ舟が、湖をゆっくりすべってく。

「Ever drifting down the stream.
  Lingering in the golden gleam.
   Life, what is it but a dream?」
(流れに沿いてゆら流れ、
  金色の海をただよぅて、
   人生はただ夢のよう)
マーティンの歌声、天使の歌声のような、ボーイソプラノが細々と湖を渡っていく。
舟は水面と霧だけの世界を進んで、ゆら、ゆら、ゆられていつしか眠りに、

62 :21・Air:2007/07/11(水) 21:51:34.98 ID:7LOqP+X/
■*いのり*

ゆら、ゆら、色が揺れている。目を開いても、閉じても。すべての色が混じり合って黒色の光がゆれている。
まただ、閉じこめられて体が動かない。
「おまえたちは、災い、悪夢であり、
  世界をおおう恐怖、悲しみ、絶望そのもの…」
暗闇の中。幾千もの怨嗟のうめき。それを引き裂いて、唄声がとどろく
「災いを祓わねば。
  闇は払われねば」
溶けていく、なにもかも闇の中に溶けていく。


63 :21・Air:2007/07/11(水) 21:52:30.19 ID:7LOqP+X/
「桟橋についタル」
「うあっ、おはよ」
 マーティンに肩をゆすられて夢は終わった。霧雨がパラパラとふっている。薄暗い森、桟橋につながれた小舟が波にゆられている。遠くに高い城壁が見える。
「なんだか、うなされてたけど大丈夫タル?」
「船酔いかな、ハハハ…」
「ほんとに大丈夫タル?」
「あら、ここは?」
「北サンドリアのギルド桟橋なのタル」
「ここ、とても昔に、来たような気がする」
「ここで、休むタル?」
「うんにゃ、モグハウスだけだし、街までさくっと行こう」
茂みにおいてあった荷車に、魚の入った木箱を積み込む。
マーティンが引く荷車を後ろから押して、森の中を進む。子馬みたいにでかいカブトムシやウサギがいた。この世界こええー。
城壁が近づくにつれ、たいまつをほのかにかかげた城門が見える。城門の横には中年のエルヴァーンの衛兵が寄りかかって立っている。
「ご苦労様タル」
「ようマーティン。釣果はどうだったい」
「今週は、サーモンにだいぶ脂がのってきタル」
「そうか、そりゃこれから楽しみだな、今晩あたり食堂に行くか。ところで、そっちのお嬢さんはどうしたんだい?」
「道に迷って、ルフェ湖についたらしいのタル」

64 :21・Air:2007/07/11(水) 21:53:21.57 ID:7LOqP+X/
「お嬢さんは旅人、それとも冒険者かな?」
「はい、サンドリアに所属する冒険者です」
「そのなりじゃ、随分ひどい目にあったようだな。だが無事に戻れて良かったな、ゆっくりしていくと良い」
「ありがとうございます」
 門の中の街は活気にあふれて、大きな荷物を積んだ荷車や、商人、職人たちが忙しく歩き回っている。
「気をつけて行くタルよ?」
「うん、ありがと」
「夕方にまたここで待っておくタル」
マーティンは荷車を引いて、いつも魚を買ってもらう食堂へと向かう。
それを見送って、モグハウスに向かった。


投下おわりでございます。
あーもう、eoだめだなんだ規制包茎Ah戸田節炸裂でがっかり来ます。

>>18 20行制限とか違うのですね。
   いやぁもう転載ありがとうごじあます。

>>25 手伝い中に落ちることになった。
   次にログオンしたら、目の前にヴリトラ\(^o^)/(マジ話)

65 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 21:57:53.19 ID:7LOqP+X/
投下代行ここまでです。
改行制限の都合で一部区切りを変えてしまいました。ご了承ください。


人の暮らしが垣間見えるお話って、いいなぁ。

66 :既にその名前は使われています:2007/07/11(水) 23:25:22.48 ID:BzvzijbX
ほしゅっておこう

67 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 01:34:34.69 ID:0iJVkipf
転載乙です。
蟹は50行だからなぁ。
そのまま転載するとおかしくなってしまうんですよね。


68 :既にその名前は使われています :2007/07/12(木) 01:52:19.42 ID:9XkxEJh9
寝る前にほしゅ


69 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 02:50:09.45 ID:FF7PjhqL
保守がてら小ネタ

70 :給料日:2007/07/12(木) 02:50:33.64 ID:FF7PjhqL
何だ、今日も一日釣りかよ。ボウケンシャってのはよっぽど暇なんだなぁ〜。
え、アタシ? う、うるさいな。アタシのはれっきとした仕事なの!
そ、仕事。アタシがエサを撒けば、サカナがすくすく育って、漁師み〜んなが幸せになる立派なシ・ゴ・ト!

はぁ…… ウロコキラキラしてキレイだなぁーー。
ンな、ナニ人の顔ジロジロ見てんだよっ!

え、もう帰る? しょ、しょげるなよ! 冗談だって冗談!
帰る場所がないって? な、なんだよ。アタシんち狭いし、まだそんなお互いよく知り合ってないのにいきなり……
はァ? ホントに帰る場所がない? リアル? なにそれ。
行く所もないから毎日釣りしてる? バッカじゃないの?

お、釣れた? サーディンか。脂が乗ってて旨そうじゃん。え? 外れ? んじゃアタシにくれよ。へへ、さんきゅ♪ ごちそーさま!
お前ボウケンシャなんでしょ。たまにはボーケンに行ってきなよ。
あんなウサギやイモムシ相手に武器振り回してればいいんだから、楽なしょーばいじゃんよ。

え、やっぱり帰る? そういうつもりじゃないんだって! いじけんなよ!
違うって? 明日から冒険に行ってくる?
なにさ、明日からなら、もうちょっとくらいいてもいいじゃんか……
ば、バッカ野郎!! じろじろ見るな! ボーケンでも何でもとっとと行けっ!

71 :給料日:2007/07/12(木) 02:51:21.11 ID:FF7PjhqL
はー…… 今日は…また光曜日? もう一週間か。
どしたんだろ、アイツ。なんか貧乏そうだし、弱っちそうだったし、ひょっとして……
い、いいんだ! 仕事仕事!
あー、ウロコがキラキラ光ってきれいだなー!

……はぁ…。

お、おおおかえり!
何日待たせるんだよ…バカ。マンドラにでもノされて野垂れ死んだんじゃないかと心配してたんだぞ。
ば、バッカじゃねーの? 誰もそんな事言ってねーだろ! 待ってもいねーし心配もしてねーよバーカバーカ!!
……。
あ、いやその……そうそう! なんか見慣れないカッコしてるから新鮮でさ! イッチョマエに鎧なんか着て、見た目だけはつよそーじゃん!
どこいってきたんだ? は? メリポ? なにそれ。
え、お土産? アタシに? つ、つまんないものだったらブン殴るからね。う、うるさいな、ニヤけてない!
うはぁ……キレイだぁ…。 何これ? コリブリの尾羽根? コリブリってナニ? ふぅん、そういうのがいるんだぁ。
知ってるか? ミスラって、求婚する時、自分が狩ってきた獲物のウロコとか羽根とかを渡して求婚するんだぜ。まぁ、雌が雄に〜だけどさ。
へへん、やーだよー。もう返しませーん♪

え、もう帰る? なんだよ、今来たばっかりじゃ…… 長旅で疲れた? そっか……。分かったよ。ああ、じゃ、また明日な!
へへ、ホントキレイだなこれ。アイツがくれた初めてのプレゼントだ。あーあ、早く明日にならないかなー。ふふ、ウロコがキラキラしてキレイだなー♪

72 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 02:52:15.05 ID:FF7PjhqL
明日が来るかどうかは知りません。

ちなみにサーディンはプレゼントに含みません。

73 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 06:22:12.65 ID:kqXTDej9
雨降り雨降りりらら、ら〜ん





age

74 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 10:23:06.20 ID:IM822QmT
ほしゅしておくね

75 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 12:10:35.41 ID:lrqQJSZb
ホシュルヨはネタが詰まったのかねえ
戦闘シーンが描けない人って意外に多い?


76 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 14:55:12.68 ID:gVc9hI9d
文章を書くというのは大変な作業だと思います・・・
ま、ネタが思いついたときで良いんで
作品を投下してくださいまし〜

77 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 16:03:58.54 ID:Qa7zEaNF
hoshu

78 :とある猫:2007/07/12(木) 17:58:20.75 ID:S4wYOMZH
続き書いてたんですけど。
一回その2を完了して読み直したら、こっ恥ずかしいモノでして。
ちょっと書き直したりしてます。
ウソ予告編

他にも来ちゃった人「来訪者」が居る。
そして、来訪者を狩る者も居る。
猫はその凶刃の標的となるのか!?
謎の来訪者狩りとの遭遇!

??「その発想が危険なのだよ。解るだろう?」
猫「わかったにゃー」

ごめんなさい。。。ちまちま書いてます・・・

79 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 20:10:32.95 ID:+kl7DNXG
このスレは現在ミスラ優勢です

80 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 20:44:52.49 ID:iDJmU4Kj
ぶっちゃけ、
何故プレイヤーがヴァナの世界に入ってしまったか、
世間では噂程度なのか、
■eは事態を把握しているのか、
赤鎧は■eとは無関係なのか、
そもそも赤鎧とはなんなのか、
この世界が本当にあるならば何故ゲーム化しているのかを、
突き詰めている人っていなくない…?

別に設定していなくても
「ある日起きたらファンタジー!!」なら全然おkだけど
読んでいると結構きになるぽ…


81 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 22:33:52.57 ID:7Ls2lvHX
一人の人が全てを突き詰めたわけじゃないけど、いろんな人の話を読んだ限りでは、例えばこういう解釈も成り立つ…かも。
ただ、これはあくまで解釈の一例に過ぎないです。他の解釈も十分あり得ます。

ヴァナ・ディールという世界がどこかにあった。
いつの頃からか、どこか外からやってきた超越存在みたいなものたちが、その世界を気に入り、その美しく躍動する現在を永久に留め置き、管理するため、世界とその上にある物すべてを枷にはめた。

世界はしばらくされるがままだった。外の世界からやってきた者たちは、世界を慈しみ、害意を持って触れようとしてくるものからは守ってくれていたから。
けれどいつの頃からか、そうではない者達が現れたのだろうか、それとも、他に何か気に入らないことでもあったのだろうか…世界は大人しくしているのをやめて、変わろうと試みた。

ヴァナに暮らしていたある冒険者が、朝起きたらリアルの世界の人間になっていた。
そこは魔法もなく武器もなかったけれど、魔物や獣人に命を脅かされることもない世界だった。
寝たらまたヴァナに戻ってきていて、またリアルにいる夢を見ることもあったけれど、いつの頃からか夢と現実がだんだん入れ替わり、いつしかその人はヴァナの夢を見ることはなくなった。
それでも故郷を忘れられなかった彼は、自社でMMOをやろうという企画に、自分が暮らしていた世界を書いて提出した。
こうして、ゲームとしてのFF11が生まれた。

サービス開始から数年、準備は整ったとばかりに、自分の分身たるキャラクターと縁が繋がった人間の体を借りて、目を覚ますFFプレイヤー達。
びっくりしたのは世界を管理していた者たちであった。次々やってくる異物に、世界に対して作用する力はほとんど効かない…さあどうしよう?
ある者達は「まるっと消してしまえ」と激昂し、またある者達は「世界が望んでるならいいんでないの」と座して見守ることに決め…。

その頃我らが田中Pは、今日もサーバールームで電源ケーブルにつまづいていた。

82 :既にその名前は使われています:2007/07/12(木) 23:07:10.40 ID:qZE5OuGU
さてさて真実はいつ明かされるのでしょうね……
ということで規制終わりの保守るよ!

83 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 00:42:41.59 ID:1KyD4Kv6
薄闇の中、ぼんやりと浮かびあがるそれに指を這わせる。
「Ego sum Alpha et Omega.」
『こちら』では用いない言語を歌いあげるように口にすると、彼の周囲に次々と光が点る。
大小様々なサイズの四角がいくつも現れ、文字が羅列されていく。
今更神気取りかよ、と自嘲の笑みを浮かべ、数多の文字が並べられる仮想モニタを気だるげに眺めた。
「ツールが減少しているな」
「俺たちが狩ったもの」
いつの間にか現れた気配がくすくす笑う。なるほど。
「ツールは干渉の幅を広げる。GMも摘んではいるけど、手が回ってないね」
「ほどほどにしておけよ。『本物』が気付いたらどうするんだ」
「いくらでもわいてくるのに?」
シャポーを弄び、くすくす笑う。
「楽しいなぁ・・・追い回すたびに悲鳴があがる。なぜ、どうして・・・バカだなぁ、だったら最初からツールなんか使わなきゃいいのに」
心底楽しげな言葉に、彼は表情を隠したまま言った。
「世界の均衡を保守して神様気取りか?シムシティじゃあるまいし」
「Eli, Eli, lema sabachtani?」
神よ、何故我を見捨てたもう?
もしもこの世界に本当に神がいるなら。
どうかあの遠い場所へ。あの懐かしくも戻れない場所へ。
けれど戻る場所は、もうここにしかない。

84 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 02:52:31.68 ID:Ny3TrPcl
hosyu

85 :既にその名前は使われています :2007/07/13(金) 06:31:45.20 ID:l13/YDBv
ほっす

86 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 10:23:50.67 ID:1KyD4Kv6
暑い・・・だが保守ですよ。

87 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 12:58:42.88 ID:IHjtOG2q
どっちにしろ神の視点で世界を見られる来訪者はいないわけでage

88 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 15:07:25.44 ID:IHjtOG2q
ちなみにサザエさん時空の話を最初に出したのって誰だっけ…

89 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 16:14:41.14 ID:r+j5BJ3F
それ確かフルさんじゃないかぃ?
神様はリードさんが出してた。アルタナとプロマシアは保守人が。
声だけ出演はメキさん。
赤鎧系はあちこち既出。

補完ヨロ

90 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 19:37:41.99 ID:1KyD4Kv6
危ない保守

91 :既にその名前は使われています :2007/07/13(金) 22:19:25.09 ID:l13/YDBv
ほしゅー

92 :とある猫:2007/07/13(金) 22:52:36.18 ID:0WapsuVc
その2-1
俺は自分がプレイしていたFFXIの「ミスラ」として今朝、目覚めてしまった。
今のところ元に戻る気はさらさら無い。見て・触れるこの世界を存分に楽しんでしまおうと思っている。帰る
手段もそのうち見つかるだろう。

サンドリア王国。自身が設定している所属国だ。北サンドリアと南サンドリアを結ぶ大きな門の前で立ち尽く
してしまった。「すっげー・・・」外国の風景写真でしか見たことの無かったような、中世ヨーロッパ風の
城、それに生で見るこの凱旋門に感動した。衛兵や城の使用人達が時折俺の側を通っていく。ゲームをプレイ
している時は見えないが、実際にこの世界に来たらやっぱり民間人は大量に居る。競売所の方に視線を移すと
買い物の主婦と思しきエルメス達が居る。美人ばかりでもなく・・・おばさん体型も当然居る。ふと気がつい
た・・・冒険者、つまり俺みたいなのがあんまり居ない気がする??確かに、明らかに兵士ではない、武装した
者も居ることは居るが・・・少ない。あぁ、みんなジュノとかか。

露店をブラブラと歩き、モグハウスのある方角に向かう。わき道に入り、住宅地と認識していた所に入る。
市民の生活は決して豊かではない・・・公式設定でもある通り、その様子が見て取れた。モグハウスに入ると
モーグリが出迎えてくれた「おかえりなさいクポー」「ただいま。装備と金を出せ」「・・・なんか強盗みた
いクポ」今の状況を確認した。装備などは実際にプレイしてた時の物がある。生活費も見当がつかないが、暫
くは飲み食いに困らないだろう。「ご主人様ー、もしかしてリアルな人クポ?」「なんだと?」



93 :とある猫:2007/07/13(金) 22:55:12.27 ID:0WapsuVc
その2-2
聞くと、結構居るらしい。そして思わずブルったのが例外なく何者かに襲われているという事。マジかよ。
幸い直接戦闘系のジョブは複数上げていて、かつ装備もモグに預けていたので直ぐ取り出せた。とりあえず
最近のメイン気味だった忍者用の装備を出しておく。が・・・アレ無いアレどこだっけなどと一通り引っ張
り出すのには相当時間がかかってしまった。「ご主人様、普段から整理してないからクポよ?」フッ・・・
こいつお母さんみたいなことを言いやがる。「うっせうっせ!飯買ってくるから金出せよ!!」
強盗のようにサイフを引ったくり、夕暮れのサンドリアに繰り出した・・・
露店で適当に買い食いして空腹を満たし、モーグリにもお土産を買ってハウス戻ってきた。
普段はモーグリが食事の用意をしてくれるらしい。俺は買ってきたミスラ風山の幸串焼きを夜の一杯とともに
かじりつく。「うめぇぇぇマジでうめぇぇ」俺は常々山串を食いたいと思っていたので、これは本当に感動し
た。一方モーグリはため息交じりでコチラを見ている。「モグ、食いたいのか?」ピッと一本差し出すとパタ
パタと寄ってきて食べ始めた。「ご主人様〜、もっと女の子らしく出来ないクポ?」外見はミスラっ娘。だが
行動・言動ともにオッサンじみた今の俺にモグが物申してきた。「仕方ないだろー、リアルの俺は男なんだ
からさー」モグは母親のようなため息をした・・・
程なくして、買ってきた酒も尽きた。「で、モグよ」「クポ?」「他にも結構居るっつったな。尚且つ襲われ
ているとも言ったな」「そうだクポ。数ヶ月前から突然主人の様子が変わったみたいだとかの噂がモーグリ協
会で出てきたクポよ〜」数ヶ月前・・・か。結構な人数じゃないのか?「で、襲われて殺された人も居ると?」
「そうクポよ〜。中には混乱の末に自殺しちゃう人も居たクポよ・・・」モーグリが悲しそうにうつむいた
が、俺はグシグシとモーグリの頭を撫でつつ「俺は自殺なんかしないから心配はするな、長期休暇だと思って
楽しむつもりさ」まあ、ちょっと治安の悪い外国に旅行に来たと思えば・・・いいさ。

94 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 22:58:12.30 ID:mpDbEzPd
本家のゲームが面白くて続きが書けない…
前衛っておもろいね
ルーファスさんのテーマも書かなきゃなのに…

音楽っていいですな、聞いてると世界が広がります。
またCD買っちまった…


95 :とある猫:2007/07/13(金) 22:58:30.44 ID:0WapsuVc
その2-3
深夜、俺はひっそりと人気の無い所で武器を手に取り、いろいろと振り回していた。この体・・・すっげぇ
動く!!不安で眠れなくなり、散歩がてら、素振りをして続けて全力疾走、ジャンプ、木登り。ほんと、ネコ
だな。本当の体でこんなことやってたら、今頃視界にキラキラしたものが出ているだろう(酸欠気味

翌朝、やや遅めに起床。「ご主人様、目が死んだキュスクポよ!」「んー・・・」住宅地の共同洗面所?でザブ
ザブと顔を洗う。ハウスに戻り、モグの作ってくれた朝食を頂く。「今日はどこかに出かけるクポ?」
俺はまあお金も貰えて、遠方に出れて、情報も集められるピッタリのお仕事を既に見つけていた。
「商人の護衛をやってくる」俺はガチャガチャと実戦装備を用意し、遠方に行きそうな商人を探すためにハウ
スを出た。「気をつけてクポー」モグにニッと笑顔を返し、街へ足を進めた。


今回ここまで。  次回微妙なバトルアリ。

96 :既にその名前は使われています:2007/07/13(金) 23:04:57.16 ID:mpDbEzPd
うわ、割り込みすみません!!

romromromrom......


97 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 01:31:06.19 ID:kpXrP2Jv
ドンマイ保守

98 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 06:23:23.93 ID:Lmllw8IS
下がってるニャー
ageるにゃー

99 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 09:11:05.25 ID:sOTSv4bi
保守るよ!

100 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 11:54:30.53 ID:Lmllw8IS
下がるの早いなぁ…
ageage〜

101 :既にその名前は使われています :2007/07/14(土) 12:54:02.48 ID:hu06Oby5
ageとくよ

102 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 15:06:29.06 ID:AzZgqRH5
ほな

103 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 15:54:52.94 ID:tmtvCK4H
ほしゅ

104 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 19:30:59.21 ID:jhxHI1FD
土日はみんなヴァナにいるのかねやっぱり。

105 :既にその名前は使われています:2007/07/14(土) 23:21:16.69 ID:fs/ox7ct
投下しようと想ったけど、体調が悪化したので大人しく寝ます。
モーグリさん、ちょっとベッドを片付けてください・・・

106 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 01:56:27.58 ID:t0ykI8eU
>>106
お大事に。いい夢みろよ〜

107 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 06:11:32.45 ID:l8tRZMH6
ほしゅage

108 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/15(日) 10:18:35.54 ID:jblpAbEN
投下&保守お疲れ様です。

とりあえず校正済んだ物からぼちぼち投下を…

109 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/15(日) 10:23:46.89 ID:jblpAbEN
と、思ったらアップロード制限で投下できない…

またどこかに移動したら投下します…  orz

110 :既にその名前は使われています :2007/07/15(日) 13:08:41.99 ID:QZeByvHj
さすがに、土日はヴァナに居る人多いですな

LSにもかなりの人数が・・

と言う事で昼休みage


111 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 16:08:46.58 ID:7CUpMe8W
保守るよ!

ああ、保守話が進まないススマナイ・・・

112 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 19:11:44.57 ID:P0PGJYUL
ほしゆ

113 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 20:53:22.95 ID:/oqJfz/s
最近保守ばっかりしてたから、せめて今月は本編投下強化月間にしたいな・・・
そして保守。

114 :既にその名前は使われています:2007/07/15(日) 22:46:51.90 ID:7CUpMe8W
保守るよ! ついでに保守話の前スレあらすじ
わけあって黒マントを殺す

裏切り者扱い。大量の黒マント

なんとか撃退

しかし次の資格はかつての上司であるシヴァだった

意識インザ謎世界

イメージパワーでぶっつぶせとのアドバイス貰う

帰還。魔法を溜めている途中   ←今ここ

115 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 00:53:56.13 ID:IjD6J/CO
保守るよ!

116 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 02:59:44.86 ID:YlcxE2EY
イメージパワーって
想像力が物理的に介入しない現実だとイメージしにくいけど、
つまり無意識であるはずの夢の中で意識的に行動できるようなものなのだろうか、
ヴァナが電脳世界だとするなら、そこに意識と無意識の境界線は曖昧になってるだろうから(以下略

ちょっとまとめ読んでくるage

117 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 03:14:21.27 ID:5laek9LO
>>116ブロンド語と思って流し読みしてたわ。

118 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 09:07:05.87 ID:PYxcuHmn
ほっしゅ

119 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 09:12:03.98 ID:804AaCf1
■やっぱり嫌われ者だった

リアルでもヴァナでも嫌われ者。

120 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 12:24:07.63 ID:o91cOsOe
ひとまず保守…すごい地震でした。

121 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 14:37:14.18 ID:HJ3HbA4e
すごい地震が起きたからって不安になって電話連絡を取ろうとしても、
混線しているためすぐにはとれないんですよ。
ですからまずは落ち着いて、状況をじっくりしっかり把握して、
電話ではなく災害時掲示板などで連絡をとるようにしましょう。
・・・帰郷できず縁遠くなりつつあるとは言え、無事でいてくれよーorz

122 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 17:55:42.22 ID:gVE61k9n
次は我が身と思えば人事ではないですな。
スレ違いは承知の上だけど、そんな話題で保守ッ

123 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 18:33:47.07 ID:arr+bd1A
雨、あがったね。          彼女の声がやや上のほうから聞こえた。

ゲーム中では街中、いわゆる村や、特定のフィールドでは雨が降らない。
だけど実際、ウィンダス連邦内もその外、サルタバルタ地方にも雨がふる。
『冒険者』は気にもしない。体中ずぶ濡れになろうが、肘まで水に浸かろうが人事のように走る。
ヴァナ住人が『冒険者』に向いている感情が俺にも染み渡っていく。
旗から見たら俺も『NPC』と変わらないかもしれない。

キレイだね。          彼女の声が日差しのように降り注ぐように聞こえた。
見上げると、何時の間にか彼女が立ち上がり、俺を見下ろして微笑んでいる。
何が、と聞く前に、彼女が目でそれを指し示しす。目で追い、見上げた。
雲の切れ間から射した光が、濡れた薄緑の葉に反射して、キラキラと光っていた。
リアルであったのかな、あったかも。           彼女の声が続く。
みつけない? いろんなもの、きれいなもの。 雨上がりの散歩もいいかもよ。
ふと視線が絡む。
ニコと笑う彼女がそこにいた。

124 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 20:57:16.61 ID:o91cOsOe
そういえばヴァナって傘見かけないよなぁ

125 :既にその名前は使われています:2007/07/16(月) 22:30:44.29 ID:YlcxE2EY
まさに雨にも負けず、
風にも負けず。

それどころか、イフ釜やゼオルムで赤熱してる岩石の上を歩けるんだから、
きっと雨ぐらいなんともないのですw

126 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 00:38:27.62 ID:9i7ykTQ1
「ラテーヌの虹もさ、モニタ越しじゃなくこうやって生で見ると格別だけどさ」
「まぁね、ヴァナ・ディールでも一二を争う絶景だもん」
「俺が小学校の頃見に行った、黒部峡谷のダムにかかる虹もさ、そりゃーすごかったんだぜ」
「クロベ峡谷? やっぱりおじさんは遠いところから来たんだねぇ」
「…おじさんじゃなくてお兄さんと…まあいいか」


電気の話は多分NGワード。
クリスタルがあるからそうそう広まっても台頭するには至らないような気もしますが、
世界がずっとずっと現在であり続けるためにはやっぱり邪魔な要素であって。


「何より、チェーンソーっぽいものが誕生するのがコワイ。バラバラにされてしまう」
「…あれはガソリンエンジンでしょう」
「電気でも同じことができないとは限らないと思わないかケロちゃんよ」
「……だったらそういう緊急事態に繋がる要素がなくなるように、しっかり仕事してください」

127 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 02:39:50.56 ID:rMG4HCBU
電気関係はエジワ蘿洞で発掘されるアイテムに
古代文明が電池を使っていたってのがあったな。

まあ、バッテリーって名前のエンサンダー用アイテムがあるし
上の電池も純粋科学で作られたものの明記はなかった気がするから…なんともだけど。

とはいえ、魔法やクリスタル技術があったら電気関係の技術なんていらんかage

128 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 06:12:48.99 ID:gdhcqJSx
ほしゅろう

129 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 08:05:28.32 ID:ex4pIVy6
油断したら落ちるからな…
念の為、ageておこうか…

130 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 10:55:29.12 ID:zF39k1Xm
とりあえず保守

131 :既にその名前は使われています :2007/07/17(火) 12:52:29.99 ID:WSzsyKCp
昼休み保守

132 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:01:50.52 ID:2dPFx1qh
みなさんすっかりお久し振りです・・・
そして遅くなりましたが>>1さん乙です<m(__)m>
先週投下できなかった分、若干多めに投下しようと思います

簡単な前回のまとめ
私、ナココが大好きだったルークは突然帰って来たけれど、異世界の人になっていました・・・。
そんな彼を帰すには、ヴァナ・ディールにいる異世界の人、召喚獣の力を借りればよいという事に。
タイタンを撃破すると、私が見たことの無い風景と三人の子供がの映像が映し出されました。
その映像はルークがいた世界の子供の頃の映像で、この事を通してルークをヴァナ・ディールに呼んだのがルークの妹だと言う事も判明しました。
しかし、ルークに残されている時間は10日という事も同時に判明したのでした・・・。


まとめ
http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/%a5%ca%a5%b3%a5%b3%a4%c8%a5%eb%a1%bc%a5%af%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1

133 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:02:11.51 ID:2dPFx1qh
 あの後、私、ジェリダム、ルークは息吹のままとっておきましたが、
LSから来たお手伝いさん三人はルークのお手伝いももちろんですが、報酬も目当てです。
なので、一度ラバオのタルタルさんに報告に向かいお手伝いさん達とのPTを解散しました。
 しかし、私達はこれからの事を決めるために後でウィンダス水の区のレストランに集合する事にしました。
これから私達ができる事、ルークにさっきの映像の事、妹さんのことなんかも話してもらうためです。
 私はウィンダスに住んでいることもあり、かなーり早く着いてしまったので二人には悪いけれどお先にサラダとロランベリーのお酒だけ頂いてしまいました。
瓶の中身が半分くらいになり、ほろ酔い気分になっていたところ、ジェリダムがやってきました。
「さっすがオレ、意識してないのにレディーファーストになってるじゃん」
「・・・それがレディーを待たせておいて言うセリフ?」
「お前が早すぎんだよ。愛しのルーク様に会えるのが楽しみなのは分かるけどよ」
 ジェリダムの言葉で酔いとは別の何かで顔が真っ赤に燃え上がったことをごまかす様に、
一気にグラスの中のワインを煽り、ドンとテーブルに乱暴に置きました。
「あ、あのねぇ・・・」
「間違っちゃないだろ?」
「そ、そうだけど・・・」

134 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:02:27.25 ID:2dPFx1qh
 意地悪くニヤニヤ笑うジェリダムから視線をそらし、テーブルを落ち着きなく見つめる私。
「5分前なのに二人とも早いなぁ・・・おまたせ」
 そんな時にルークがにこやかにレストランの扉を開けたものなので、心臓が飛び出しそうになりました。
「よ、もうちょっと遅かったらお嬢様が完全に出来上がってたぞ」
 ワインの瓶を指先でつつきながらジェリダムがにやりとすると、ルークはちょっと驚いた顔をして私を見ました。
「見た目はこんななのに強いんだな・・・」
「う、うん・・・それも覚えてないんだ・・・」
 ・・・一緒に酒盛りして大騒ぎとかもしたんだけどな。何度も何度も。お酒の助けもあって、あっさりと涙腺が緩みそうになります。
「あ、オレ肉ね肉。肉ならなんでもいいから4人前くらい。ルーク、お前は?」
「え?あ?俺も適当でお願いします」
「あと酒も。ナココ、お前は飯頼んだ?」
「ま、まだだよ」
 慌ててグッと涙を堪えて顔を上げてメニューを開きました。
「・・・私も適当で」
 本当に適当な注文を済ますと、ジェリダムががらにもなく真剣な顔をしていました。

135 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:02:48.82 ID:2dPFx1qh
「それじゃあ・・・さっきの映像の事とか、全部順を追って話してもらおうか」
「多分・・・言っても信じられないと思うよ?」
 困り顔で給仕の子ミスラが持ってきた水を受け取る彼は、視線を泳がせて必死に言葉を探していました。
「俺自身、いざこうかしこまるとどう説明したらいいか分からないんだよ・・・」
「異世界から来ました、なんて言われた後だよ?どんな話だって信じられると思う。
それに、何もいってくれないのと言ってくれるのじゃ全然違うよ」
 そっと、コップを握り締めている彼の手に私の手を重ねました。
「私は・・・ルークの力になりたいから」
「・・・ナココ。ありがとう」
 ルークは静かに、しかし力強く私とジェリダムの顔を眺めました。
「俺がこれから話す事は信じられないだろうし、二人を不愉快にさせるかもしれない。だけど、全て俺の世界では事実なんだ。
落ち着いて聞いて欲しい」

136 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:03:06.97 ID:2dPFx1qh
 ルークの話は信じろといわれても信じられないものでした。いえ、もちろん私はルークが嘘や冗談を真顔でつく人間だとは思っていません。
それでも・・・信じがたい話だったのです。
「つ・ま・り・だ。ルーク、お前はこの世界がお前の世界のごっこ遊びの舞台の上って言いたいわけか?」
 若干不機嫌そうに腕を組み、ふんぞり返ってジェリダムがこう言いました。
「・・・そう、なるな」
「で、お前はその舞台の上のお人形に入り込んじまったと、そう言いたいわけだな」
「信じられない・・・よな?俺も信じられない・・・」
 ジェリダムがはぁとため息をつき、やれやれと両手を広げて肩の高さまで持ち上げました。
「オレはお前が嘘をつく人間じゃないのは十分知っているつもりだぜ?だけどよぉ・・・
オレ達の世界、ヴァナディールが丸ごと遊びの舞台なんて言われちゃちょっとなぁ・・・」
「でも・・・ルークがそう言うんだから実際そうなんでしょう・・・」
 私もあまりにショッキングな話にどんな顔をしたらいいのか分からなくて、ただただひたすら苦笑いです・・・。
「じゃあ、ルーク。お前の世界にはアルタナ様すら作っちまった創造主が要るってわけなんだな」
「ああ・・・あまり詳しくは無いけれど、創造主と言っても一人じゃなくてかなりの大人数だけどな」
 ジェリダムはもう一度ため息をつくと、サンドリアグレープのワインのグラスに手をつけました。
「お前の話だと、オレにもいるのか?プレイヤーって奴が」

137 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:03:35.46 ID:2dPFx1qh
 ルークはどこか申し訳無さそうに眉をひそめて、うつむき気味に一度頷き答えました。
「ジェリダムのプレイヤーは俺の幼馴染で親友だ」
「ま、まじか?」
 ちょっと意外そうに、でも嬉しそうに頬の辺りを緩ませるジェリダム。
「ああ、ヴァナ・ディールでも幼馴染なのには少し驚いたよ。俺達の世界の状況も少なからず反映されているんだろうな」
「なぁ、お前の世界でもオレはいい男か?もうモテモテか?」
 ジェリダムはニヤニヤしながら体を机に乗り出し、目を子供みたいにランランとさせていました。
反対に答えに詰まるルーク。ルークの世界の状況が反映されているなら、その逆、
ヴァナ・ディールの状況もルークの世界に反映されているはずです。だから、
「せっかくかっこいいのに調子に乗りすぎてからまわりしてるんじゃない?」
 ルークの代わりに私が答えてあげました。
「ま、まぁナココの言うような感じかな」
「・・・・・・ちぇっ」
 ジェリダムはつまらなそうに椅子にふんぞり返ると今度は私のほうを睨みつけました。
「じゃ、このオレ様をからまわり呼ばわりしたこのドチビはどうなんだ?お前の世界でもドチビなわけ?」
「ド・・・ドチビですって!?!?ちょっと!なんで私に八つ当たりするのよ!!」
 思わず机を両手の平でバン!と叩きつけて立ち上がると、額に大きな手の平が押し付けられます。
「これでナココちゃんの攻撃はもう届かない〜♪」
「私はタルタルの中では人並みの大きさなんだから!取り消しなさいよ!この手をどかしなさいよ!」
「けっけっけ」

138 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:04:08.15 ID:2dPFx1qh
 必死にぶんぶん手を振り回す自分がなんだか情けなくて、思わずため息が出てしまいました。
振り回していた手を止めて、大人しく椅子に座ります。
「もう・・・ジェリダムのイジワルめ・・・」
「そういうところもそのまんま俺の親友だよ」
 ルークが苦笑いをしながら大胆に切り分けたお肉にかぶりつきました。
「でも、俺達の世界にはヴァナ・ディールに自分の理想を反映させてなりきっている人もいるんだ。
だから、なんでもストレートに反映されているって訳でもないんだろうな」
 その気持ちはちょっと分かります。私も・・・私も違う世界で違う人生を歩めるなら
ルークが振り向くような素敵な女性になりたいですし・・・。
「ねえルーク、それでルークの世界の私はどんな人なの?」
 『私』の元となっている人、もしくは『私』という人になりきりたかった人への純粋な好奇心もありましたが、
やっぱりなんといっても一番気になるのはルークとの関係です。もしかしてそっちの世界では恋人同士とか・・・
それならヴァナ・ディールでもいつか・・・なーんて、なーんてことも・・・うふふふふ・・・。
 いつの間にかニヘラニヘラと気持ち悪い顔になっていたので慌てて顔の筋肉を引き締めました。
「やっぱり・・・その・・・ちっちゃい?」
 ・・・・・・ルークとの関係も大事ですけど、やっぱりこれも大切ですよね・・・。
せめて、せめてあと2センチは身長が欲しかったです・・・。
「なんていったらいいのか・・・会ったこと無いんだよ」
「へ?」

139 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:06:00.96 ID:2dPFx1qh
 私の妄想のはるか斜め下を行く答えに思わずポカーンとしてしまう私。
「な、なんで?プレイヤー同士会ったこと無くてどうやって遊べるわけ?」
「うーん、上手い答えがみつからないんだけどリンクパールとかtellみたいに遠くにいて、
実際に顔をあわせていなくても一緒に遊べるんだよ。だから顔どころか性別も分からないだ」
「じゃあ、私は赤の他人?ルークの世界では男の人かも知れないわけ!?」
「・・・ってなるな」
 ・・・・・・・・・・・・あ、あれ・・・?目から汗が・・・。あれ?あれれ?
「ナ、ナココ?」
「ううん、ちょっとだけ寂しくなっただけ・・・今は・・・こんなに側にいるのにね」
 恥ずかしいな、こんな事でないちゃうなんて。手の甲で涙を拭っていると、ジェリダムが私の側においてあった、
ロランベリーのワイン瓶を掴み、私のグラスに注ぎ始めました。
「ほらナココ、オレのおごりだ。飲め」
「うん、飲む」
 グラスから今にもこぼれそうなほどなみなみと注がれたワインを少し啜ってから、一気に煽る。
喉を通り抜け胃に溜まってゆく熱い感覚がたまらなく気持ちいい。
「よし!ルーク!」
 ドンとグラスごと拳を机に叩きつけて二人を見回しました。
「いい加減本題に行こう!」
 ちょっぴりやけっぱちで話題を変えたことは言うまでもありません・・・はあぁぁ〜・・・他人・・・。

140 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/17(火) 15:06:40.58 ID:2dPFx1qh
以上です(`・ω・)

141 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 17:17:21.01 ID:Okqb/lTz
実はリアル世界が仮想だったり……
保守るよ!

142 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 18:17:18.61 ID:ex4pIVy6
>>140
あっさりバラシちまったよ、ルーク…
ヴァナの主要人物とかに知られたら大混乱に陥るってのに、
ホント違う世界で良かった…
by 今だにウィンをウロウロしている某黒タル

143 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 21:08:19.94 ID:+CrZR3OG
ナココとルークの物語は「ナココの手記物語」って感じがする、
なんとも少女マンガ風な進行でいいですな。

144 :既にその名前は使われています:2007/07/17(火) 23:25:42.82 ID:0qljkW8w
あげ

145 :既にその名前は使われています :2007/07/17(火) 23:54:00.82 ID:WSzsyKCp
続編お疲れ様です〜_(._.)_

言われてみれば確かに少女漫画風

続きも期待age

146 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 01:54:13.02 ID:cVADNe8L
ナココさんのいじましさがかわいらしいのですよ!!
隠れないくらい密かに応援してます。

147 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 07:35:31.13 ID:2skHc5oE
ジェリダムはナイスキャラだなぁ

これからの二人の身の安全が案じられます…。

148 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 11:02:10.21 ID:S9h487hy
保守るよ

149 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 11:03:48.65 ID:cVADNe8L
やっぱり『護衛神エイト』、『AVALON』や『クリスクロス』が連想されて仕方がない・・・
後者は体感型ゲーム内での話だし、前者は仮想現実の世界を包括するリアルの話だし。
他の作者さんは、イメージする作品はあるのかなぁ。

150 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 12:00:51.41 ID:ECxgF5KR
>>141
それなんてマトリックス?



151 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 15:07:05.95 ID:2skHc5oE
「日帰りクエスト」めいた明るい路線を目指すつもりだったのに
いつの間にか重苦しい路線に。
てかイメージする作品…初期の頃ネバーエンディングストーリーぽいとか言われましたが
今は大分かけ離れちゃってますよね。
難しいものです。保守。

152 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 16:18:46.18 ID:iuDKdO4p
ベルセルクage

153 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 16:23:00.78 ID:t7kXh4uQ
朝起きたら自キャラのヒューム♀になっていた。
とりあえず僕はブラジャーをはきパンツを胸にまいた。



154 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 18:30:25.42 ID:3mhf46FZ
保守ネタすら思いつかないからたまには早く寝る保守

155 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 21:01:03.54 ID:yt1MlNfc
新キャラホシュダー

156 :既にその名前は使われています:2007/07/18(水) 23:08:36.75 ID:R1SrTn8Q
保守るよ!

157 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 00:50:04.43 ID:AriRspMU
>>149
基本が基本だけに、夢オチ・電脳空間モノ・完全異世界モノetc.etc.と
色々発展させられるけど逆に言うとオチに関わるからオイソレと公表できないんじゃないかな?

ちょっと前?にブログで書いてた人は完全に電脳空間というか完全ゲーム内だったけど(鯖メンテで云々の話)
殆どの人は固有名NPCがプログラムテキストにない台詞喋ってるし、結構人によって違うのは確かだね。

158 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:00:17.55 ID:BeI62tQm
おいそれと公表してしまった僕がpop(´・ω・`) 151でした…。
まあオチはそんな決まってるわけではないですが…。

ということでお久しぶりです。
今回はまとめに手を入れるのも早かったのでまとめをそのまま貼ってしまいます。

http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/256%5fFurcifer%20%a2%a1MwNTY7GtwI%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1

159 :Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:01:48.02 ID:BeI62tQm
一体どの口が"護る"だなどと。反吐が出る。
「君がそう願いさえすれば、その苦痛も悲しみも、怒りも絶望も、全てを忘れさせてやれるのに」
ゆっくりと歩み寄ってきたように見えても、それは錯覚…知っているのに、阻止できない。
一呼吸の間に距離を詰められ、左手で首筋から右の頬へと撫で上げられる。
下から顔を覗き込んでくるようにして視線を合わせられ、奥深くであの黒い流れが波打つのを感じた。
嫌悪ともつかない何かを噛み殺すように、その手首を鷲掴み引きはがし、振り捨てて叫ぶ。
「今更そんな事で、僕が心変わりして諦めるとでも思ったのか?
僕がそれを受け入れたとして、あの人は帰ってくるのか? 世界に遍くある災いは終わるのか!?」
「取るに足らない心配事だな。もう少し自己中に生きたっていいんだぜ」
「余計なお世話だッ!!」
そうやって振り払われた手をぷらぷらさせながら、これ見よがしにため息をついて見せるのも腹立たしい。
こいつが僕たち、ヴァナ・ディールの人間の事を思って語る言葉など、一つだってあるものか。
騙されるな。こいつらが奪っていった物を…今モ尚奪イ続ケテイルモノヲ…僕は忘れない。
「…では、名残惜しいが、これは君に還すとしよう。だけど一つ心に留めておいてくれ」
ジュデッカはそう言い、両手を一度身体の前で合わせ、それからゆっくりと開いた。
目の前で白い光を帯びた、ちいさな靄の塊のようなものが浮かび上がる。
向こう側に繋がる、僕が見た夢の具現。僕の夢を見てくれたひと。
「あと五分…いや三分も焦らしてやっていたら、君は間違いなく、違うものをオレに差し出していただろうさ。
オレ達が敷いた秩序を壊す、その目的に対してより効率の上がる手段として」
ごくゆっくりと地面に向かって零れ落ちていきそうになるその子を、僕は両手で受け止めた。

160 :Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:04:26.77 ID:BeI62tQm
触れた手のひらから染み渡るように、暖かいものが巡っていき、黒い流れが凪いでいく。
僕は自分自身が何者であったかを明瞭に思い出し、
人としての理性を砕こうとする囁きは、ふと気づけば聞こえなくなっていた。
――…フル…さん…?
イメージの中で、白い靄が霞んでいき、一瞬だけ黒い髪にちょっと変わった衣装を纏った、
ヒュームの女性の姿を結ぼうとする。
だけど少し待って。その姿じゃきっと戦えない。
この世界を往くにふさわしい姿と名と力があることを、キミは知っているはずです。
そう囁いてやると、結ばれかけていた像は揺らぎ、そうして"私"の姿を改めて結んだ。
これで、やっと元通り。
「僕はあんた達と同じ道を行く気はない。何も知らない人達の魂を、命を、
こちら側の勝手な理屈で、握りつぶしていい道理なんかあるはずがない」
"私"もそれを明確に望んでいたし、何より人の世界では、誰が消えても、どこかで誰かが悲しむのだから。
僕は僕のやりかたで、この男の難題に答えていくことにしよう、そう決意を改め、告げた。
それに対し取り出したパンプキンヘッドを目深に被り直し、口元だけを歪めて奴は嗤ってみせる。
「いきなり元気そうになりやがって…まあいい。その子が目を覚ましたら、さっさと見届けにいってやりな。
あの男の、短い旅の終わりを」
「…どういうことだ」
「行けばわかるさ。ああ、でもその前に、お嬢さんの方にも用事がまだ残ってたんだった」
そんな言葉と同時に、体と意識の接続が途切れた。

161 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:05:37.05 ID:BeI62tQm
目を覚ますと、傍らに"僕"が倒れていた。
髪の色はちゃんと金色で、顔色もごく健康そうな、私がよく知る"僕"だった。
膝をついて這いよって、頬を軽くぺちぺちと叩いてみた。
顔がすこし顰められて、それから、両目が開き、視線が私の顔を捉える。
その目の色は、純露の紅茶味を薄くしたような明るい茶色だった。
「……色々、すみませんでした」
「ここで謝っちゃうと、多分あとでもっと謝らなきゃいけないことができた時、困るんじゃないですか」
目を覚ますなりそう言われたのでやり返してみると、それこそ困ったような顔をして目を反らされた。
「そもそも、どんな隠し事をされていたって、私はフルさんについてくほかに道がないんですから。
悪いと思ってるんだったら、ちゃんと先輩を取り返す手がかりまで、私をしっかり連れてってください」
「…そう、でしたね」
フルさんが億劫そうに体を起こし、ゆるゆると首を左右に振ってみせる。
「あれしきでキミと共に行くことを諦めていたら、すべてを無駄にするところでした」
すべてって…どんだけ色々やってたんだろうかこの人は。
「まぁ色々と聞きたい事はありますけど…まずは…えーと、今どういう事になってるんですか?」
私がそう尋ねると、彼の手が私の額へと伸ばされた。
「わ、ちょ、ちょっと待ってください!」
「何ですか?」
「えと…そういう感じのやりとりのほうが楽なんだなぁというのは分かるんですけど…その…、
どさくさに紛れて、また私の記憶をしまったり整頓したりするつもりですか」

162 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:06:39.55 ID:BeI62tQm
「当然です」
あまりにもはっきりと言い放たれて、かえって二の句が継げなくなる。
「…とは言っても、もう大きくいじる所はありませんけどね。
新しい何かを知ったときに、それをちょっとした基準に従って封じる事があるかも知れない、という程度です」
「封じる…封じる…あの忍者のジュデッカさんの事とかですか」
そう尋ねると、"僕"の表情が険しくなった。
「できれば奴についてもキミにはあまり接してほしくなくてそうしたんですが…
奴の方がもはやちょっかいかける気満々な以上、無理でしょうね…」
いつの間にか両肩に置かれた"僕"の手から、無念だとか心配だとか、そんな感情が流れ込んでくる。
そうされていると、ふと素朴な疑問が湧いた。
「あのときは教えてもらえませんでしたけど、あの人って何なんですか?
なんでフルさんはあの人に…その…捕まったり殺されたりしないんですか?」
「……その事は、話すととても長くなります。今は、ルーファス殿やみんなに追いつかないと」
疑問に対する答えはなく、今度は私がいない間にあった事の記憶が次々と流れ込んできた。
感情などは伴わない、ただの出来事として。
「どう解釈するも、キミの自由です。ただ、僕が僕である限り、キミを裏切る事だけは絶対にしません」
「…信じますからね」
そう答えた時、ちょうど記憶が現在に追いついたようだった。
私の片手を"僕"の両の手が優しく包むように握りしめ、そのまま彼は祈るように瞑目した。
遠く頭上から、誰かが呼ぶ声が聞こえてくる。

163 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:07:58.07 ID:BeI62tQm
触覚から順に、外界と意識が繋がっていく。夜気に冷たく固い、石畳と石壁の感触。
どうやら私はその辺の建物の、軒下に座り込んで壁にもたれているらしかった。
その次に意識できたのは、なんか胸の下からおなかにかけてスースーす…る?
「…って、何してるんですかーー!?」
「お、やっと起きたな」
思わず叫ぶ私を他所に、目の前の赤い忍装束の男は全く悪びれない風に捲り上げていたインナーを下ろし、
ブルコタのホックを元通りに閉じていく。も、もう少し戻るのが遅かったら…。
「自分でちゃんとできますから! 離してください! 触らないで!!」
頭の隅を掠めていく恐ろしい想像というか予測というかを全力で振り払いながら、
自分に覆いかぶさるようにしていた体を横に押しやる。
きっぱり断言しよう、そんな需要はない! いえ何のことかはわかりませんが。
大人しく押しやられるままに離れてくれたジュデッカさんは、
そのまま立ち上がって、インナーの裾をしまい込む私のことを面白そうに見下ろしていた。
「……なに見てるんですか。そんなに面白いものでもないでしょうに」
「いや、生身の体ってのはやはりいいものだね」
「……………そうですか」
正直、これは引く。近くでも遠くでもないところで、"僕"が苦々しく呟いた。
――…ショックスパイクの一つでも張っておくべきでしたね…。
「さて。君はアイツからどんな話が聞けた?」
ふと、彼はそんな事を尋ねてくる。

164 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:13:32.42 ID:BeI62tQm
少し考え込んだ。思えばちゃんとした会話っぽい会話はあまりしてないような。
「どんな、って…ぶっちゃけ話なんかする時間、ほとんどなかったんですけど」
「そいつは残念」
あまり残念そうには聞こえない声色でそう答え、彼は軽く肩をすくめて見せた。
まあその代わり態度で示されたというか色々流し込まれたというか。
話のことしか聞かれなかったんでこれは黙っておこう。そう思った矢先、なんだか意味深な言葉が返ってきた。
「…所詮は切り札の一枚、局地的にこの世界の秩序を切り崩す異界の息吹、か」
「? なんですかそれ?」
「いや、今の君には知ってもどうしようもない事さ」
「…まあ聞いても教えてもらえないのはいつものことなんでもういいですが、
使ったらなくなりそうな不穏な言葉で人を形容しないでもらえますか」
そう文句をこぼすと、彼は喉の奥でくつくつと笑ってみせる。
「使ったらなくなる、か。言い得て妙だな。安心しな、アイツは最期まで君の手を離さないだろう」
「……それはどうも」
憮然としてそう答えると、手を取って立ち上がらせられた。
「さて、二種の結界が食い合って色々ややこしいことになってやがるな…。
君が知るヴァナにない魔法は、できる限り中では使うなよ? 奴を殺せても事後が面倒な事になる」
そんな風に、なんだかアドバイスめいた事を言って、黒い壁に向けて私の背を押す。
一度だけ振り向いてみたけれど、その表情は分からなかった。本当に、この人は訳が分からない。
ともあれ、急いだほうがよいのは確からしかったので、私は早々に追及を諦め、黒い壁の中へと踏み込んだ。

165 :256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2007/07/19(木) 01:15:46.55 ID:BeI62tQm
ここまでです。やっと元鞘に…。
いきなりシステム超越はダメよとか釘刺されてますが、はてさて。

一応上げておきます。お休みなさい。

166 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 06:28:38.76 ID:tMg8yrm+
セクハラ大好きカボチャさん…

167 :21・air:2007/07/19(木) 07:37:46.79 ID:eV4IAOeV
夜、湖でバサバサの髪を洗って、ハサミで長さを整えながら初めて気がついた。
真っ白になってる…。
そういえば尻尾も白いんだ。
たしか自分は、いや自キャラは、オレンジでボブカット3bだったような…気がする。

心当たりといえば、ハラキリ。ヒモなしバンジー。それから、なにかにすごくぶつかったたような、ボンヤリした記憶。
たぐろうとしたらまずハラキリの感触をくっきりはっきり思い出した。…気持ち悪い。そりゃ髪も白くなる。ともかくバンジーもハラキリも頭から追い出す。
はたまたこれは自キャラではなくて、倉庫キャラ一人目、3a白ボブカット、妹のエリー(Arie)か?
とまで考えて恐ろしい考えが頭によぎった。くらくらと周囲が揺れる。よかった。
倉庫2人目のハゲガルカ、ジーストレングス(Gstrength)だったら死にたいところだった。
ま、起きたらミスラだったことに比べたら、髪色ぐらいなんてことない。

体を拭いて、レギンスとサブリガを履きながら声をかける。
「荷物がなくなってるから、一度サンドリアに行きたいんだけど…」
たぶん何かある。というかなかったら困るんだ。まともな服がない。
「ん、体大丈夫タル?」
「うん、明日になったら元気元気だよ」
「舟1個だし、サンドリアまで一緒に行くタル。ボクも魚売ってオレンジ買いに行くタル」
「ありがとね」
「困ったときは、お互いさまタル?」

168 :21・air:2007/07/19(木) 07:38:51.27 ID:eV4IAOeV
マーティンはとても優しい。
迷惑じゃないんだろうかと少し不安になるぐらい。
そんなことを考えながら眠りに落ちた。夢は見なかった。

■ルフェ湖・小舟

朝の光が薄く差し込む。天気は曇り気味で、少し風もある。湖には少し霧が出て、夢の世界のように、ぼんやりとかすんでいる。
なんとか体裁をととのえた服は、ぼろぼろのブーツ、ぼろぼろのサブリガ、胸には布をまいて…世紀末救世主みたいでちょっと可笑しい。

岩壁に掘られた冷蔵庫から小舟に、魚を詰めた木箱をのせる。冷蔵庫は岩をくり抜いた玄室で、氷のクリスタルや塊をいくつかおいていた。
「いやぁ、運んでくれて助かるタル。いつも運ぶのに苦労するタル」
「にゃは」
マーティンは優秀な釣り人のようで、木箱には(マーティンよりも)大きなサーモンもいくつか並んでいる。

小舟に魚を詰めた木箱をのせて。マーティンの漕ぐ舟が、湖をゆっくりすべってく。

169 :21・air:2007/07/19(木) 07:39:43.22 ID:eV4IAOeV
「Ever drifting down the stream.
  Lingering in the golden gleam.
   Life, what is it but a dream?」
(流れに沿いてゆら流れ、
  金色の海をただよぅて、
   人生はただ夢のよう)
マーティンの歌声、天使の歌声のような、ボーイソプラノが細々と湖を渡っていく。
舟は水面と霧だけの世界を進んで、ゆら、ゆら、ゆられていつしか眠りに、

■*いのり*

ゆら、ゆら、色が揺れている。目を開いても、閉じても。すべての色が混じり合って黒色の光がゆれている。
まただ、閉じこめられて体が動かない。
「おまえたちは、災い、悪夢であり、
  世界をおおう恐怖、悲しみ、絶望そのもの…」
暗闇の中。幾千もの怨嗟のうめき。それを引き裂いて、唄声がとどろく
「災いを祓わねば。
  闇は払われねば」
溶けていく、なにもかも闇の中に溶けていく。

170 :21・air:2007/07/19(木) 07:40:12.04 ID:eV4IAOeV
「桟橋についタル」
「うあっ、おはよ」
 マーティンに肩をゆすられて夢は終わった。霧雨がパラパラとふっている。薄暗い森、桟橋につながれた小舟が波にゆられている。遠くに高い城壁が見える。
「なんだか、うなされてたけど大丈夫タル?」
「船酔いかな、ハハハ…」
「ほんとに大丈夫タル?」
「あら、ここは?」
「北サンドリアのギルド桟橋なのタル」
「ここ、とても昔に、来たような気がする」
「ここで、休むタル?」
「うんにゃ、モグハウスだけだし、街までさくっと行こう」
茂みにおいてあった荷車に、魚の入った木箱を積み込む。
マーティンが引く荷車を後ろから押して、森の中を進む。子馬みたいにでかいカブトムシやウサギがいた。この世界こええー。


171 :21・air:2007/07/19(木) 07:41:04.27 ID:eV4IAOeV
城壁が近づくにつれ、たいまつをほのかにかかげた城門が見える。城門の横には中年のエルヴァーンの衛兵が寄りかかって立っている。
「ご苦労様タル」
「ようマーティン。釣果はどうだったい」
「今週は、サーモンにだいぶ脂がのってきタル」
「そうか、そりゃこれから楽しみだな、今晩あたり食堂に行くか。ところで、そっちのお嬢さんはどうしたんだい?」
「道に迷って、ルフェ湖についたらしいのタル」
「お嬢さんは旅人、それとも冒険者かな?」
「はい、サンドリアに所属する冒険者です」
「そのなりじゃ、随分ひどい目にあったようだな。だが無事に戻れて良かったな、ゆっくりしていくと良い」
「ありがとうございます」

 門の中の街は活気にあふれて、大きな荷物を積んだ荷車や、商人、職人たちが忙しく歩き回っている。
「気をつけて行くタルよ?」
「うん、ありがと」
「夕方にまたここで待っておくタル」
マーティンは荷車を引いて、いつも魚を買ってもらう食堂へと向かう。
それを見送って、モグハウスに向かった。

172 :21・air:2007/07/19(木) 07:44:20.68 ID:eV4IAOeV
今回ここまで、です。
久々に規制が解けました・・・

>>18 20行制限とか違うのですね。
   いやぁもう転載ありがとうごじあます。

>>25 HNM手伝い中に、用事で落ちることになった。
   次にログオンしたら、目の前にヴリトラ\(^o^)/(マジ話)

と、遅すぎるレスをしておきます。

173 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 11:11:33.27 ID:OuJ+aIlW
読む前保守

174 :既にその名前は使われています :2007/07/19(木) 13:06:19.83 ID:8VUanSJZ
読んだからageとくー

175 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 15:19:25.34 ID:POoMbV9c
保守るよ!

176 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 18:36:07.90 ID:BeI62tQm
規制解除おめ!

ネタがないのでそのまま保守を…(´Д⊂

177 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 18:36:13.88 ID:AriRspMU
age

178 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 21:12:34.56 ID:DJtckLtM
ほしゅー

179 :既にその名前は使われています:2007/07/19(木) 23:47:21.86 ID:AriRspMU
今日は落ちるの早いねage

180 :既にその名前は使われています :2007/07/20(金) 01:38:23.98 ID:UfuctY2x
寝る前のほしゅー

181 :21・air:2007/07/20(金) 07:31:01.71 ID:vHUbqAhx
■サンドリア

「居住区名・ヴェーブィファオ、1階の068号室…と、ここでいいのかな」
番号を何度も確かめ、モグハウスの扉を開ける。
部屋の中には、みっしりとタンスが並んでいる。な、なんだこの部屋は、そして目の前に白いコアラのようなもの、モーグリがいた。
「ご主人様、おひさしぶりクポ!!!」
頭を下げ、ひざをつく
「ヴェルデラッテ・アリア・レステランダ、御許にはせ参じました。お久しうございます、ドン・ディエゴ・ファルディンステン・モグレトラル閣下」
「ドン!?閣下!?ク、クポッ!?」
「HAHAHA It's a ジョーク、ジョークデス、オゥモグTARO!ヒッサシブ〜リネ!」
バッシバッシとモグの肩を叩く。
「…ご主人、昔と全然変わってないクポ。3年前、急にいなくなったから心配したクポ?」
「うふふふふ。長旅から戻ったのよー。モグタロは、い、ま、も、フサフサップニプニかなぁ?」
もふもふもふもふもふ。
「クポポポ〜〜」
「やwわwらwかwwww」

182 :21・air:2007/07/20(金) 07:32:02.61 ID:vHUbqAhx
「オホン、ところで久々だから聞いておきたいんだけど私のレベルは?」
「職業は…全部1レベルクポ!」
「ふぁ?全部?」
「なんだかちがうような…気がするクポ。何個か75レベルの職業あったクポ?」
「…だよね?DA・YO・NE?」
「それネタ古すぎクポ」
目を見合わせてしまう。モグの小さくて真っ黒な瞳がどこを向いているかは、なんだか良くわからないのだが。
「でも、この冒険者票に書いてあるクポ」
サンドリア所属 ランク1
ALLJOB レベル1 すべての合成スキル レベル1
飛空挺パス−非所持 ミッションランク−1
とにかく1、まるで初期状態。まるでじゃない、完全に。
「あらほんと、まぁ…うん、久しぶりに戻ったからじゃない?じゃ〜今の職業は?」
「えーっと、シーフ/獣使いクポ!」
「サポートあるのが驚きだよ。というか、ナイトとか30レベルじゃなかったっけ」
「むしろサポート取得が18レベルクポ」
「あー、まーうん、きっとレベルだけリセットされたんだね、ハハハ、あ、そうだ、金庫に預けてるものはある?」
「金庫の中身は…えっと…タンスでいっぱいクポ!」
「どないやねん、金庫にタンスて、庫にタンスて、にタンスて…」
右手のスナップをきかせてつっこみを入れる。

183 :21・air:2007/07/20(金) 07:33:14.97 ID:vHUbqAhx
「エコーきかせないクポ!モグが管理する50個を、便宜上金庫と言うのクポ!そういう仕組みクポ!」
「…うー、深くは聞かないよ。で、タンスの中は?」
「タンスの中身は…」
モグがタンスの中身を見ようとうろうろするが、タンスは横向きにみっしり並んで開かない。
「コレだけ、タンスをおいたのは、どこの、バカだ」
「ご主人がお」
「シャラップ!」
 タンスをえっちらおっちら並び替えて開ける。なにかのステーキ、串焼き、煮込み、パイ、干物、スシ、ドリンクの瓶、その他食品、食品、食品、どれだけ食品を買ったんだ。ふたり顔を見合わせ、
「カリカリクポ…」
 「カリカリクポ…」
たぶん、引退宴会の余り物。そういえば競売に出品された料理を買い占めたっけ…そのタンスのさらにコッファーの中から、ボロボロのビニール傘、彫金眼鏡、カッパーインゴット、高級腐葉土、タンポポの種、レザー装備+1、包丁。
「これは??新アイテムクポ?」
「この袋はタンポポの種、こっちはヘンケルスの包丁、ステンで切れ味いいのよ。これは…ビニール傘、かな。壊れてるけど。」
「タンポポの種、ヘンケルスの包丁、ビニール傘?クポポポポ?」
「リアルの品物…これかぃ…ま、まぁ、たいしたものじゃないけど手に入れるのは…大変…かなあ?」
「リアル?なんかそんな単語をモグネットで聞いたような気が…」
「ねーモグ、他の防具とか、武器ない?」
すばやく会話のタゲをそらす。正直、スレの話とか、リアルから持ち込んだ物品とか、来訪者関係の話はいちいち説明したくない。ていうか釣りをして気ままに暮らしたい。
「モグは金庫の中しかわからないクポ〜」
「そっか、ないのかぁ。じゃあ、これ着るの手伝ってよ」

184 :21・air:2007/07/20(金) 07:33:59.08 ID:vHUbqAhx
「1レベルじゃあ着られないクポ。ク、クポ?」
さくっとブーツを履いた。別になんとも無く着られる。きつい…けど。
「クポポポ?」
「気にしない気にしないにゃ♪あとで一緒にご飯でも食べに行くにゃ♪」
「ほんとクポ?!」
「マジピョンマジピョン、ねーちょっと手伝ってよ」
少しだけ残っていた肌着と、アンド彫金メガネ
どこから見ても駆け出し冒険者だ。
レザー装備をモグになんとか着せてもらう。サイズが妙に、きつい。すごくピチピチのような。
「ご主人、なんか太ったクガモバ、ヒ、ヒドイクポ!ペッペッ、スシの干物は食べないクポ!モグタロはただ服が入らないから事実を言って、言って、言ってないクポ!
きっと置いてたからちぢんだ…そう、ちぢんだクポね、これは!きっとそうクポポ!」
(今たしかに耳元まで裂けるような笑顔で、ニコニコしたクポ!?あれはきっとかじる顔クポォッ!)
「やー、これは新しく買いに行かないとねぇ」
「ご、ご主人、そういえばなんか髪の色変わってるクポ?」
(さっきまでの話題は命にかかわるクッポォォオ)
「まぁ〜色々あってね、そうだ、モグタロちょっと長さ揃えてよ」
「わ、わかったクポ」
「適当でいいよ、適当で、こーいうかんじに」
モグがいそいそと髪を散髪する。真っ白な髪がバラバラおちる。一番多いラフィーナタイプにでもなってたのかなぁ。というか、髪型ぐらい変えたいわぁ…。

185 :21・air:2007/07/20(金) 07:34:28.90 ID:vHUbqAhx
「できたクポ!」
手で触ってみたかんじ、だいたい問題なくそろったようだ。長いのは落ち着かないから助かった。
「おお〜ありがとありがと」
もふもふもふもふもふ。
「クポポポ〜〜」
「よっしゃ、ご飯行こう。おごるからお金貸して。無い。」
「クポッ!?…あ、た、宅配におかね入ってるクポ!48万ギルが届いてるクポ!あ、あぶなかったクポ」
「なんのお金だろ?」
「それぞれ矢筒【Mボルト】1ダースの落札代金、とあるクポ。競売の落札金クポね。コレは、モグメモによれば合計で142個も落札されてるクポ!クプププ」
「そんなの競売に出してたねぇ、懐かしい」
「そういえばご主人、お金無いクポ?持ってたお金はどうしたのクポ?たしか5千万近くあったクポ?」
「離れる前にさ、昔のフレンドのポストに適当に入れた。あー、装備もそういえばあげたんだ」
(´゚ω゚):;*.':;ブフォ:
「いくらなんでも無茶苦茶クポ…」
「まぁまぁお金なんて、ご飯して服がちょっとあればいいよ。必要を満たすのはコップ1杯の水だが、欲望を満たすのは海を飲み干すより難しい、ってね。さー食べに行こう」
「なんだか、適当さにみがきがかかってるクポ…」

186 :21・air:2007/07/20(金) 07:35:21.12 ID:vHUbqAhx
モグに案内されて南サンドリアに出る。高い城壁に囲まれた、石造りの古い町並み。
「さびれてるねぇ」
窓とドアが板で閉じられた家も多い。
「人口がだんだん減ってるらしいクポ。最近は冒険者の人も入ってきているけど、サンドリアから別の所へ働きに出るモグも多いクポ〜」
「魔法はウィンダス、技術はバストークだもんねぇ。森と狩猟を守って〜だと、勢いのある国には負けるんだよねぇ。私は発展しないほうが好きなんだけど」

幾人か冒険者とすれ違ったが、みんな慌ただしく走っていく。
「冒険者がやって来るぐらいで、丁度良いのかな、お、そこの喫茶でいい?モグタロなにか食べたいものある?」
噴水の隣のオープンカフェ。
「ミルクたっぷりサンドリアティークポ!」
「それならアップルパイだねぇ」
注文して、他愛もない会話をして、サンドイッチとアップルパイ、ミルク、サンドリアティーが並べられる。
紅茶の香りフワッ ミルクトットットッ…
「これはおいしいクポッ、ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
「モグタロ、もちょっとおとなしく食べなさい><」

「いやーおいしかったクポ!ご主人は今日はどうするクポ?」
「ん〜慌ただしいけど、夕方までに待ち合わせがあってね。しばらく留守にするかも。でね、買い物モグタロも手伝ってよ」
「わかったクプ〜」
「ほらほら、ジャムついてるよ」

187 :21・air:2007/07/20(金) 07:35:40.90 ID:vHUbqAhx
いつも通っていた、テレビ画面の中のサンドリアよりもずいぶん建物が多い。こんなに狭くて、街の人はどこに住んでいるんだと思っていたけど。
路地や小さな商店をモグとうろうろして肌着をいくつかと、黒色のフードつきロングコートを買った。
色落ち品で一つ160ギル。見た目のためにレベルをあげたのが嘘のよう。
まぁ、そういうものだろう。それから防具屋でサイズのあうレザーアーマーをみつけて、購入。

通りを歩いていると漢字で「湯」と書かれたのれんの下がった建物。銭湯かぁ、風呂さはいりてなぁ。…漢字で「湯」?今まで気にしていなかったが、考えてみればフニャフニャの筆記体のようなこの文字を普通に読んでいた。
うーっ、アリアの記憶とチヨコがごちゃ混ぜになっているのか。まいったなぁ。
「あれは最近話題核熱の銭湯クポ!」
「へぇ〜」
思考から現実に引き戻された。
「あそこはいつでも、お風呂につかれるのクポ〜」
「便利になったのねぇ」
とはいえ、お風呂に入る時間は…

188 :21・air:2007/07/20(金) 07:35:52.15 ID:vHUbqAhx
■*おおっと*

「ハァ〜」
湯船で足をのばす。
「クポォ〜」
モグも短い手足をのばす。
【湯】【計り知れない相手です】
いつのまにか引き寄せを受けてしまった。
他にも幾人か、エルヴァーンのお姉様がお風呂をしている。
なんというモデル体型(^o^)自分だけが間違いなくおこちゃま。
ときどき視線をかんじるが、モグと風呂するミスラが珍しいのだろう。
ちょっとはしゃいでしまったし。

お風呂が終わってからはあわただしく、荷物をハウスでまとめ、要らない物を捨て、名残を惜しむモグをのこして待ち合わせ場所へ。
まだ夕方にはちょっと早くて、マーティンは来ていないみたい。

189 :21・air:2007/07/20(金) 07:36:35.42 ID:vHUbqAhx
他のあてもないので、近くの木工ギルドや鍛冶ギルドをのぞきこんで。
「やぁ、新米冒険者さんかな?」
エプロン姿の、エルヴァーンのお兄さんが優しげに声をかけてくれる。
「まぁ、そうです、はい。なんでわかるんですか?」
「ハハハ、そんな風に珍しげにギルドを覗き込んでいるし、見たところ鎧も新品だ。おまけに武器も持って無いじゃないか。」
「あ〜そうですね、えへへ」
「ギルド登録がまだなら、冒険者票を登録すればクリスタルがもらえるよ。うん、登録はまだみたいだね。ちょっとこっちの受付で記入してくれるかな?」

「これできみは、鍛冶ギルド見習いだ。これから合成の腕をあげて立派なギルドの一員になってほしい」
笑うと白い歯がキラリと光る。
そして火のクリスタルを、手に優しく乗せてくれた。
うーん、すごくさわやかだなぁ。
「とりあえず合成ってどうやるのにゃ?」
「大雑把に言うとクリスタルの魔力が素材を変質させるんだ。クリスタル合成中は、課程よりも完成品の強いイメージを持つこと。」
「ふんふん、にゃるほど」
「手で品物を作るときにも、完成品をイメージして作り上げるだろう?それと同じさ。だから実際に品物を身に付けたり、手で触ったりしてイメージを強く持つんだ」
「そういえば素材もってたような気が」
カバンの底から布で包んでいた金物−インゴット、なべ、包丁をとりだす。

190 :21・air:2007/07/20(金) 07:37:40.23 ID:vHUbqAhx
「【むむむ】、これだ」
「カッパーインゴットを持ってるのか。じゃあオニオンソードを作ってみたらどうかな?え?見たこと無いって?
 たしか1本ぐらいは入り口にかざってあったような…あった、これだ」

布の上にインゴットをおく。ブロンズソードを持って、ちょっと振ってみる。
「うん、やってみます」
炎のクリスタルをもって、思い浮かべるは胴の刃。
流すは魔力、感じるはクリスタルの鼓動。
強く強く、イメージする。
クリスタルの魔力。
…青白い光、刃、永劫の戦い、血、炎、孤独、小さなともしび
「お、おい」
ハッと目を開けると、目の前には一抱えもある炎が白く燃えさかっている。
炎は剣に吸い込まれ、布の上にゴトンとオニオンソードが落ちた。
いびつだけど、ヤターオニオンソードデキタヨー!!
剣は紅く熱を放っていて、布が燃えあがった。
「キャアア」
「うわっ、水、水」
テキパキとお兄さんが近くのバケツで水をくみ、布の火を消した。それからオニオンソードをやっとこでつかんで、近くの消火用水槽につける。蒸気がもうもうと上がる。

191 :21・air:2007/07/20(金) 07:38:04.99 ID:vHUbqAhx
「すごいな、あんなにクリスタルの力を引き出すなんて。かなり素質あるぜ?鋼とか、もっと熱のいる金属も加工できそうだ。」
「いやぁ、過ぎたるは及ばざるがごとしていいますし…」
「なにしてるタル?」
「あ、マーティン。ちょっと合成をね、教えてもらってたの」
「彼女、なかなか素質あるんじゃないかな」
「もう夕方だったのね、ちょっと待ってね」
「ボクは待っててもだいじょぶタルよ?」
「いいのいいの、ちょうど区切りついたし」
あわてて荷物をカバンにしまう。
「そのブロンズソードは、布を巻いて、こうして皮紐でつっておくと良いよ」
「いろいろ教えて頂いて、ありがとうございました」
ぺこり。
荷車の木箱のとなりに、自分の荷物をドサッと放り込む。
「じゃ、いきましょ〜」
荷車を押して、桟橋へ向かう。

192 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 08:26:52.89 ID:loO+d4d4
投下おつです。避難所の方ではもうちょい先まで進んでたかな?
beも●も入れてない人だと連投制限引っ掛かり安いですよね…くじけず続き、待ってます。


193 :21・air:2007/07/20(金) 08:28:26.54 ID:VE89qqeD
以上です。

>>44 あたりの流れに超遅レス。
設定とかあまり気にせず書いていると思います。

お話はあと半分ぐらい・・・完結するようがんばります。
そして自分の書き込みで規制食らった><

194 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 11:28:30.42 ID:St9Nn3H+
では保守をば

195 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 11:36:34.32 ID:BaxNVLkd
いや、あんたの話は面白いと思うよ。文章で飯食う人の小説ではないが、
他の人を楽しませたいという、中の人の奉仕精神が伝わってくる。

196 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 13:40:50.56 ID:loO+d4d4
書きたいものを書き、かつ読んでる人も楽しい、か…。
なかなか難しいものです(´・ω・`)

197 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 13:41:08.43 ID:SEKlkZ0T
楽しんで書いて
楽しく読めれば
最高さage

198 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 13:51:42.08 ID:7srheE6K
いくら面白くても投下が遅い書き手より
あんさんのように早いペースのほうが良いよな。

199 :21・air:2007/07/20(金) 14:24:03.53 ID:vHUbqAhx
楽しく読んでもらえるように書く、難しいですね。
いろんな伏線をはって、気づいてもらったらニヤリとしてもらえるかなぁって。
クリスタル合成の序文とか、こっそりメキさんをオマージュしたり。

--さておき本文--

■北サンドリア・桟橋

街を出て、衛兵さんに挨拶して、ギルド桟橋まで戻ってきた。
霧雨に濡れて、森の輪郭はますますぼんやりしていた。
でっかいウサギも木の下で、草を食べてる。
道の真ん中に、バカでかいキノコが生えている。
ファンタジーだなぁ。食べたら片方でちぢんで片方でのびるかなぁ、なんて思っていたら、カエルみたいな手足があって、ピョコピョコ動いた。き、きもちわるっ!
おまけにキノコの中央には、カエルみたいに左右に広い大口?がついていた。
獣使いだったとき、よくこんなのをあやつっていたなぁ。わたしには無理。コレと心通じ合わせるとか無理だ。

「そういえば、ハウスに荷物きちんとあっタル?」
「うん、服もちゃんと着たよ。お金もちょっとあった」
「さっきから気になっタルけど、腰にさげた植木鉢は、なんのおまじないタル?」
「ぬっふっふ、これは高級腐葉土といって、(たぶん)植木鉢育ちのベンっていうノートリアス・マンドラゴラを呼び出せる(はず)の餌なのにゃ!…で、どうやって使うんだろう?」

200 :21・air:2007/07/20(金) 14:26:57.58 ID:vHUbqAhx
「ッタル!?アイテムとか使ったことないタル?たぶん合成と一緒タル。中の触媒の魔力を引き出す、はず…タル」
「なるほどにゃー、さすがマーティン。きっとINT300ぐらいはあるにゃー」
「ほとんどのアイテムの基本タルよ!?」
植木鉢を持って、意識を懲らす。
中に種と、丸っこい球根のような物が入っているのがわかる。
【むむむ】・・・おーい、でておいで?
植木鉢からぴょこん、と双葉が飛び出る。
「にゃ?」
早回しのカメラのように双葉の間に新芽が出来る。
タンポポのようなギザギザの葉がにょきにょきと何本も延びて、最期に真ん中から大きな蕾がのびる。
そして、植木鉢の中から 白く丸い頭を持ったマンドラゴラが飛び出してきた。
空中で華麗に横4.5回転し、着地する。
「で、伝説のクワドラブル・アクセルにゃ!!9.85!」
「ピッピィ!」
「おお〜高級だから、普通のマンドラゴラと違うんタル?」
「んにゃ?」
「ッピ?」
「普通のマンドラゴラ、頭が双葉タル。これはなんだか大きいし、もう黄色い花が咲きそうタルよ?」

201 :21・air:2007/07/20(金) 14:30:18.23 ID:vHUbqAhx
そんな話をしている間にウサギが鼻をピクピクさせ、ベンに近づき頭の花を食べ始めた。
「!」
ベンがとびあがり、短い手でウサギをバシッとはたく。
反撃に1瞬驚いたウサギは、後足でベンに対して斜に構え、2、3度軽やかなステップを踏む。
ニヤリ、と笑い(ウサギが笑うんでしょうか?でもそのときは確かにそう見えました)。
次の瞬間、スパーンと見事な前蹴りがベンに決まった。
3回ほどアングルを変えてベンがスローモーションで倒れる。

ウサギはのっそりとベンに近づきまた花を食べ
「こ、こ、コラー!だめニャー!」
ウサギは驚いて飛び跳ね、て逃げていきました。
「ベン・・・よ、弱いタル」
「ソ、ソウカモ。マンドラゴラだしね」

■ルフェ湖・小舟

小舟でゆら、ゆら
ベンは舟の舳先[へさき]で前を見てる。つぼみもゆら、ゆら。
アリアは冒険者票を片手でくるくると回してもてあそぶ。


202 :21・air:2007/07/20(金) 14:36:25.43 ID:vHUbqAhx
あれ?今ふと植木鉢に見えた注意書、「級腐葉土 LV51〜」?
手に取れば、「獣使い,高級腐葉土,FlowerpotBen,効果:15分」とあった。
うーむ、職業とかレベルを無視してる?
ベンもタンポポだよねぇ、頭の上にゆれてるのは。
来訪者はバランスを崩す、っていうのはそういうコトなのかなぁ。

にしても、ベン弱かったなぁ・・・
それとも全部レベル1だから、ベンが弱いのかな。
レベルあげでウサギ倒したり、オークと戦ったりなんてしたくないなぁ。怖くて出来ないよ。
初めてロンフォールに出て、ウサギ倒したのは画面の中だったけど。3日ほど気になって気になって仕方なかった。
いつのまにか倒すのに慣れていって、それをふと思い出したときは妙に怖かったなぁ。
これじゃヴァナ・ディールで生きていけないのかな。
大なり小なり、生きることはその殺すことなんだけど。
レベルあげ…うーっ、やらない。弱くてもいい。

203 :21・air:2007/07/20(金) 14:37:40.34 ID:vHUbqAhx
■ルフェ湖・岸 マーティンハウス

サンドリアからハウスに戻ってから、雨、雨、雨。
3日ほどはずっと雨が降った。

釣りに出られないマーティンは器用に裁縫をしたり、釣り具をメンテナンス。
わたしはといえば散らかった部屋を片づけたり、雨漏りをなおしたり。
マーティンはそういった仕事は苦手のようで、とても喜んでくれた。
(タルタル族の身長ではタンスの上に荷物を置くのさえ一苦労だ)
ベンは呼び出されたままで、ちかくをうろうろしたり、雨の中水浴びをしている。
片づけて気づいたことは、荷物の中に包丁が入ってない。鍛冶ギルドまではあったんだけど…。合成のドタバタで忘れたんだ、きっと。
むぅ、砥石までバッチリ買ってきたのに。
仕方がないからマーティンの持ってたナイフを研ぐ。しゃっこしゃっこ、イーッヒッヒッヒ。気分は山姥[やまんば]。
ああ、マーティン怖がらないで、ただのノリですノリ。

外を見ながらユーミンとか椎名林檎を歌ったり。まぁあまりうまくは歌えないけれど。
マーティンは歌もハープも名人級だ、と思う。彼の知らない歌でも、2度目からは即興で伴奏をつけてくれる。…なんだかスナフキンみたいな衣装を着せたくなる。

そんな、穏やかな日々。

204 :21・air:2007/07/20(金) 14:38:10.79 ID:vHUbqAhx
■ルフェ湖・岸

マーティンハウスへきてから4日目の朝、久々の晴れ間。
まだほの暗い湖へ、マーティンは漕ぎだしていく。
なんでも雨のあとの日は、良く釣れるらしい。
小舟が薄もやの中に見えなくなるまで見送って。
私はお留守番。
洗濯も食器洗いも、ちょっとたまっているんだ。
…さて、やりますか!

タライで服を洗って、わかったことがある。
マーティンのウエストサイズ、私と変わらない。タルタルって…丸いなぁ。
そして、洗濯機がとても便利だということ。
水のクリスタルを使って洗濯を出来るらしいんだけど、ちょっとやめておく。なんというか前の合成みたいになっても困るし。
よし!洗濯干して終了!
青空に白い洗濯物がはためく。
くーっ、これよ、これ。

205 :21・air:2007/07/20(金) 14:39:27.43 ID:vHUbqAhx
洗濯も終わって、早めのお昼ご飯。
「るーらーらー」
適当な鼻歌を歌いながら、岩壁の小道をあがって。
つまり、なぜ崖上かと言えば、上には畑があるらしいのだ。
なーにーがー植わっているのかな〜
んっふっふ。
一応、護身用のオニオンソードをさげて。

まるでシルバニアファミリーの世界に迷い込んだみたいな、小さな畑。
その向こうには日を浴びてきらめく湖面。
野菜を採るのは前にちょっと一休み。
岩のフチに、足を空中に投げ出して寝そべる。
白い雲が空に浮かんでいる
ほぅっ、とため息が漏れてしまう。

うつら、うつらしかけたとき、足音が聞こえ、


206 :21・air:2007/07/20(金) 14:40:25.94 ID:vHUbqAhx
■振り返れば、奴がいた。

黒装束をまとった巨躯。背には長大な日本刀。
先手を打って話しかける。
「ねぇ、ただ生活することのなにがいけないの?」
落ち着いた声を出しているつもりだが、実際はどうなんだか。
「もどれ、自由は、ない」
「えーっと、もどれって、なんの事かしら」
リアルにもどれって事だろうな、やっぱり。
ガルカはゆっくりと刀を構える。動けば…斬られる。

「神の扉を、守るのが、我らの存在理由」
「はい?」
予想しなかった問いに、間抜けな返事。
「まって、神の扉ってなんのこと?全然心当たりがないんだけど」
「我々の、役割を、はずれるならば、オマエは、存在してはならぬ」
わからない、わからないが、とにかくわかったことは、最後通告だってこと。
剣を抜こうと手を動かした瞬間。

207 :21・air:2007/07/20(金) 14:45:07.14 ID:vHUbqAhx
すぐ背後に、軽やかに歌うような声が聞こえて、そちらを振り返った。
「定め有りて生き、定め有りて逝く そが天下の理… ブレイク!!」
真っ白な顔の、燃えるように赤い目の、黒い鎧を着たタルタルが浮いている。
その目を見たとたん、体は動かなくなった。
口も動かせない。
ガルカが刀を納め、わたしを背中にかつぎ上げる。
タルタルが背中の大鎌を抜いて、くるりとその場で回る。
鎌の軌跡が黒い円を描き、そこだけがぽっかりと切り取られたように漆黒の闇。
うなずくと、タルタルはその中へ消えた。
ガルカもその中へ入っていく。もちろん、かつがれたわたしも。
闇の中に入った瞬間、体がバラバラになるような、ぐらんぐらん揺すられるような、そんな感覚。
ジェットコースターのものすごく強烈なやつ。それに早回しで乗っているような。
そして、わたしは意識を失った。

-- お話ここまで --
>>198
文章力がない分、早い、多いで頑張ります。

208 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 15:05:29.18 ID:BaxNVLkd
それって何処の吉野家だw

まぁみょうちきりん設定作られて悶絶してそれに従ってまた設定作ってとかやるより、
(他に自分が楽しいから書いてるというのも嫌いな態度ではない)
「人を楽しませるのが楽しいから書いてる」ってのが分かる書き手はとても好感もてます。

つーか久しぶりに来たらいい書き手来てるねぇ。
ジミにネ実のSSスレってここだけなのか。内藤スレとかボブ&マイクまた立たないかな。

209 :21・air:2007/07/20(金) 15:19:47.93 ID:vHUbqAhx
そして今更ながらキャラ紹介テンプレ 。
このあたりまではフェイスを隠したかったのです。

初出:指定避難場所320
PC名:アリア(air)/中の人:チヨコ
種族フェイス:ミスラ6A?3A?肌と尻尾、とても白い(つまり他人から見ればA**R)
ジョブ&Lv:獣?1?
特記事項:勢いと度胸と順応力だけは人一倍
活動エリア:ル・オン→ルフェ湖→サンドリア→ルフェ湖
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:現実世界のことは所々曖昧なところもあるが覚えている。
 FFXIから引退して長く、チヨコのヴァナ・ディールの記憶はかなり曖昧。

終わりまであと4割ぐらい、頑張りますです。

210 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:35:34.42 ID:9JMB9iJN
ようやく、まともにネット使える環境になりました…
かなり間が空きましたが、続きです。

以前のお話などは、こちらから。
http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/Loufas%20%a2%a1TTnPTs4wAM%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1

あと、前回代理投稿をお願いした際の分で、番号が凄まじく間違ってました。
申し訳ありません…

211 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:36:06.12 ID:9JMB9iJN
(429)
「見える、と申されましたが」
静寂を破ったのは、爺さんの訝しげな声だった。この老人のこういった声を、俺ははじめて聞いたような気がする。
「では、お嬢様のご様子も?」
「それがな… その辺りはさっきの黒い霧みたいなのが濃くて見えないんだよ」
ふぅむ、と唸った課と思うと、爺さんは矢継ぎ早に現状の説明を求めてきた。

「では結局のところ、目的地に向かうより他に手立てがございませぬな」
一通り説明を終え俺と同じ結論に至った爺さんは、見様によっては不承不承とも取れる表情でそう言った。
「そういうこった。ただ敵も多い。駆け抜けるにはちょいと距離もあるし、行き着いたとしても乱戦じゃ分が悪い」
「いえ、状況が正確に掴めるのならば、正面から当たるのも手でございましょう」
つまり、戦闘しながら状況を上手く見て進むと言う方法らしい。
正直それほど上手くいくものかどうか疑わしい気もする。しかし、正論だ。

「なるほどな… そいじゃまぁ、やるとするかね」
打ち合わせと言うにはあまりに簡素なやり取りの後、俺は無遠慮に歩を進めた。
それに合わせて、距離を取っていた黒マントが一気に近づいてくる。
「左前方から2、右前方が1と、右から1だな。右側は任せる」
「かしこまりまして」
次の瞬間、足音にしてはやけに軽い音が辺りに響き、中空には4つの影が舞い上がっていた。

212 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:36:36.56 ID:9JMB9iJN
(430)
一斉に跳び上がった影は、それぞれが俺に向かって真っ直ぐ向かっている。
これは明らかに一度の攻撃で完全に仕留めようと言う攻め方だ。
やや自分の視界と今見えている視界に違和感を感じているせいか、まるで他人事のようにそう思った。

短く左に飛び、それらの攻撃がギリギリ届かない位置まで移動し、そのまま一番左側の影に駆け出した。
4つの影は着地と同時にそれぞれ一度四散するような動きを見せたが、俺が向かっていくのを見とめると、
再び俺に向かって殺到してきた。
今度は同時ではなく、むしろ一列に並ぶような格好になっており、それぞれの獲物がはっきりと確認できる。
一番左の影は、瀟洒な飾りのついた片手剣を素早く振りかざし、次のは両手鎌を脇に構え、後のは短剣と、杖か。

最初の剣が振り下ろされるよりも早く、俺は間合いを詰めて左拳を顔面部分に叩き込んだ。
湿った何かが潰れる音を放ちながら、影はその場で崩れ落る。それを踏み越えるようにして、2つ目の影が躍り上がる。
横薙ぎに振り払われようとする両手鎌の柄を足で止めて、そのまま飛び上がるようにして頭部を抱え込み、膝で一蹴する。


213 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:37:07.56 ID:9JMB9iJN
(431)
中空に浮いた状態になった俺に短剣が突き出される。身体を捻ってかわしざま、そのまま両手で短剣を持っている手を掴んだ。
そのまま着地はせず地面まで身体を落とし、転がりながら手を捻り上げる。
何度聞いても聞き慣れない嫌な音が数度響いたが、それに構わず素早く立ち上がり、前屈みになった影の背骨に向けてつま先を素早く蹴り出した。
また嫌な音が、今度は少し大きく響いた。

最後の影はいつの間にか数歩の距離を取って、杖を構えたまま詠唱を始めたようだった。
だがそれも、次の瞬間には声にならない絶叫と共にかき消される。
影はそのまま崩れるように地面に落ちた。

一息ついてその姿をよく確認すると、木の根か枝か、とにかくそういう物に四肢を貫かれて仰向けに倒れていた。
「容赦無いな」
皮肉ではなく本心で、俺はそう言った。
「坊ちゃまの早業ほどではございません」
振り向いて、苦笑いが出た。


214 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:37:48.09 ID:9JMB9iJN
(432)
「次は如何でしょう」
「タルタルが2、正面から来る。魔法は出来れば喰らいたくないな。待ち伏せして仕留めるか」
そう言って思わず自嘲の笑みがこぼれる。これではどちらが攻めているのか分からない。
いや、攻めているのは俺達だから、これが正しいのかもしれないが…

息も絶え絶えという4つの影を置き去りに、爺さんとは左右に別れて少し前方にある建物の陰で、息を殺す。
手でも合わせてやりたいところだが、実のところ致命傷ではないはずだ。上司に恵まれてりゃ助かるだろう。
俺も一発下手を打てばああなる。同情などしてやれる訳もない。

辺りを改めて確認すると、黒マントの数が先程確認したよりも増えているように見えた。
こちらに向かっている影は相変わらず2つだが、遠巻きにいる数が倍以上になっている。
やはり、視認できるだけでは正確な人数は把握できないものだ。この力もそれほど過信できたものではない。

思わず、舌打ちがため息と共に出る。
それと同時に、こちらに向かってきていた2つの影が、俺達が潜む建物の陰よりすぐ手前で移動をやめた。
再び舌打ちをして建物の陰から飛び出しかけた時、奇妙な光景がすぐ目の前に広がっていることに気が付いた。

俺と爺さんの丁度中心辺りの空気が歪み、それがやがて人の形を帯び始めていた。

215 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:38:51.59 ID:9JMB9iJN
(433)
透明人間が元の姿を取り戻すような様、と言うのが一番妥当だろうか。
やがて現れたのは、赤い鎧を纏った小柄なヒュームの男だった。
身の丈に合わない大きな両手剣を背負い、俺と爺さんの間をそのまま視線を横切るようにしてゆっくりと歩を進める。

正面からこちらに向かっていた2つのタルタルの影は、その姿を見て動きを止めたものらしい。
やがて、影のうちの1つが合図をし、2つの影がその男に向かって何かの魔法を唱え始めた。
その瞬間、男は10歩ほどの距離を一跨ぎに詰めた。
普通に見ていたのでは、まるで瞬間移動のように感じたかもしれない。それほどの速さだ。

魔法の詠唱の為に棒立ちになっていた2つの影に対し、男は背を屈めるようにして鋭く背中から抜き打ちの一撃を放った。
その一撃も、一瞬光が閃いたかと思う程度の時間だった。
残ったのは瑞々しい石榴に包丁を入れたような、鮮やかな死体が2つ。

「おい、てめぇ…」
腹が立った訳でもないのに、語気が荒くなっていた。
「気に入りませんか。ですがあなたはこの先、この数倍の屍を乗り越えなければならない」
男は丁寧な口調で、恐らく事実を言った。
「ごきげんよう、シュヴィヤール卿。『フェイト』の者です」

216 :Loufas ◆TTnPTs4wAM :2007/07/20(金) 16:41:34.88 ID:9JMB9iJN
以上です。
続きはまた近いうちに…

217 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 17:18:11.42 ID:PdvL3Cq4
きた!
勝つる!

218 :既にその名前は使われています :2007/07/20(金) 19:27:13.11 ID:UfuctY2x
新作、転載2件も来てた!

でも今から会議・・・・

帰ってから読も〜っと

219 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 21:28:17.50 ID:po94ftYB
>>114 続き・・・
なんだかずいぶん長い間溜めていた様な気がするがきっと気のせいだろう。
空に集まった魔力はもう一つの太陽のごとく輝いている。ゴルディオンだっけ? こんなやつあったよな
魔力を溜めるにしたがって心に余裕が出てくる。無駄なことを考える余裕が。なぜだろう。
とても、落ち着く。
「この魔法は一体……」
「行かせないわよ! あたしの命に変えてでもあんたには行かせない!」
古より伝われし兵器……
「くっ……」
全てのものを破壊する光……
「いっけええええええ!!」
『食らえ! 雷神の雷! インd』
背中に衝撃が走る。言葉が紡げない。あとちょっとなのに。
「ホシュル!」
「邪魔よ……」
隙を点かれたプリンが盾で弾き飛ばされる。俺のせいだ。なんで。
ゆっくりと下を見る。
そこには一本の血に塗れた光る槍が刺さっていた。
さらに、衝撃が四回。つぎつぎと俺の体から槍が突き出てくる。
シヴァの、笑い声が、聞こえる。

220 :21・air:2007/07/20(金) 22:43:39.81 ID:vHUbqAhx
エンドまでもうすこし(だと思う)。
好意的レスもいただいて(るはず)、みwなwぎwっwてwきwたwぜw
すいまえん調子乗ってました。楽しんでもらえるように頑張ります。
---
■*えいしょう*

遠くで歌が聞こえる。
赤い光の海に浮いている。
それから目の前に女性がいる。肌も、髪も、体毛も透き通るように白いミスラ。目だけが燃える赤。
−また、夢?
「ゆめじゃないわ、ここはあなたの、わたしの、意識の中、と言えばいいかしら」
「あれ、あなたはだれ?」
「わたし、アイヴィ。チヨコと体を共有してる。ううん、あなたの魂がわたしのカラダに入ってるの」
「まって、なぜ?私はアリアじゃないの?」
「アリアは、ここで死んだの。これを、見て」

221 :21・air:2007/07/20(金) 22:44:13.15 ID:vHUbqAhx
■アイビィがチヨコに見せた記憶

丸屋根を持った、巨石造りの広間。武器も持たず、鎧も付けず、足取りもおぼつかないミスラが歩く。彼女の名はアリア。
闘技場の中央には青白い光をたたえて浮かぶ、巨大なクリスタル。
そこから、眠りから覚めるように、全身が真っ白で漆黒の鎧をまとったミスラが浮かび上がる。
トゥー・リアに存在する、神の扉を守る戦士。クリスタルの力によって生み出された、アークエンジェル。
「我は、『嫉妬(envy)』。内なる『嫉妬』が、オマエをかじりとる……」
じとりとアリアを見るその顔、嫉妬に歪んだくらい笑み。

アリアはその目の前で血を吐いて、白い床に倒れた。
エンヴィは斧を構えたまま、いぶかしむように立ち止まる。
「おしえて。嫉妬、って、あんたはなにを、うらやむの?」
答えはない。
アリアは倒れたまま、目を閉じ、言葉を続ける。 
「あたしは、さいごに、憧れたあんたに会いたかった」
「あこがれ?」
「そう、あんたの美しさと力強さに」
アリアの吐く、荒い息だけがひびく。
少しの時間をあけて、エンヴィが、うめくように、吐き出すように。
「オマエたちが憎い!お前達の自由が!…我にあるのは、ただ使命。数千年、そして未来永劫の孤独!」

222 :21・air:2007/07/20(金) 22:44:36.34 ID:vHUbqAhx
アリアはゆっくりと、ため息。
「あんたも、かなしかったんだ」
「なに?」
「あんたみたいにキレイで、強くなりたかった。そしたら何でも手に入ると思ってた。
でも、無茶をしすぎて、体はボロボロになって、となりにはだれもいなくて。
なにも手に入らな、ゴフッ、ゴホッ、…孤独は悲しいよねぇ。…だからさ、ともだちになろう」
「宿命から逃れれば消滅する。我らの存在は虚無、内なる闇、そのもの。永劫に」
エンヴィは、再び武器を構える。
「もう死ぬから、扉もおびやかさないね。じゃあ倒すべき敵じゃない。ほら。宿命をおったままでもさ、なれる。あたしと、ともだちに」
言いながら身を起こし、ゆっくり、ゆっくり手を差し出す。
「ね」
エンヴィは、身構えたまま動かない。
アリアが這って、身を少しづつ近づけ、手が、ふれあう。
エンヴィは身を少し震わせた。
「これで、ともだち」
アリアはしっかりと手を握り、血まみれの顔でにっかりわらう。
「ねぇ、ともだちになったしさ、名前を一文字あげる。エンヴィ(嫉妬)じゃあさ、悲しい。あたしの名前からiをつけてアイビィ(ivy)にしない?」
エンヴィの手の甲に、流れる血でivyと書く。
「アイビィ?」
初めて、戸惑いの表情。歪んだ、笑みが消えていく。

223 :21・air:2007/07/20(金) 22:46:16.21 ID:vHUbqAhx
「アイビィ。蔦[つた]って意味。変わらぬ友情って意味も、あ、うっ、ゴホッ、ゲホッ、あるね。持たぬ者どうし一緒になり、その名は友情。どう、かな?」
エンヴィは戸惑った表情のまま何か話そうとしてやめ、アリアの手を両手で、強く握る。それからうなずく。
「よかった。きっとさ、いつかアイビィの宿命からも、解き放つだれかがくる。
ともだちも作れたんだ。無理じゃないよ、アイビィ。
そしたら悲しさを分かち合えて、あたし、はやくこうして、アイビィの悲しみ、もっと、もってあげ、た、らね」
アリアの体がするりと落ちた。
アイビィはそれを支え、名を呼んだ。
「アリア!アリア!逝かないで!」
けれど、無情にもあたりに青い光が満ち、クリスタルの中でアイビィは眠りについた。

いつまでもアイビィの声が耳に残る。
気になるのは私がそんな、悲痛な叫びを最近聞いたってこと。
そうだ、それは雨の中、私を誰かが呼んでる声。
「チヨコちゃん!チヨコちゃん!目を覚まして!」
悪い夢を思い出してしまった。いや、夢じゃなかった。
『私、死んでる。』

224 :21・air:2007/07/20(金) 22:47:02.76 ID:vHUbqAhx
■チヨコの回想と、思い出した1日

文学部を卒業して、就職に失敗して、1年ほど引きこもっていた。
そうしてFFXIをしていたころ、最初は友達がいたと思う。
けれどアイテムを集めたり、育てることに必死で。でも楽しく遊んでると思ってた。
ある日、交通事故で両親が死んだ。
私は一人になった。
現実にも、FFXIの世界にも、悲しいときにいてくれる友達はいなかった。
両親が死んだことは言わずに、引退の挨拶をして、それっぽくアイテムを配ったりして。結構好きだった空島をちょっとうろうろして。何となくアークエンジェルミスラのBCに入ったり。
それで、キャラクターを削除して解約した。投げ遣りになってた。
おそらくはそれが、アリアの生涯の終わりになった。

FFをやめた私はそれから、お葬式を手伝ってくれた近所のヨーコおばさんの紹介で、なんとか事務の仕事に就いた。
両親が死んでから2年がすぎて、私はともかく立ち直った。
ヨーコさんにはとても感謝してる。
そんなある日、ぶつかったような記憶と、こわれたビニール傘を持って。ヴァナディールにいた。

225 :21・air:2007/07/20(金) 22:47:43.81 ID:vHUbqAhx
…雨の日。私はヨーコさんと買い物に出かけた。傘をさして。
ミニバンが角を曲がりきれずスリップして、私達に突っ込んできた。
私は、とっさにヨーコさんを突き飛ばした。
ドン、という音がまるで遠くから聞こえて。
体が宙を舞って、なにもかもゆっくり流れて、空が灰色で、傘がゆっくりこわれて、水たまりに落ちて、しぶきが上がって。とてもきれい。
雨が、冷たい。
「チヨコちゃん!チヨコちゃん!目を覚まして!大丈夫!?」
おばさんの声が聞こえる。よかった、無事だったんだ。
それから、それから…?
遠くで唄が聞こえる。
唄が聞こえる方に、ふわふわと引き寄せられていく。
ひざをかかえ、小さな宝石を持ってうずくまる…アイビィがみえる。

226 :21・air:2007/07/20(金) 22:53:54.30 ID:vHUbqAhx
■Dreaming as the summers die(終わり逝く夏を夢に見る)

「アリアが私の夢を見たのか、私がアリアの夢を見たのか。胡蝶の夢だね、まるで」
「胡蝶?わたし、アリアが帰ってきたんだと思ったの。雰囲気がとても似ていたし。だから触れてみたの。チヨコの魂はアリアと同じ暖かさだった。
そしたらそれは、わたしの体にはいって、チヨコが体を動かしはじめたの。
もしかしたらチヨコが本当の魂をもってるからかもしれない。
わたしは見ていただけだったけど、唄の束縛から自由になって、世界を旅するのはとても楽しかった。
…でも、宿命から逃れることは出来ないのね。
また、眠って、そして戦うんだわ」
アイビィは目を伏せる。

227 :21・air:2007/07/20(金) 23:02:33.01 ID:vHUbqAhx
けれど、わたしは気軽に言った。
「そうでもないかも。これってさ、運命的じゃない?」
「なぜそう思うの?」
「だって、死んだ私はここへきたんでしょ。
あなたはそれを受け入れてくれた。
それって命の恩人じゃない?
で、あなたも外に出る事が出来たんだし!

「でも、あなたはアリアじゃないわ」
「アリアは私なのよ。それにいまから私とも、きちんと、ともだちになればいいわ」
チヨコが、最期にアリアが見せたのと同じ顔でにっかり笑い、手を差し出す。
アイヴィはまたおずおずと手を差し出し…

--お話ここまで--まとめ-

・自キャラとAAMRの中間の存在なのです!
>>80 死んでいて、死ぬ間際の夢なのか、それとも魂だけが
 仮想世界へ迷い込んだ。って感じで書いてみましたがいかがでしょうか。

・・・元の世界戻れないってレベルじゃねーぞ。

228 :既にその名前は使われています:2007/07/20(金) 23:24:09.84 ID:po94ftYB
>>219 続き・・・
「ホシュル!」
六回目の衝撃。これはプリンがぶつかったもの。
「危なかったわね……。さすがにあれはまずいね……」
空を見ている。俺は首だけをどうにか上に向ける。光はどんどん小さくなっている。
体を光の槍が突き抜ける。五本に分かれた光はシヴァの右手に集まり、やがて一本の槍になった。
「ブリューナク……。素晴らしい……」
そうか。最初に投げたあの槍か。今頃になって……。
「さすがに危なかった……。とても危険……」
シヴァは左手で鼻を描いている。どうやら盾はしまったようだ。
いや、そんなことはどうでもいい。
こみ上げてきた物を吐き出し膝をつく。光がある限り、まだ詠唱は続いている。あと一言なんだ。
シヴァがぼやけて見える。目もやられたのか。プリン、あまり揺さぶらないでくれ。
アルタナ様、どうか俺にあと少しの力を……!
『インド……ラ』
空に集まっていた光が一本の線を描き、シヴァを貫く。
あまりにも一瞬のことだった。シヴァの胸には大きい風穴が開いている。
「や……やったー! 倒した! ホシュル! 倒したわよ」
ああ、言わなくてもわかる。残念ながらもう返答できる力もないんだ。ごめんな。
シヴァの体がぼやけていく。そして背が地に着いたと同時に消えた。

229 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 01:19:09.61 ID:xDX/NKb3
インド人耐性バインドage

230 :既にその名前は使われています :2007/07/21(土) 01:32:28.18 ID:UJrTnR+M
寝る前保守〜

231 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 09:45:52.30 ID:KnALKYWb
保守るよ!

232 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 12:04:11.05 ID:KnALKYWb
保守るよ!

233 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 14:57:02.16 ID:KnALKYWb
>>228 続き・・・
おかしい。なんで死体が消えるんだ?
まさか、そんなはずがない。だがもしもそうだとしたら。
プリンが危ない。
プリンが俺の正面から抱きついている以上は死体のほうを見ていない。
さきほどの魔法で砂煙が上がって奥まで見えない。
言いたくても言えず。体は動かず。頭だけが動き続ける。
強い風が吹いた。砂煙を払う風が。砂煙は風に乗って消えていった。

手を組んだシヴァが何もなかったかのように立っていた。

その顔には笑みが浮かんでいる。プリンに知らせなければいけないのに。プリンはまだ俺に抱きついて泣いている。
シヴァが鎧の隙間から何かを取り出した。人型の紙のようだ。触媒。紙兵。
そうか。彼女はヒュームか。ヒントまでくれてたのか。でももう遅い。
砂の擦れる音がしてプリンが振り返る。そこにいるモノを認識するや否や鎌を持って飛んでいく。
鎌はシヴァの首を刈り取る。しかし首はやがて紙となる。
そして次の瞬間にはプリンの体を槍が貫通していた。さっきの槍とは違う。赤い槍。
なぎ払うように槍を振るう。遠心力に従いプリンの体は槍から離れ俺の体にぶつかる。
槍を持った彼女は笑いながら近づいてくる。そしてこれがヴァナでの最後の光景となった。

234 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 16:44:43.49 ID:KnALKYWb
保守るよ!

235 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:54:24.94 ID:IqakuALy
みなさん投下乙です
二つの話がデッドエンド一直線でハラハラしていますヽ(´Д`;)ノ
私は早く書ける人にかじり取りたいくらい嫉妬をしていたり・・・w

それでは、投下します〜!

前回>>132

236 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:54:52.80 ID:IqakuALy
「あのタイタンが見せた映像はなんなのかしら?あの男の子がルークなの?」
 二人が私の勢いに圧倒されてしばらく目をぱちくりとさせていましたが、ジェリダムもすぐにルークのほうを向きました。
「で、生意気そうなガキに苛められていたのがお前をヴァナディールに呼んだ妹って事か」
「ああ」
 ルークは答えながら目を伏せ、暗い表情になりました。その表情はどこか絶望的で、とても悔しそうで、見ていて心配になってきます。
「俺の力が必要な・・・・・・植物状態の・・・俺の・・・・・・妹・・・」
「・・・え」
 ルークの拳が硬く硬く、何かに耐えるように強く握り締められていました。
「絶対に・・・絶対に俺は帰ってアイツを助けてやらないといけないんだ・・・あ?」
 突然ルークの頭がグラリと揺れたかと思うと、バランスを崩した彼はガッと力いっぱい机に手を押し付けてなんとか体を支えました。
「ル、ルーク大丈夫!?」
「あ、ああ。飲みすぎたかな?」
 苦笑いをしながらもう一度椅子にしっかりと座りなおした彼は、突然はっとした顔になり、そして一気に青ざめました。
「あ、あれ?上手く思い出せない・・・」
「え?」
 ジェリダムもきょとんとします。

237 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:58:04.32 ID:IqakuALy
「・・・・・・わからない、けれど一部の記憶がすっぽりと抜け落ちたようになくなっていて・・・
それも・・・多分ついさっき」
「さっき・・・バランスを崩した時?」
「ああ・・・それまでは・・・多分、覚えてたと思う」
 額に手を当ててルークは目を泳がせます。
「ばかな・・・なんでだ・・・なんで思い出せないんだ・・・ヴァナの妹のジョブも!種族も!名前も!!」
 額に当てた手でくしゃりと髪の毛をわしづかみにする彼の顔は明らかに焦っていました。
「おちついて、おちついてルーク・・・」
「でもよ!!・・・でもよぉ・・・何も・・・何も出てこないなんて・・・」
 ギリギリとアゴにこれでもかと力を入れつつも今にも泣き出しそうな瞳をしている彼にかける言葉がなかなかみつかりません・・・。
「ルーク、落ち着け。忘れても多分大丈夫だ。こういうときは前向きに考えんだよ」
 ジェリダムが立ち上がり、ルークの後ろに立つと彼の背中から手を回しました。
「前向きって・・・そんな風に考えられる事態じゃないだろ・・・タイタンの言葉を覚えているか?」
 苛立たしげにもう一度髪の毛を掴むルーク。・・・『10日しか時間がない』何故かは分からないけれど、ルークに言われた言葉です。
「少し分かった気がするんだ・・・10日・・・きっとあと10日で俺の記憶が全部消されるんだと思う」
 よく見ると、彼の体が小刻みに震えていました。記憶を消される・・・それは今までの自分の人生を全て失う事です。
自分の人生を失う事は・・・きっと死ぬ事と同じだと私は思うんです。
「落ち着け。余計な事は考えるな。タイタンが見せた映像・・・あれはヒントだ」
 ジェリダムがなみなみとルークのワイングラスにワインを注ぎ、震える肩を力強くポンポンと叩きました。

238 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:58:15.54 ID:IqakuALy
「ヒント?」
「ああ、お前はあの映像を見て妹に呼ばれたことに気づいた。これは俺の推測だけどよ、
他の召喚獣に会えばもっとヒントになる映像をもらえるんじゃないか?息吹と一緒によ」
 なるほど、確かにそうかもしれません。
「で、召喚獣ツアーなんてその気になれば半日かけずに出来る。10日?余裕じゃねーか。妹を助けるのに9日と半日もあまるぜ?」
「・・・ジェリダム、ほんっとにお前はいつも俺を支えてくれるな。ヴァナでも、俺の世界でも」
 なんだかとても温かみがあるやわらかな苦笑いでジェリダムが注いだワインをルークがあおりました。
彼の体は、もう震えていません。
「当然。マブダチだからな」
 ニヤリとするジェリダム。・・・うぅ、いいところを全部持っていかれた感じです。
私が包容力と母性本能でルークを優しく慰めて・・・なんて出来ればよかったんですけど・・・。
ルークが生き生きとしているから、それで私は十分ですけど・・・。
 ルークが、グラスを机に置き、まっすぐな瞳で後ろのジェリダム、そして私を見つめました。
「二人とも・・・10日間、協力してくれるか?」

239 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:58:28.20 ID:IqakuALy
 真剣すぎるルークを見て私とジェリダムは一瞬ぱちくりと顔を見合わました。そして思わず笑い出しました。
「とーぜん、みずくせーな。そんなかしこまんなって」
「あたりまえでしょう?そんな顔しなくてもいいって」
 そんな私達の反応に目をぱちくりとさせているルークにパチンとウインクをしてみせました。
「私だけは何があってもルークの味方だよ?」
「オレもな」
「二人とも・・・本当にありがとう・・・」
 深々と頭を下げるルークにジェリダムがヘッドロックをかけました。
「へ?」
「だーかーら・・・」
 そして拳で頭頂部をグリグリと押し付け始めます。
「みずくさいっつってんだろ兄弟」
「痛い、マジで痛いってやめろ、痛いっつうの!!」

240 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 18:58:55.98 ID:IqakuALy
 そんな二人のなつかしいやり取りを見ていると、ルークがいるだけで本当に私の周りの世界はこんなに明るい物になるんだって
少し嬉しくなりました。昔のように勇敢でなくても、戦い方を忘れていても、私の事をかばってくれなくてもルークはルーク。
ただ、側にいてくれるだけで私は幸せになれるんです。
 だから手放したくない。側にいるだけでもいいから、ずっと一緒にいたい・・・。
 でも・・・わかってもいるんです。この世界が、ヴァナ・ディールがルークの世界を反映しているなら、
ルークの世界の理想を反映しているなら、私は絶対にルークと結ばれないって。
 だってそうでしょう?会った事も無い人同士が結ばれるなんて事はありえないじゃないですか?
赤の他人同士、結ばれるわけ無いじゃないですか・・・。
 だから、決めたんです。頑張って、つらいのを我慢して我慢して我慢して私に出来る唯一の事、
ルークがこの世界にいる間だけでも精一杯ルークの力になって、絶対に最後にはルークを笑顔で送り出すんだ!って。
 昔、ルークが冒険者を突然やめてしまった時みたいに、今回は何も言わずに消えるような事は絶対にさせてやらないんだ!って。
「それじゃ、明日はイフリートからたっぷりと召喚獣退治にいくからな!ねぼーすんじゃねーぞ!」
「おやすみ、ナココ」
「うん。二人ともおやすみなさい」
 あの後、一緒にたっぷり飲んでたっぷり食べた二人にほろ酔い気分で手を振る私。振り返す二人。
今みたいに笑顔で別れたい・・・そんな自己満足な想い。だけど、きっとこれが私に残されている一番の幸せなんだと思うんです。

241 :ナココとルーク ◆KmFPUe6PWI :2007/07/21(土) 19:00:10.78 ID:IqakuALy
以上です!ちょっと詰め込みすぎたなぁと反省を・・・
なんだかそろそろ矛盾とか出てきそうで怖いですw

それでは、皆さんの投下を楽しみにしています

242 :既にその名前は使われています:2007/07/21(土) 23:05:40.29 ID:KnALKYWb
保守るよ!

243 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 00:54:28.81 ID:dyV47XQI
誰も気付かなければ矛盾もok

244 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 03:10:02.81 ID:ehhIXRn7
>>233 最後・・・
……電子音が聞こえる。単調に繰り返される音。親しみなどあるはずないのに懐かしい音。
目を開ける。あまりの眩しさでくらみ再び目を閉じる。長い間光を見ていなかったようだ。ゆっくりと目を開ける。
白い天上。ヴァナディールにはない天上。首だけ動かす。周りは布で囲まれていて頭の横には変な機械が。
体を起こそうとしたがどうにも力が入らない。仕方ないので寝たままの状態で天上を見続ける。
そうか。帰ってこれたのか。この世界に。
がらっと音が室内に響く。足音は前を通り過ぎ窓をがらりと開ける。誰だろうか。いや、でもわかる気がする。
風が吹きカーテンが揺れる。窓際には黒い髪をツインテールにした女の子が立っていた。子どもっぽい髪型だ。
彼女は視線を窓の外から俺に移す。憂鬱そうな顔が一気にダイヤモンドのように輝く!
「―――!」
俺の名前を呼んで彼女が俺に寄って来る。違う、それは突進と形容すべきものだった。
強張った体になかなかの痛い衝撃が走る。彼女は俺に抱きついて泣いている。俺はどうにか腕を動かして彼女
頭をゆっくりと丁寧に撫でた。俺の頭にデジャビュが走る。なんだ、この感じ。
ふと、目線を窓際に戻す。
そこにあの人はいた。まるで何事もなかったかのように平然と。いるはずがないのに。
彼女は気付いていない。当たり前だ。相手は真後ろにいる上浮いている。わかるはずがない。
その人はゆっくりと俺に近づいてくる。背中にかけた大鎌を両手に持って。
「やっぱりだめなのか……?」
「……決まっているのよ」
電子音が長く尾を引いて白い病室に鳴り響いた。

245 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 08:58:03.23 ID:hLgePoSa
保守

246 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 12:03:07.03 ID:dyV47XQI
保守

247 :既にその名前は使われています :2007/07/22(日) 12:59:06.29 ID:UoyNGLLd
昼休みage

248 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 15:12:28.62 ID:jQ2pL/fq
ほしゅ

249 :21・air:2007/07/22(日) 16:44:25.45 ID:Wydq25lS
■トゥー・リア ラ・ロフの劇場

そこで目が覚めた。
私は巨石造りの広間、そう、一度死んだ場所にいた。
ラ・ロフの劇場、闘争が永遠に繰り返されるここは、エンヴィのためのステージ。
手に残るぬくもりを確かめるように1度、2度、手を握る。
今は二人分の、チヨコとアリアの記憶がはっきりとわかる。

「ち……、やられた」
「くっ、体が動かん……。これがクリスタルに接触した者の力か」
声のした方を見れば、3人組。
ボインのドロンジョ、やせのボヤッキー、マッチョなトンズラー。
そんななわきゃないが、まぁ似たような便乗トリオ。
ジュリアナ、ちが、ライオンさん、アルドさん、ザイドさんが、薄紫のバリヤーに包まれて膝をついている。

そして、劇場の貴賓席に眼帯をつけた金髪のお子様。おうような笑みを浮かべ、豪奢な椅子にふんぞり返っている。
「はじめましてアリアくん。僕はエルドナーシュ。君が何故ここへ呼ばれたか、わかるかな?」

250 :21・air:2007/07/22(日) 16:45:11.98 ID:Wydq25lS
「なぁぜ?」
アリアは形の良い眉をひそめた。
「ご機嫌斜めだね、なら単刀直入にいこう。
アリア、キミはヴァナ・ディールの外からここへ来ていないかい?
今、君はAAMR[エーエーエムアール]と融合しているんだ。それと分離するのを協力してくれないかな?
そしたら君の命は、別の体を用意するなりして保証しようじゃないか」
「みっつ聞いても良いかしら」
「なんだい」
アリアは白いひとさし指を天井にむけた。
「ひとつめ、この世界はなに?」
「ここは地球とは違うもう一つの現実。
僕たち管理者[GM]は、この世界を無意識共有による多層現実の構成と呼んでいる。
地球の神などと違ってヴァナ・ディールの世界は具体的に共有された。
そこで人間の無意識下に共有されたここが、第2の新たな現実として存在するようになったというわけだ。
君は地球の現実から、無意識共有の中へ迷い込んできたんだよ。」
「ふたつめ、あなたはなんなの」
親指を立てる。
「ゲームの中にもGMが居ただろう。僕は不正や、規格外要素を排除し、この世界を管理する神だよ。」
「さいご。アークエンジェルミスラと離れなければいけない理由は?」
手をパッと開き、ひらひらとふってみせる。

251 :21・air:2007/07/22(日) 16:45:49.14 ID:Wydq25lS
「存在そのものが不正なんだよ。一般的なキャラクターでなければ処分、削除しなければならない。無意識共有であるこの世界そのものが崩壊する可能性もある」
「離れればどうなるの?」
アリアは方眉をつりあげてみせた。
指を組みながらエルドナーシュは、アリアにほほえんでみせる。
「世界が正常に戻るだけさ。AAMRは、扉を守る者、嫉妬のかけら、鍵。
勝手に出歩かれてはこの世界の規律が保たれなくなる。
手荒なことはしたくない。協力してくれないかな?」
子供に言い聞かせるように優しい声だった。
アリアは落ちつかなげに辺りを見回してから答えた。
「…私は、助けてくれるの?」
祈るように手をにぎり、少し濡れた瞳で上目遣いにエルドナーシュをじっと見つめる。
「もちろんだよ」
エルドナーシュは免罪を与える天使のように腕を開いた。

「でも、断る!」
アリアのどなり声が劇場に何度も反響する。
エルドナーシュがぽかんと口を開けている。
鳩が豆鉄砲を食らったような、という言葉はこういうときに使うのだろう。
「な、な…」
アリアは腰に手を当て、胸をはった。

252 :21・air:2007/07/22(日) 16:46:14.41 ID:Wydq25lS
「彼女はあたしのともだち。それを苦しみだけの宿命に戻せと言われましても」
エルドナーシュはアームレストを軽く指で叩き始める。
「ちっぽけで、とるにたらない、くだらない意地で命を捨てるなんて救いようがないね。」
「くだらない意地、ね。ともだちを守ることのなにがくだらないっていうの。
世界の意義は『絆』でしょ?アイビィとあたしの絆が、縛り付けていた唄から解き放ったのよ」
「君という別次元からの異分子がなければ、唄がとけることはなかった。
そういった世界のひずみ、ほころび、それらを放置すれば、いつかクリスタルのように砕け散ってしまうんだよ。ボクは世界を守らなくてはいけないんだ」
「心を持ったアークエンジェルを造り出して。唄で縛り付けて、与えるのは争いと孤独だけ?
絆のための仮想敵がいなければ、国家、民族、種族のくだらない争いが始まる世界。
それは絆じゃなくてただお互いを利用してるだけじゃないのかしら」
「そんな思いこみで、世界をどんどんダメにしてくんだ。君たち来訪者は。
世界そのものが崩れたら、たくさんの絆が失われてしまう。
ヒトはね、なにかを犠牲にして生きてるんだよ」

253 :21・air:2007/07/22(日) 16:46:33.15 ID:Wydq25lS
「犠牲という業[ごう]を背負うことは、諦めることじゃないわ。
それに、誰かを犠牲にしたくない気持ちを、ちっぽけで、とるにたらない、くだらないことだと言った。
あなたは自分が楽をするために他人を踏み台にしてるだけ。」
「だまれ」
「多くの絆を守るためといいながら。無関心ゆえ犠牲にすることを正当化し。力をちらつかせて、命を盾に脅す驕慢さ。怯懦を律せず目の前の現実と利益に流され」
「だまれ、だまれっ!ゴチャゴチャと屁理屈ばかり並べてっ!もう話しても無駄のようだし、協力しないというなら……、ここで終わっちゃえ!」
「神様なら、怒りより寛容を持ち合わせなさいよ」

254 :21・air:2007/07/22(日) 16:47:07.96 ID:Wydq25lS
■*ねんじろ!*

エルドナーシュの声が朗々と闘技場にこだまする。

  おまえたちは、
  この地にはびこる災いであり、悪夢であり、
  世界をおおう恐怖、悲しみ、
  絶望そのものである。

唄が響くにつれ、劇場の4隅に冷たく青白い光が浮かびあがる。

  だが、希望がないわけではない……。
  どんな嵐の夜をもつらぬき、
  輝くひとつの星がある。
  どんな獣の叫びにも消されず、
  流れるひとつの唄がある。

255 :21・air:2007/07/22(日) 16:47:25.86 ID:Wydq25lS
長大な刀を持ったガルカ、レイジ(rage)、その名は憎悪。
大型盾と剣を持ったエルヴァーン女性、アロジェン(arrogance)、その名は驕慢。

  災いは祓われねばならない。
  闇は払われねばならない。
  それがどれほどつらく、
  哀しいことであろうと……

2刀のヒューム男性、アパーシ(apathy)、その名は無関心。
鎌を持ち宙に浮いたタルタル、カウアデイス(cowardice)その名は怯懦。

  そうだ。
  知恵と勇気と信念をたずさえた、
  誇りたかき者……
  さあ、深き眠りよりさめ、いまこそ立て、
  伝説の勇者たち、
  クリスタルの戦士よ……

256 :21・air:2007/07/22(日) 16:55:58.47 ID:Wydq25lS
漆黒の鎧を頂点にもった正方形[スクエア]が、少しずつ包囲を狭めていく。

「アイヴィ、一緒に戦ってね」
アリアは胸に手を当て、大きく息を吸い込む。
それからアリーナに残る忌まわしい歌声をかき消すように、バッハルゲルにのせてウタウ。

--
http://ja.wikipedia.org/wiki/G線上のアリア
ファイル
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1e/Air_%28Bach%29.ogg
ブラウザで再生
http://tools.wikimedia.de/~gmaxwell/jorbis/JOrbisPlayer.php?path=Air+%28Bach%29.ogg&wiki=ja
--

  Sona Areru Ec Paldeel,Sona Mi Areru Ec sancitu
  (汝等[なれら]破滅の使徒なりや?汝等聖なる御使[みつかい]なりや?

257 :21・air:2007/07/22(日) 17:00:12.69 ID:Wydq25lS
それをさえぎるように、サラマンダーの舌なめずりのような、橙色に輝く渦がアリアの周囲にまきあがる。
カウアデイスの唱えたファイアIV。
アリアはそれに、一呑みに飲み込まれた。
  Animus um Tenebris,Animus Um Femos,Unitas et Raos
  (内なる闇、内なる光、統[す]べてこそ人)
しかし、炎にもさえぎられず、歌声は続き、サラマンダーのあぎとは内側から二つに裂かれた。
そして消えた炎の中に立つアリアは、純白の鎧に包まれていた。
手には、白く輝く斧。

「すでに、完全に君たちは融合しているってことか」
エルドナーシュは憎々しげに吐き捨て、「ふん」と鼻を鳴らす。
「一度処分してから、再構築するしかないね、…殺せ」


-- お話ここまで --
すいませんラストバトルの曲これでお願いします。
あともう少し、やっぱり、頑張ります。

投稿してから気づいたのですが、直リンクにすべきじゃなかったしまった!

258 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 17:21:40.89 ID:ehhIXRn7
保守るよ!

259 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 17:27:46.86 ID:xzJPEKyY
ソードマスターヤマトオチに行ったらどうしようかとハラハラしてた。
壊れちゃ困るものは、もっと別なもんじゃない? そう勘ぐりたくもなりますが…
ともかく、最後まで頑張ってくださいー

260 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:43:19.33 ID:qsGWuYkR
初出: 1スレ161
PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (片手剣、ガンビスンとガリシュズボン)
特記事項:
 ジョブチェンジ不能。クリスタル合成不能。睡眠が無い。
 「マガシキノロイ」をその身に受けている 。
 はじめは記憶喪失だったが、記憶復活。“赤い鎧”たち管理者組織の裏切り者と判明。
前スレ(19〜20改スレ)のあらすじ:
 バストゥークへ入国したリードたちは、“コウモリのねぐら”亭に偽名で宿をとる。
 リードは思わぬ人物と再会し、バストゥークで進行中の大事変を知る。
 メイミィのリアル記憶が消えていく現象を、テンペランス暗殺で防ぎ、そして夜が明ける。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(ホラ・砂丘・機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール
       →ラテーヌ→ジュノ上層→バタリア→コンシュタット→グスタベルグ→バストゥーク
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン、レップ、ロック、
            メイミィ、クルス、ユリフィナ、タイガー(正体はルーファス)、アオツキ
独自レギュレーション:
 人間は死んだらそれまで。死んだ者は甦らない。一応、瀕死はレイズで息を吹き返す。
 戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。サーチ機能なし。
 基本はSayとShout。LS会話は通話のみ。視界内にいる者同士でtellができる人間もいる。

261 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:44:14.95 ID:qsGWuYkR
まとめ参照先

ttp://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/Lead%5f161%20%a2%a1zmxSLEadCU%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1

262 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:44:40.36 ID:qsGWuYkR
「旧い、友人を迎えに」
ラバオまで一緒に行きたい、と部屋に入るなりグンバは言った。
「アイアンイーターには置手紙をしてきた」
その瞳には、強い決意の色が見える。
互いに歯の浮くような交渉術など持ち合わせていなかったし、そうするつもりもなかった。
必要なものは、ただ一つだけ。
危険と後悔を鑑みてもなお揺るぎない、強い意志。
「わかった」
俺は剣帯を身につけ、長めの旅装マントを羽織る。
「え、ちょっ、いいんですか!?」
メイミィが目を丸くした。
ウィンダスの民である彼女も、グンバが重要人物なのは聞き及んでいるようだ。
ならば、彼女が驚くのも至極当然のこと。
「あぁ」
俺は頷いて、背負い袋の重みを肩で確かめた。
頼みを断ったところで、どの道グンバは独りであろうと、アルテパに向かうだろう。
「30秒フラットで出る準備だ」
ラピュタ?
違う。
デニーロだ。

263 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:45:06.97 ID:qsGWuYkR
準備は整った。
メイミィがグンバに姿隠しと音消しの魔法をかけ、そ知らぬ顔で俺たちは宿を引き払った。
宿代の支払いは、昨夜のうちに済ませてある。
「またバストゥークに来るときは、ウチに寄っておくれよ」
女将はニッカリと笑い、アルタナ様のご加護がありますように、と付け足した。
勿論、人様の信仰をどうこう言うつもりはないが、俺が訝しむのが表情に出たのだろう。
「社交辞令さ。余計だったかい?」
「・・・いや、ありがとう。アルタナの加護を」
互いに虚ろなセリフを並べるだけの不毛な会話。
アルタナもプロマシアも、結局ただの被造物にすぎないのだから。
「あぁ、そうだ」
幾ばくかのチップを添えつつ、ありふれた携帯食料と水を買い求めた。
それを三等分して、カバンにしまう。
服装は、昨夜とあまり変わりがない。
俺はガンビスンに長剣を佩き、メイミィは甲賀装束に小太刀を二振り。
グンバは姿が見えないが、三人とも、フード付きで長めのマントを羽織っている。
砂塵除けの覆面はコロロカを抜けてからでいいだろうと、布きれは荷物の中だ。
巻き方は、先日マウラの宿で習い覚えているので不自由はない。
マウラでの事も、その後のゴブトレインも、はや何年も前の出来事のように感じられて軽い目眩がする。
グンバにせかされ、我に帰り、俺は“コウモリのねぐら”亭のドアを開けて鉱山区へと踏み出した。

264 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:48:22.52 ID:qsGWuYkR
鉱山区で働く者たちの朝は早い。
荷物を手にあるいは背負った、忙しそうなガルカたちの往来がひっきりなしだ。
グンバは魔法で姿を透明にしているため、知らずに彼の小さな体が跳ね飛ばされたりしないかと一瞬ヒヤッとした。
が、それは杞憂だったらしい。
ちょこちょこと、俺のすぐ後ろを機敏についてきている気配がする。
これなら心配はいらないな、と思ったとたん。
「あ・・・っ!!」
メイミィが足を止め、立ちすくんだ。
空を、見ていた。両手をどうしたらいいのかわからず、胸の前に合わせて。ただ、空を。
何事かと、俺は彼女が凝視する方角を見上げ、口をつぐんだ。
クソッタレ。もう、ここまで近づいてきているのか。
俺は、心の中で毒づいた。

バストゥークの、ややかすんで晴れた空の彼方。
まるで蜃気楼のように、巨大な蒼い球体がゆらりと浮かんでいるのが見えた。
あまりにも見慣れた大陸と海のカタチ。
その表層を流れる、複雑な雲の群れまで観察できる。
他の何物とも、見間違えるはずがない。そう、あれは。

―――地球。

265 :Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/07/22(日) 18:48:46.91 ID:qsGWuYkR
今日の投下は以上でございます。


266 :21・air:2007/07/22(日) 20:02:17.30 ID:Wydq25lS
>>259
エルドナーシュ、いくぞ、うおおお!
−アリアの勇気が自由を掴むと信じて!ご愛読ありがとうございました!
ってちょっとやりたくなった。やらないけど!!

-- 本編ここから --

それを合図に正面からレイジが、走り込み大刀を振り下ろす。
アリアは踏み込んでそれをかわしながら、顔に爪をはしらせた。
4本の線が、横向きにレイジの顔に走る。
巨体はそれを意にも介さず、返す刀で斬りあげる。
足先で刃に乗り、アリアの体がふわりと浮かび上がる。
そして大きな顔をぴしゃりと、なでつけるようにはたいた。
爪痕がぱくりと開き、血しぶきが盛大に巻き上がる。
「哈[は]っ」
かかとが、レイジのこめかみに吸い込まれる。
意識と視界を奪われ、顔面を押さえながら巨体がゆっくりと沈む。

267 :21・air:2007/07/22(日) 20:02:44.22 ID:Wydq25lS
着地したアリアの背後に、カウアデイスが空間を切って現れ、死神の鎌が首筋に迫る。
「後ろ!」
ライオンが声を上げる。
視線を走らせ、鎌の柄をつかんだ。
止まった刃は、ほんのわずかで首筋に食い込むほどに近い。
ニタリと笑みを浮かべて、タルタルがぐいと力を込めた。
それと同じ方向へ、しっかりと鎌をつかんだまま二回転半[ダブルアクセル]ジャンプを決め、鎌を小さな手からもぎ取る。
奪った勢いそのままに、くるりと回って、宙に浮かんだ姿に鎌を投げつけた。
カウアデイスの姿は空中にかき消え、鎌は遠くまで飛んでサーメット製の壁に深く突き刺さる。

カウアデイスを追撃する間も与えず、アロジェンが左から剣で突きかかり、右からはアパーシが2刀を構え迫る。
アリアはアロジェンに正対し、胸鎧にぶち当たった漆黒の剣が甲高い音を立てた。
アリアの片手が剣をつかみ、体の横へと引き込む。
ミスラの数倍もあるエルヴァーンが、剣にかけていた体重を利用され、たたらを踏む。
その白い腕をアリアの手がするりとつかみ、体を後ろに倒し、きれーに巴投げた。
背後すぐまで迫っていた、アパーシにまともにぶち当たる。

268 :21・air:2007/07/22(日) 20:03:07.22 ID:Wydq25lS
背中を地面にあずけた猫の耳が、小さな声をとらえた。
転がって、体を丸くしてアリアが伏せる。
20mほど向こうに詠唱するカウアデイスの姿。
「天空を満たす光、一条に集いて
 神の裁きとなれ! サンダーIV!!」
電光は猫の尻尾先だけを焼き焦がした。
20mを一跳躍でうめて、体ごとぶつかる。
勢いはとまらず、もつれあってタルタルが壁に打ち付けられる。
超硬サーメットにヒビが走る。

エルドナーシュの感心したような声が上からふってくる。
「すごいなぁ、アークエンジェル四人が、まるでかけだし扱いだ。」
壁を背にしたアリアを囲んで、起きあがったアパーシとアロジェンが、逃げ道をふさぐように立ちはだかる。
「バラバラになると復帰が面倒なんだけど、手加減はやめて本気を出してもらおう」
エルドナーシュが指をパチンと鳴らした。

269 :21・air:2007/07/22(日) 20:03:32.29 ID:Wydq25lS
それを合図に、HMの周りに黄色い光の渦が表れる。
気の流れを極限まで高め、相手が受けたすべての攻撃を致命傷に至らせる。
マイティストライク。
腹に突き出された刀をさけようと身をひねる途中で、よけるのをやめた。
脇腹に抵抗もなく、刀が深く吸い込まれた。

先ほどまでのようによけていれば、刀は壁を突き刺していただろう。
アリアの背中、壁のさけめに人形のようにタルタルがひっかかっている。
刀を腹から引き抜いて、次々にアパーシが打ちかかる。

これまでと質の違う、恐ろしいほどに重い斬撃。
斧で受け流せば、火花を散らし、みしりみしりと音を立てる。
鎧の表面をすべらせれば、カンナをかけたように、破片が舞う。
力を込めるたび下腹、太もも、膝、ふくらはぎ、足先と朱に染まっていく。
その状態で数十回の打ち込みを、切り傷程度でさばいたのは奇跡的と言える。
そしてゆっくりと、アパーシェを包んでいた黄色い光が消えていく。
それで一息ついたわけでも、油断していたわけでもなかった。
受け流す以外に、周囲に注意が払えなかっただけ。

270 :21・air:2007/07/22(日) 20:04:11.85 ID:Wydq25lS
アロジェンの剣が鈍色(にびいろ)の光を帯びて突き出されていた。
1瞬間、死を覚悟した。
けれど剣は体を貫かず寸前で止まり、そのかわりに光が体にヘビのようにまとわりつく。
スピリッツウィズイン。うちから引き裂かれるような感覚と共に、ほんの少し意識が飛んだ。
遠くにレイジが、意識を取り戻して立ち上がるのが見える。

−殺したくない、殺されたくない、いったいどうすりゃいいんだ。
 いや、彼らを動かしてるのは?
そこまで思い至れば、やるべきことは4人と戦うことじゃない。

尻尾をピリリと立て、脳天からつま先まで電気がはしる。
繰り出される剣と刀が水中のようにゆっくりに変わる。
ほんのわずかな時間だけ、だれの腕にも捉えられない、絶対回避。
体をかがめて、アロジェンの股下をくぐりぬける。
そのまま劇場の壁を貴賓席へとかけのぼり、目指すは、エルドナーシュ。

彼は椅子から身を起こす間もなかった。
ただ目を見張るエルドナーシュに、刃のない斧の背を打ち付ける。

271 :21・air:2007/07/22(日) 20:09:05.75 ID:Wydq25lS
なんの前触れもなく、斧ががっちりと空中に止まり、青紫のバリアがうねる渦巻きになってアリアを包み込む。
バシリと高い音をあげて、斧が砕け散った。
「ハハッ、バーストスパイクと、ストンスキンだよ」
手も大岩に挟まったように、戻すことも、進めることも出来ない。
全く雷鳴そのものの轟音がひびき、全身からきな臭い煙を上げて、アリアは壇上から地面にまで跳ね戻された。
「全く色々と、よく頑張るね。でもね、それは無駄な努力さ。この世界の真理であるボクに逆らうことは出来ないんだよ」
ゆっくりと壇上からエルドナーシュが、円形のアリーナへと降りてくる。
しびれが体に残って、仰向けに倒れたまま体を起こすことも出来ない。
「さぁ、AAMRを押さえておこうか」
アパーシとアロジェンが武器を納め、足と腕を押さえこまれた。
ほんの少しだけ体をよじっても、抵抗ともいえない。

- お話ここまで -

もうしばらくおつきあいください。
うまくいけば、このスレで完結するかなー?

272 :既にその名前は使われています:2007/07/22(日) 22:50:53.80 ID:tVVnPrDv
家につくまでおちちゃらめっ

273 :既にその名前は使われています :2007/07/23(月) 00:57:14.36 ID:w7MsTFtL
おやすみほしゅー

274 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 03:53:21.64 ID:sMtrsMYy
今はただ保守るのみ

275 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 10:26:05.98 ID:frnydI0s
なんというエスカフローネ…リードさんが無事でよかた

276 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 13:46:55.81 ID:iNAOF4Wu
捕手

277 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 16:36:23.16 ID:1Sq02NF8
ほう、経験が生きたな

278 :21・air:2007/07/23(月) 17:42:36.62 ID:zahVIydB
突如としてザイドの影から、小さな人影が躍り出した。
とがった頭、小さな手足。
鋭い声を上げて、押さえつけるエルヴァーンの背中に頭突きで飛び込んでいく。

「ぐわん」
と鐘を打つような音がした。
背中にかついだ盾に激突し、ごろごろごろと白い頭がザイドの足元まで転がった。
マンドラゴラが、バタリと倒れ、場に、妙にしらけた空気が流れた。
(はらほろひれはれ〜)
「ペットは随分と可愛らしいじゃないか、どうやら普通じゃあないみたいだけどねぇ」
横までやってきたエルドナーシュがクックッと喉の奥で笑ってみせた。
「きみをこのまま殺してしまわないのは、十分寛容だと思わないかい?AAMRと分離してくれるかな」
「いやです」
即答だった。
「だろうねぇ」
エルドナーシュがわざとらしく、首を2、3度振り、アロジェンの腰から剣を抜く。
それを下に向けて両手で持ち、アリアの左腿をつらぬく。
押さえられたままビクリと体を震わせただけで、悲鳴はあげなかった。
「ボクはね、拷問は好きじゃないんだ。まるで弱いものいじめをしてるみたいだろう?」

279 :21・air:2007/07/23(月) 17:42:52.74 ID:zahVIydB
声は、笑いを含んでいる。
「もう一度聞くよ。どうかな」
「い、や、で」
最期まで聞かずにエルドナーシュが剣をもった手をぐいとひねる。
今度は血しぶきと悲鳴の両方があがった。
押さえ込んでいる漆黒の2人にも、紅い斑点がいろどられる。
「ほむ、痛覚はあるんだね。なら、これ以上苦しむ前に、諦めた方が良いと思うよ?」
「痛い、痛い、お願い、やめて…やめて」
涙と鼻水をぽろぽろこぼしながらアリアは懇願する。
「解放するかい?」
「いやだ!」
大きく、はっきりと言い切った。
「やれやれ、ボクはキミに生きるチャンスをあげたよ?」
口角をつり上げ、片目を細くしてエルドナーシュがにたりと笑う。
「このまま殺してしまうのもつまらないね。…そうだ。華やかに大魔法をプレゼントしてあげよう。
避けられたら困るからね、きみたち押さえておいてくれるかな」
しびれは抜けてきたが、2人がかりで押さえられてビクともしない。
小柄なアパーシでさえ自分より上背がある。

280 :21・air:2007/07/23(月) 17:43:25.23 ID:zahVIydB
芝居がかった大げさな動きでエルドナーシュがゆっくりと詠唱をはじめる。魔力が収束していくのが見える。
「蒼空にたゆたいし星々よ我命ず。流星となりて、這い出る愚者を灰燼に帰せ!メテオストーム! 」
空がゆがみ、青白く燃えさかる光の雨が降りそそぐ。
衝撃で、劇場が嵐の中の小舟のように揺れた。
少し離れた場所にとらわれた3人と1匹も、爆風になぎ倒されて壁まで吹き飛んだ。

もうもうとした煙があさまり、そこには2つの黒くすすけた人影。
アロジェンとアパーシ。
爆発に巻き込まれたのか、倒れて動かなかった。
その二人の間から、アリアがゆっくり這いだしてくる。
倒れている二人に手を当て、息があることを確認してほぅと息を漏らす。
「まだ死んでないなんて、さすがに驚きだよ?アークエンジェルの肉体を乗っ取っただけあるね」
心底感心した表情をエルドナーシュは見せた。
アリアはキッと向き直り、吐き出すように、言った。
「…ちがう。二人は、私を押さえていたけど。
私の上に覆い被さるように近づいて、私を守ってくれたのよ!」
「この世界での異分子、君の身体の一部である血液の影響だね。
誰も彼もがそうやってね、勝手なことを初めてしまっては、ゲームは成り立たないんだ。君の冒険もここで、ゲーム・オーバーだ。
いろいろと、楽しませてもらったよ」

281 :21・air:2007/07/23(月) 17:44:53.72 ID:zahVIydB
「生き死にがゲームだなんて」
「ここはそういう世界さ」
その言葉を聞いて、アリアは少し体を震わせた。
両手と、片足で山猫のように身を伏せた。
「クズね。殺すことを楽しむなら、殺される覚悟、あるんでしょうね」
「殺す?その体で?」
エルドナーシュは、あざけるように呼びかけた。
アリアはうっすらと、ほほえんだ。
オニオンソードを、牙でかちりとはさむ。
瞳が、鬼火のような光をたたえて燃えている。
エルドーナーシュは半歩さがりながら声を荒げる。
「AAGK、TR!こいつを、こいつを殺せっ!」
両手と片足で、駆ける。
目の前に青白い揺らめきをまとったレイジが立ちはだかる。

282 :21・air:2007/07/23(月) 17:45:49.50 ID:zahVIydB
「雪風」
低い声と共に、刀の周りに白い剣気が霧のように立ち登る。
それは、巨大な雪の結晶にも似て。
鋭い突き。肩鎧が甲高い音を立てて飛ぶ。
冷気が体に染みいって、体の動きが鈍る。
レイジは剣をひねり弧を描くように斬りあげる。
「月光」
アリアは咄嗟に地面を両手で叩き、反動で体を跳ね上げた。
動かない左脚が宙を舞った。描かれた刀の軌跡が黄色い三日月をえがく。
「花車」
掲げた刀から桃色の剣気がわき出て、アリアの体をつつみこむ。
刀が振り払われ、片耳が斬りとばされた。
包み込んだ桃色の蕾が、ハスが咲くように開く。
剣気のぶつかり合いが、さらに異形の破壊空間を生みだそうとしている。
雪の華、三日月、ハスが渾然とまじり合い、光の奔流となってはじけた。
白い光の帯がいく条にも、アリアの体を貫く。
肌も鎧も真っ赤に染まったが、勢いを止めることはない。
アリアが地面に爪をくいこませ、レイジの横を走り抜けようとしたとき、カウアデイスの詠唱が完璧なタイミングで完成した。

283 :21・air:2007/07/23(月) 17:47:48.01 ID:zahVIydB
「行方知らぬ風たちよ、我が声に集え 天空への門を開かん!トルネド!」
アリアの体が、風に舞う新聞紙のようにふわりと宙に舞い上がった。
暴風の渦の中で翻弄されるアリアに、無数のかまいたちが襲いかかる!
指のいくつかと、もう片耳、片目、数え切れない痛み。
それでもまだ片目が、エルドナーシュをとらえた!
「アイビィイイイイイ!最後の力をォオオオオッ!!」
叫び!無心の叫びッ!その叫びがアイビィに通じたのかッ!!
長年すごしたBCの構造を、肉体が無意識のうちに利用していたのか!!
蹴った!柱をッ!!落下していく先にはエルドナーシュッ!
「フンッ!突っ込んで来るのは織り込み済みだッ!その武器でフレアスパイクは破れないッ!焼き尽くしてやる!」
右手に持ち替え、突き出したオニオンソードは、剣先から飴細工のように溶けていく!
炎にふれた指先から、腕から、炎が上がった。
そのまま体当たりになり、エルドナーシュともつれて転がった。
1瞬の間があって、黒く焼けこげたアリアがはじかれ、アリーナの壁に打ち付けられた。突きささったシックルに丁度腕を支えられ、さながら張り付けの昆虫。

-- ここまで --
書き終わって居るんです。
けど時間またないと、たぶん途中で規制に!

284 :21・air:2007/07/23(月) 19:03:39.01 ID:zahVIydB
服をパタパタとはたきながら、エルドナーシュが立ち上がった。
半ば崩れた闘技場、AAMR、AAHM、AAEVの順に視線を走らせた。
「やれやれ、ほかのAAを修復するのも一手間かかりそ、…ん?」
エルドナーシュの視線が、自分の腹を見つめて止まった。
包丁の柄が深々と突き刺さっている。
「な…な…、なんだ、これは」
エルドナーシュの姿がかき消え、貴賓席の椅子の前にふたたび現れた。
「く、くそ」
エルドナーシュが腹に刺さった包丁を引き抜く。
−私なら、それはやめておく。
引き抜いた傷跡から、血が盛大に噴き出した。
「ちっ、なんだこれは!?空の下なる我が手に、祝福の風の恵みあらん、ケアルVI!」流れる血は、止まらない。

「アリアッ!」
エルドナーシュの呪縛が解け、ライオンがアリアの元へに駆けつけた。
抱きかかえて、何度もアリアの名前を呼んだ
片手でアリアが手をにぎると、ライオンが少し表情をゆるめた。
やけこげて、そのおかげで逆に血が止まって生きている、というのは皮肉だ。

285 :21・air:2007/07/23(月) 19:04:18.80 ID:zahVIydB
アリアは視線をライオンの後ろへ向ける。
効果が現れない回復魔法をかけ続けている、エルドナーシュへ呼びかけた。
「その包丁は、私と一緒にやってきた、あちらの、品物ね」
金髪の少年は怒りに顔をゆがめた。
「こんなものを仕込むなんて、随分手が込んでるじゃないか。
このままではボクも危ないかもしれないな…」
−仕込んだというより、うっかり合成したのを知らなかったのよねぇ…。
「仕方ない、サークルを崩壊させて、ここをロールバックさせる。」
エルドナーシュが手をかざすと、複雑な模様をもった制御装置が床を割ってせり上がった。
「再構築の渦から逃れる方法はない。ここは消滅し、もう一度作られるのさ。
君のがんばりも無駄だったね。AAMRは駒に戻るんだ、アハハハハハハッ」
エルドナーシュが手を走らせると、コンソールから周囲に向けて魔力の奔流があふれ出した。
アリーナ自体が大きく振動を始めた。
ザイドが目を見張る。
「なんという光景だ」
ザイドの足元には、しがみついて隠れているベン。

286 :21・air:2007/07/23(月) 19:04:44.11 ID:zahVIydB
止めようにもエルドナーシュまでは遠い。
「暴走がはじまった……。もう間もなく最期さ。フフフ…」
勝ち誇ったエルドナーシュの声も、遠く聞こえる。
「なんてこった……このまま終わっちまうのかよ」
まてまて、アルドさん、あなた何もしてないです。
「もはやこれまでか……」
兄貴、弱音早すぎ。スタンでも何でもかけてほしい。

ずっと昔見たことを、繰り返しているような目の前の出来事。
デジャブなんかではない。
このあと起きることを、とめるべきか。とめぬべきか。
「くっ……いけない……」
躊躇したことで、意を決して走りだしたライオンの後ろ髪をつかみ損なった。
アルドはライオンの背中に呼びかけた。
「お、おい!なにをする!?」
…声がでない、声が出ない。
 −ふふ。約束よ−
アリアの脳裏に、ライオンとの出会いが、電撃のように走った。
うなり声を上げて壁に刺さったシックルをつかみ、身を起こす。
深く刺さったそれに両手をかけ、引き抜いた勢いでライオンに投げつけた。

287 :21・air:2007/07/23(月) 19:05:20.60 ID:zahVIydB
投げた勢いにひきずられて、アリアは血しぶきをあげながら転倒した。
「うぐっ」
回転しながら飛んでいった鎌の背が思い切り命中し、ライオンがもんどり打って倒れた。「なっ!?」
突然の行動に、アルドとザイドはただ目を丸くして驚く。
アリアが声をふりしぼる。
                  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
たったひとつ、もしかすれば、ありえないことではない。
「ザイド!ベンをあそこになげて!はやく!!」
さすがにザイドは格が違った。
カカッと近くにいたベンをつかみ、投げた。
その先にはもちろん、エルドナーシュ。
「ベン!本気だせえぇぇぇえええ」
最期の咆吼、といってもいいほどに悲壮なアリアの絶叫があたりをとどろかす。
ベンはもちろん、その声に、応えた。
黄色い蕾がもぞりと動き、一気に花を開かせた。
黄色い花びらがハラハラとあたりに舞う。
そしてそのまま根本がふくらみ、ポンとはじけ、白い綿毛が舞う。

288 :21・air:2007/07/23(月) 19:05:47.06 ID:zahVIydB
あまりの場違いでファンシーな光景に、ザイドとアルドが、口をあんぐりと開けた。
アリアを見る目は『なにがしたいんだ』と語っている。
「ふん、これで眠らせようとでも?…なんだ、このノイズは!?」
小馬鹿にした態度だったが、エルドナーシュは一転して表情を硬くする。
コンソールからあふれていた光が、少しずつ収まり、振動も消えていく。
「あちらの品物が入り交じると、システムは正常に動かないって言ったわよね。タンポポの種は、どうなのかしら」
かすれるようなアリアの声が、ふたたび静寂に包まれた空間に驚くほどひびく。
「システムが……タネごときでそんな、そんなバカな!?くそ、再、実行だ、もう…一度……世界を元に……」
そこまでだった。
糸が切れたようにエルドナーシュは倒れた。
その体は、あわい光につつまれ、消えた。

ザイドがアリアを抱き起こす。
どうしようもないほどの血だまりが、じっとりと広がっている。
「おいっ、死ぬな、しっかりしろ!」
「ふふ、兄貴がそんな風にあわてるなんて、意外…」
アリアの声は、ほとんどかすれて聞こえない。
アルドは爪が食い込むほど強く拳をつくって、立ちつくしている。
ちょこちょこと走って帰ってきたベンが、足元をうろうろする。

289 :21・air:2007/07/23(月) 19:06:15.23 ID:zahVIydB
「こうやって、抱きかかえられて死ぬのは、幸せ、かも」
焦点の定まらない片目でうわごとのようにアリアがつぶやく。
二人は声をかけることもできず、ただ目の前で死にゆくアリアを見つめていた。

それをさえぎって、カツ、カツと足音がひびく。
真っ白いエルヴァーン、アロジェンが武器を持たず、歩いてくる。
手にはアリアの片脚と耳をもって。
ザイドはその身でアリアをかばうように動き、アルドが身構える。
「通してください」
静かで、優しい声だった。
ザイドとアルドはなにかを感じ入り、道をあける。

体の部品をアリアの体の横に置き、長身のエルヴァーンが、方手を高くかかげる。
光の環がアリアの周りに現れ、輝きが全身を包み込む。
光が消えたとき、アリアの傷はふさがり、やけども消えていた。
「女神の祝福か。しかし、お前達は敵ではないのか?」
ザイドがつぶやく。
「エルドーナーシュが亡き今、エンヴィが今、完全に死んでしまうことも、クリスタルのバランスを崩すことになります」
「それなら、また連れていこうって腹か」

290 :21・air:2007/07/23(月) 19:06:33.31 ID:zahVIydB
大げさな身振りでアルドが怒りをあらわにする。
「我らは古代人の意志によって造られ、クリスタルを守るための存在。
 使命を捨てたときは、本来アークエンジェルである我々は消失するのです」
「じゃあ、やっぱりあたしはいつか消えてしまう?」
アリアがザイドの腕の中から小さく声をあげた。
「いえ、時間が解決するでしょう」
「時間が?」
「エルドナーシュは時間が経過すれば再構築されるでしょう。
 また、アークエンジェルミスラも現れるでしょう。
 あなたには、わかりますね?この世界とはそうしたものです」
アリアの目を見ながら、アロジェンが言葉を切った。
「また、連れ戻されるんじゃ?」
「あのときのあなたは、自由に行動するアークエンジェルでした。
 今はアークエンジェルでも、ミスラでもない存在に、徐々になりつつあるようです。
 それとして世界に驚異を及ぼさなければ」
「そっか」
アリアは、ほっと息をついた。
「なんだか良くわからねぇが…」
途中から会話に参加できず、キツネにつつまれたような、微妙〜〜な表情のアルド。
無表情のザイドも、内心似たようなものじゃないだろうか。

291 :21・air:2007/07/23(月) 19:07:01.11 ID:zahVIydB
ぐらり。
また、地面が揺れ始めた。
「BCが閉じる。さぁ、行きなさい」
ザイドがアリアをかかえて、外への通路を走る。
アルドはライオンをかかえて。
ベンはザイドにしがみついて。
「ねぇ!いつか、みんなで旅をしたいな」
アリアがBCの奥に向かって声をかけたが、はたして、聞こえたのか。

■ル・オンの庭

Aldo : ふぅ……、とりあえずこれで、ジラートのヤツらの計画は阻止できたな。アリア。お前のおかげだよ。
lion : あなたがあんな力を持っていたなんて…
Zeid : こころから礼を言おう、この地に生きる、あらゆる生命を代表して……。
Aldo : さあ、それじゃそろそろ帰るとしようぜ!こんなところに長居はゴメンだ。
Aldo : 先に行くぜ。じゃあな、アリア!
アルドは、言いたいことを言いおわると、さっさとワープポイントに消えた。
Zeid : 私も行くとするか。いずれまた会おう、勇者よ。我らが祝福の地、ヴァナ・ディールにて……。
ザイドも、ワープポイントに消えた。

292 :21・air:2007/07/23(月) 19:07:18.39 ID:zahVIydB
黙ってやりとりを聞きながらなんだか頭が痛い。
とても、とても会話がかみ合っていない。
まともなミッションと、全然関係のないことだったろうから、なのだろうか。
あとに残ったのは、ライオン。
「ねぇライオン。あのときオーバーフロウに飛び込んで、犠牲になって止めるつもりだったでしょう」
アリアはきっぱりと、言った。
「な、なぜそれ、を」
「エルドナーシュが言ってたでしょ?異世界から来たって。私はここの未来を少しだけ知ってたの。」
「…」
気まずい沈黙がしばらく流れた。
「あのとき、飛び込むのを見ているつもりだったの。崩壊が止まるだろうから」
アリアは眼に涙を浮べて言った。
「私を殴って。ちから一ぱいに。ライオンがもし私を殴ってくれなかったら、あなたと友達でいる資格なんて無い。殴って。」
ライオンはすべてを察した様子でうなずき、ル・オン一ぱいに鳴り響くほど音高く、アリアの右頬を打った。
それから優しく微笑み、
「アリア、私を殴って。同じくらい音高く私の頬を。私はあなたとの約束を破るつもりだった。あなたが私を殴ってくれなければ、私はあなたと友達でいる資格なんて無い」
アリアは腕にうなりをつけてライオンの頬を打った。
「ありがとう」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおおいに泣いた。

293 :21・air:2007/07/23(月) 19:07:43.74 ID:zahVIydB
■地球 日本 FFXI

この日、FFXIの一部エリアで緊急メンテが行われた。

----==SystemMessage==----
特定のBCにおいて、ターゲットが現れない現象が発生しております。この現象
の解決のため、にともなってトゥー・リア、デルクフの塔上部のエリアで緊急メ
ンテナンスをおこないます。

エルドナーシュ、もしくはアークエンジェルミスラがBCに入っても出てこない。
その現象に開発陣は首をひねった。
他の部分とコーディングはなにも変わらない。
再起動を行うとその後同じ現象が発生しなかったことも、また開発陣を悩ませた。

…そのバグは結局、お宮入りした。

294 :21・air:2007/07/23(月) 19:08:28.99 ID:zahVIydB
■ネットゲーム実況

同日、ネ実には「AAMRがサンドにいたんだけど」というスレが立った。
”1”の手によってSSが何枚かアップロードされた。
レザーアーマーを装備したAAMR。
一回りミニサイズのレザーを装備したそれは、胸ははみでそうだし、やたらにハイレグ。
居酒屋「獅子の泉」の1席で、モーグリとお茶をしているらしきSS。

あまりにも、信憑性がなかった。
アップロードした”1”は、そこに居たからSSを取っただけだと主張した。
見たと主張するのも複数人あらわれて、SSもアップロードされた。
が、信用するものは結局居なかった。
そのスレはチートの話題と、エロいミスラの画像クレで埋め尽くされた。

295 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 20:04:57.84 ID:SuwfQ6wE
オチに吹いてしまった
保守るよ!

296 :21・air:2007/07/23(月) 20:11:03.74 ID:zahVIydB
■ルフェ湖

2艘の小舟。
ベンとマーティン、もう一つにはライオンとアリア。
マーティンのとなりのバケツには、魚が数匹泳いでいる。
ベンも釣りをしている。バケツにはカニ。
背を向けて座る、アリアとライオンのバケツには…なにもない。

ライオンのウキに反応があった。
振り返ったアリアに、ニヤリと笑う。
水面をわって現れたのは錆びたバケツ。
アリアは、肩をすくめてみせた。
憮然とした顔でまた釣りを続けるライオン。

アリアのウキに反応があった。
振り返ったライオンに、ニヤリと笑う。
盛大に水しぶきをあげて錆びたサブリガが空中を舞う。
ライオンは、小舟の中で笑い転げた。
長い間笑い転げるライオンに、アリアが水をすくってかける。

297 :21・air:2007/07/23(月) 20:14:59.67 ID:zahVIydB
ライオンもアリアに盛大にやりかえす。
水をくもうと小船の上で立ち上がって、二人はバランスを失い、ボートがひっくり返った。
派手に水しぶきが上がった。

ベンとマーティンは苦笑いして顔を見合わせ、肩をすくめた。

お・わ・り

-----
お話これにて終わりです。

ツタの花言葉が「永遠の友情」なのは本当です。
タンポポの花言葉が「うつろい」なのでそれをラストに生かしたかったんですが…。

辛口で結構ですので、ご意見、ご感想お願いいたします。

おまけ
http://karimohu.com/uploader/src/nejitsu1835.jpg

298 :21・air:2007/07/23(月) 20:18:57.22 ID:zahVIydB
294のあと、見事に連騰規制をもらいました。

>>295
SSとられてネ実にうpされた−というくだりは自分でも結構お気に入りです。

喫茶にいるときに、妙にまわりを冒険者が走り回ってうろうろする、
というくだりを入れておけば良かったです!
まぁ思いついたのが今日だったので・・。

299 :既にその名前は使われています:2007/07/23(月) 22:09:55.98 ID:5qtcXNQp
そういやAAってPCよりも一回りでかいんだよなぁw
サイズがないレザーを無理やり着たのか…(*´Д`*)

300 :21・air:2007/07/23(月) 23:13:24.81 ID:zahVIydB
>>299
http://karimohu.com/uploader/src/nejitsu1837.jpg

301 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 00:39:28.29 ID:7IrZjInm
辛口が御希望となッ!?
通しで読み直してくるよage

302 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 03:38:09.72 ID:QNEY40RC
あげあげ

303 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 06:19:42.12 ID:q2tv0zhA
まとめチョコチョコさわりました。
他もチョコチョコさわる予定。


今日帰ってから見始めていいですか?

304 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 08:59:31.73 ID:4HaXKz1l
完結おつですー

305 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 11:25:15.98 ID:4HaXKz1l
夏休みに油断禁物age

306 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 12:36:54.44 ID:K604cGf+
完結乙です!最後は一気に読んでしまいました。こういう熱い展開大好きです。
戦闘が熱くて素敵(´∇`)

307 :既にその名前は使われています :2007/07/24(火) 12:54:44.57 ID:il/f1xRR
久々の完結物、自分はAA戦やっとらんので
サイズについては良く分かりませんが
全体を通して見てもよくまとまった作品だと思います。

お疲れ様でした、またなにかネタがあれば
投下お願いします_(._.)_

308 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 14:36:14.60 ID:4HaXKz1l
こまめなホシュルヨ!

309 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 16:58:19.19 ID:AzbHopIZ
そうともホシュルよ

310 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 18:20:30.33 ID:QNEY40RC
>>298
通して読んでみましたわ。戦闘シーンもダレずに楽しく読めました、面白かったです。

……だけじゃ作者的には詰まらないだろうからw 少し気になった点をいくつか。

まず最初に気になったのが「ルフェ湖」で、船でサンドまで行ったりしてますが、
実際のルフェ湖は西ロンフォールのアウトポスト近くにある池でギルド桟橋と繋がってないのが気になりました。
ルフェ湖ではなくファノエ運河の岸辺と表記した方が混乱がなかったかもしれません。

唐突に出てきたエルドが主人公の質問に気軽に答えてしまっている件
物語の流れ的には小難しい設定を作るよりも謎のままというか、設定に触れずにラストを迎えても問題ないように思いました。
その後の言い合いの中でエルドが言い負けてる場面が……
見た目が子供という設定を生かすにはアリっちゃアリだがちょっと笑ってしまいましたw

AA周りの設定に関して、AAHMは無関心ではなく無知です。無関心だったらバストゥークの工業は発展しなさそうですw
AAに着けた各名前は文章で表現する際に便利で英語表記にしたのも面白いですが「〜その名は〜」のくだりが違和感ありますね。
>大型盾と剣を持ったエルヴァーン女性、アロジェン(arrogance)、その名は驕慢。  よりも
『崩れぬ驕慢の表れである何物にも貫けぬ大盾。構えるは白きエルヴァーンの女。その名はアロジェン』
とか、こんな感じじゃないでしょうか?二つ名の方ではなく通常使うほうを、その名は〜 に使うと思います。
(分かり易い人には分かり易い例:シャア・アズナブルその名は赤い彗星 / 赤い彗星その名はシャア・アズナブル) チョットツヅク

311 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 18:57:27.72 ID:QNEY40RC
チョットツヅキ

続きを読めばわかるAAMRネタを>>209で自分で軽くネタバレしちゃうのは頂けないですなw
その時点では獣/シというところで気付く人だけが気付くぐらいで丁度いいと思いますw

胡蝶ネタや二重人格ネタ(ちょっと違うが表現が難しい)と交通事故がきっかけネタは過去に何度か使われているので、
前からスレ読んでて記憶力の良い人だとネタが被ってるとか思ったりもしますが、ここらへんは
仕方ないのでノーコメント&スルーでw

途中のアリアの曲は文章で表現して、最後に備考としてアドレス張るぐらいの方が良かったかもしれないけど
ここらへんは個人の表現方法の好みにもよるので何とも言い難いですな。

部分的に酷評できるのはこんなものです。全体的な構成はラストに帰る場所としてルフェ湖の話を前半で用意したり
サンドリア等での行動がラストバトルのカギとなっていたりと、よく出来た構成で読んだところを振り返る面白さもありました。

一気に読める完結もの楽しませてもらいました。今後も書く機会があれば投下お待ちしておりますー。

312 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 21:55:03.86 ID:2u2/F8Cb
ちいさい兄さんは「今、在る世界」を不完全な、くだらないものとみなし、
完全な世界を求めて、扉を「開こう」としているのではなかったかな。

いや、だからどうだ、という事ではないのですけども。面白かったです。
もし次作もあれば、楽しみにしております(´∀`)

313 :既にその名前は使われています:2007/07/24(火) 22:54:09.83 ID:9qTLTBB5
自キャラになってた
でも課金してなかったから、なぞの草原でつっ立ったまま(^ω^)v

314 :21・air:2007/07/24(火) 22:58:11.69 ID:KXeTvQK2
>>307 >>310 さん、ありがとうございます。
・アークエンジェルの部分、改めて読み直すと雑…ですね。
読み返すと10人同時登場で、書ききれずに個々についての描写がほとんどありませんね。
(アリア、エルド、AA4人、アルド、ザイド、ライオン、ベン)
・AA各個の名前に関しては、英語版での「XXのかけら」です。
無知だとアホの子みたいだったのでこっそり変えたのです。
なんとか、無知を上手く説明つけるべきでした。
・私も今回初めて知ったのですが、飛空挺の発着している、サンドリア北側の湖がルフェ湖なのです。
ttp://yambowasura.blog85.fc2.com/blog-entry-89.html#trackback
けれどそのあたりも、もう少し説明が要りますね…。
・そもそも兄さんの姿を騙った別の何かかも
!!改訂版作るときにそのアイデアいただくは。

その他いろいろと、ご指摘ありがとうございました。

最期になりましたが、投下されている全ての方々にお礼申し上げます。
多くの作品を見せていただいてとても面白かったことが、初めてSSを書いてみたいと思った理由でした。

それでは、よい旅を。

315 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 00:39:58.24 ID:cMbQ3eyr
保守るよ!

316 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 06:39:23.30 ID:jCqoqGvC


317 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 08:31:08.68 ID:gbYmWMht
シュッ

318 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 08:31:48.69 ID:gbYmWMht
シュッ

319 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 12:19:25.54 ID:txbEr22L
夏バテ注意保守。
避暑地におすすめなのはザルカバードですか?

320 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 12:58:02.41 ID:AR+Ut+3O
グスゲンもなかなか

321 :21・air:2007/07/25(水) 15:03:09.40 ID:Vzxu5a31
 ヤター21AIRまとめデキタヨー & ほす
http://neko.on.arena.ne.jp/neko/21air/

今更思った、
21スレが投稿するタイミングで沈んだために、
初出22なのに21・airとな。

322 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 18:57:35.10 ID:0Aj5zbSd
落ちすぎっ!携帯からもホシュるよっ!

323 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 19:52:18.36 ID:gbYmWMht
保守が間に合わず落ちるパターン。
油断大敵age

324 :既にその名前は使われています:2007/07/25(水) 22:48:10.76 ID:5VE+rAq0
>>321
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
見やすい…見やすいぞ!!!

週末の楽しみにしていいですか?(つか今読めage

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